フェレータ (Verräter) 1999年ドイツ
デザイナー: マルセル=アンドレ・カサソラ メルクル
プレイヤー: 12歳以上 / 3~4人
プレイ時間: 60分程度
ルール難度: やや難
陣地争いと裏切りをテーマにしたカードゲームです。1999年ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。
プレイヤーは「鷲」軍と、「薔薇」軍に分かれ、敵を打ち負かし領土を占領することで勝利点を得ていきます。
上の写真中、円形に配置されたカードが戦場となる「領土」で、隣り合ったカードは敵軍の「領土」となっています。
1ラウンド毎にこれら隣り合った領土同士で戦いが行われます。
陣地固有の「戦力」と、各陣営のプレイヤーが手札から出した「戦力」の合計を比較し合い、大きいほうがそのラウンドの勝利陣営です。
敗北側の土地は敵陣営の占領下となり、その土地の「戦力」に応じた得点が勝利陣営のプレイヤーに加算されます。
ここまではただの陣地取りゲームですが、ひと味ちがうのはここからです。
プレイヤーは各ラウンド毎に、特別な能力を持った「役割」(アクションカード)のいずれかを受持ちます。役割は以下の6種類。
「役割」のカードは、裏に伏せたままそのラウンドの親プレイヤーから順に回し、他のプレイヤーに見えないように1枚取ります。
各プレイヤーが「戦力」を決定する手札を出した後、取ったアクションカードを一斉に表にし、各プレイヤーの「役割」を明らかにするのです。
「反逆者」の存在により、「圧倒的に有利だと思っていた戦闘に負ける」ことや、「戦況が一気に逆転する」ということが起こりえるのです。
戦闘の勝敗を直接左右するのは「外交官」などですが、「反逆者」や「建築家」を巧みに利用することでたくさんの勝利点を得ることができます。
同じ陣営の味方同士でもゲーム上は得点を競い合うライバルですから、これらの役割を使って他のプレイヤーを出し抜かないといけないのです。
両軍の戦況、ライバルの動向、紛争地の価値…様々な要素を総合的に判断して作戦を立てていくゲームです。
コンパクトなカードゲームですが、その内容は重厚なボードゲームに匹敵するほどの「濃い」作品となっています。
ゲームファン同士、大人同士でじっくりと遊びたい人におすすめのゲームです。