アベカエサル(Ave Caesar) 1989年ドイツ(新版2006年)
デザイナー: ヴォルフガング・リーデッサー
プレイヤー: 12歳以上 / 2~6人
プレイ時間: 30分
ルール難度: 易
「アベカエサル」は、古代ローマのチャリオットレースをテーマにしたボードゲームです。
各プレイヤーは自分の色のチャリオットを操り、一番早くゴールしたプレイヤーの勝利です。
レースのコースはすごろくのようにマス目が区切られています。
各プレイヤーは1~6までのいずれかの数字が書かれた手札を出し、書かれた数のマス数だけ進みます。
一度に保持できる手札は3枚ですので、どの順番で手札を出すのか、レースの状況を見ながら決めなくてはいけません。
ここまではシンプルなすごろくゲームのようですが、ゲームを面白くするルールが3つ用意されています。
1つは「コースの幅いっぱいにチャリオットが並んでいる場合、後続のプレイヤーは追い越せない。」ということ。
コース区切られたマス1つ分には1台のチャリオットしか存在できません。
そして、チャリオットは必ず空いているコマを通って進まなくてはいけません。
例えば4マス分の道幅に4台のチャリオットが並んでしまった場合、後続のチャリオットは追い越せないのです。
コースにはところどころ道幅が狭くなっている箇所があり、先行しているプレイヤーはここで効果的に後続車をブロックすることができます。
ただしあまり妨害に熱中していると、ライバルに先を越されてしまうので注意が必要です。
2つ目は「先頭を走っているプレイヤーは6のカードを出せない」ということ。
このため、特定のプレイヤーが先行して完全に後続を引き離すという展開にはなりにくくなっています。
ある時点でトップを走っていても、手札によってはあっという間に遅れをとってしまう可能性もあります。
レースの流れやタイミングを読んでから先頭に出る必要があります。
3つ目は「レース中に必ず一度、皇帝の前の側道に入って止まり、「アベ・カエサル」(皇帝陛下万歳)を宣言しなければならない。」というルール。
側道へ入るとマス目が細かくなり、入らない場合に比べて大きく遅れてしまいます。
また、側道へ向かうマスも限られており、タイミングを見計らって入らないと大渋滞に巻き込まれるという可能性もあります。
レースはコースを3週するので、タイミングは2回(1周めか2周めの終わり)しかありません。
「アベ・カエサル」ができなかった場合、自動的にレースから脱落となるため、側道へ入るタイミングを見計らうことが非常に重要です。
簡単ですが、最後まで白熱したレース展開になるよう工夫されたルールとなっています。
大人同士でも思わず熱くなってしまうような、「みんなで盛り上がる」ゲームの傑作です。