エルダーサイン (Elder Sign) 2011年アメリカ
デザイナー: リチャード・ラウニウス、ケヴィン・ウィルソン
プレイヤー: 13歳以上 / 1~8人
プレイ時間: 60~90分程度
プレイ難度: 普通
「エルダーサイン」は、「クトゥルフ神話」をテーマにした協力型ダイスゲームです。
「クトゥルフ神話」は、アメリカの怪奇小説作家、H.P.ラヴクラフトの作品群を元にした架空の神話体系です。
ラヴクラフト自身は1920年代の作家であり、生前は不遇でしたが、その作品は現代に至るまで根強い人気をほこっています。
このゲームの目的は、アーカム(架空の都市)の探索者として「旧き印」と呼ばれる印を集めることです。
「旧き印」を集めることで、恐るべき「旧支配者」がこの世に顕現することを阻止しようとしているのです。
しかし「旧き印」を集めるには、危険な怪物や怖ろしい秘密の潜む博物館を探索しなければいけません。
敵の大ボスである「旧支配者」(あるいは「外なる神」)は、以下の8種。
ファンには馴染み深い名前が並んでいますね。
これら「旧支配者」はゲーム開始時に、いずれか1種類を選ぶことになります。
ゲーム中、時間が経ったり特定のイベントが発生する度に「旧支配者」へ「破滅トークン」が貯まっていきます。
「破滅トークン」が一定数貯まってしまうと、その「旧支配者」が顕現することになります。
「破滅トークン」が貯まる前に、必要な数の「旧き印」を集められればプレイヤー側の勝利です。
運悪く「旧支配者」が顕現してしまったら、全員で戦って放逐しなければいけません。
(アザトースを除く。アザトースのみ現れた瞬間ゲームオーバーです。)
もっとも、「旧支配者」は非常に強力な存在ですので、そうなってしまうと勝ち目は少ないでしょう。
「旧き印」は博物館の様々な場所で手に入れることができますが、それには「冒険カード」をクリアしなければいけません。
「冒険カード」にはその冒険をクリアするために必要な「ダイスの出目」が記されており、その通りの目を出せばクリアです。
一定回数のうちにクリアできない場合、「冒険カード」に記されたペナルティを受けなければいけません。
各「探索者」には「耐久力」と「精神力」が設定されており、どちらかが0になると死亡してしまいます。
冒険で受けたダメージは、アイテムなどで回復することができます。
また、各「探索者」には特殊能力が備わっており、それらをうまく活用することで勝利に近づくことができます。
ルールは100%ダイスロールによって解決されますので、勝敗はほぼ運任せということになります。
ただ、プレイヤー間で協力しあったり、解決する障害の順序を検討したりすることでうまく切り抜けられるようになっています。
ボードゲームよりは、初期の「D&D」のようなシンプルなRPGに近いと言えるかもしれません。
(もっとも、RPGほど物語的な要素は少なく、フレーバーテキストで雰囲気を楽しむという程度ですが…)
思考を要する部分は少ないので、ゲーム性を強く求めているボードゲームファンには少し物足りなく感じるかもしれません。
ただ、仲間と集まってワイワイと楽しみたい、手軽にクトゥルフ神話のゲームをやりたい場合には最適の作品です。
協力するゲームなので、対戦ゲームの合間に肩の力を抜いてプレイするのがオススメです。