アレックス・ホルス
第13世代ヴェントルー
外見年齢20歳
実年齢40歳
表の個性:創造主
裏の個性:従者
コンセプト:青年実業家
アレックスは合衆国でも屈指の大財閥、バーミリオン財団に生まれました。
20歳の時“いつまでも年をとらない”叔母のシェリーからはじめて一族の秘密を聞かされ、抱擁を受けます。
以来、財団は彼が取り仕切り、現在も資産家としてシカゴに君臨しています。
プレイヤー:チャッピー
ヴァレリー
第13世代トレアドール
外見年齢18歳
実年齢62歳
表の個性:創造主
裏の個性:享楽主義
コンセプト:エンターティナー
ヴァレリーは、とある劇団のオペラ歌手として知られている女性です。
親はその劇団の先輩ですが、現在の保護者はどういうわけかシカゴの権力者であるヒューザーと言う男性です。
現在はシカゴにある高級分譲マンションに、忠実な下僕であるロンファンという男と共に住んでいます。
プレイヤー:リサ
ジェイスン・ウェルズ
第13世代マルカヴィアン
外見年齢25歳
実年齢30歳
表の個性:審判者
裏の個性:道化
コンセプト:探偵
ジェイスンはまだ若いヴァンパイアです。
彼は以前から私立探偵として身を立てていましたが、同時に別の人格に悩まされることがしばしばありました。
“第二の”彼は、いつものまじめな青年からは一転して、狡猾で非情な殺人鬼となります。
彼を見たある精神科医は、彼を同族とするに足る人物だと判断し、その時から彼のヴァンパイアとしての人生がはじまりました。
プレイヤー:コニタン
ストーリーテラー:ナッキー
プレイ日時:1998年6月27日(土曜日) 16時~18時
ST(ストーリーテラー):始めまーす。ジェイスン、君は日が沈んだ後、目を覚まして外の空気を吸おうと某貸しビルにある事務所のドアを開けました。
するとね、外の廊下に置いてあるベンチにスーツを着て眼鏡をかけた若い男が座っています。君が玄関から出てくると、男はパッと立ち上がって言う「あ、ここの探偵事務所の方ですか?」
ジェイスン:「そうです。私がここの事務所の探偵ですが?」
ST/男:変な間があって「実は、依頼したいお仕事がありまして、ぜひとも話を聞いていただきたいと…」
ジェイスン:「まあ、どうぞお入りください。」
ヴァレリー:その椅子は男の人が持参してきたの?
ST:ちゃうちゃう(笑)あるやん、貸しビルなんかの廊下に・・・それで、今は夜の9時くらいです。
ジェイスン:「どうぞ、おかけください。」
ST/男:「どうも。あ、申し送れました。私、ウィリアム・ハミルトンと申します。」と名刺を渡してくれます。外科医だそうですね。
ジェイスン:「ああ、これはどうも。」こちらも名刺を渡します。
ST/ウィリアム:「お話ししたいのは、私の妻のことなのですが・・・」と言って、胸ポケットから写真を取り出して見せてくれます。
「妻のアラニスです。」ブロンドでたいそうな美人ですね。彼よりも少し年上で、30歳くらい。
「えーと、」と彼は話し始めます。
「一月ほど前です。私が夜勤で夜遅く帰ってきたときに、彼女が家にいないことがあったのです。それで、その日は非常に遅くに帰ってきました。実は、そういったことがこの月に3度もありまして。」
ジェイスン:「なるほど、浮気ですな。」
ST/ウィリアム:「はあ」と彼はソファーに消え入りそうになるよ。(笑)
「私も、まさかそんなことはと思いながらも、彼女に訊いてみたんですが、何でも古い女友達に会っているとかって言うんです。」
アレックス:完璧に浮気やん。(笑)
ST/ウィリアム:「それで私、明日から一週間出張でニューヨークに行かなければならないのです。」
ジェイスン:「なるほど、それで留守中彼女の調査を?」
ST/ウィリアム:「彼女を疑っているというわけではないのです。私たちは何でも話し合える良い夫婦で・・・」としどろもどろになりながら、「ぜひとも、詳細な調査をお願いします。」ということになった。
ジェイスン:「分かりました、分かりました。お任せください。」
ST:彼は礼を言って、それからしばらく奥さんのことについての話をしてくれます。
「僕は彼女に気があって、まさか僕に振り向いてくれるとは…」とか、そういう話。
それから、家の住所と彼の携帯電話の番号を教えてくれて、お金の話を…
ヴァレリー:あのね、アメリカの探偵は調査の出来を見て、金額は依頼人が決めるんだって。
他全員:へえー。(どこでそんな情報を?)
ST/ウィリアム:「じゃあ、よろしくお願いします。」帰りました。
ジェイスン:ヴァンパイアは昼間調査できないので、“親友”の同業者ディグジーに頼みます。
※このゲームでは“親友”や“財産”といった「背景」が重要になってくる場面が多いため、キャラクターを作るときにどれほどなのかを決めている。
ST:ディグジーは「おお、すごい美人じゃないか。こりゃあ光栄だな。」とかいってます。それから、3日ほど調査しましたけど何もありませんでした。3日目の夜に君とディグジーが落ち合って車の中で家を見張っています。ディグジーは「それじゃ、俺は帰るよ。ドーナッツ食う?」と。
ジェイスン:「食う食う!」
ST:彼は帰り際、「奥さん今日は出かけるみたいだぜ。」と教えてくれました。
それから、数時間車の中で見張ってると、9時くらいに雨が降り始めました。
と、突然シルバーのBMWが家の前につけます。
ジェイスン:ナンバーを覚える。
ST:はい。それで、運転手らしき男が出てきて、傘をさして家の玄関のインターホンを押します。
すると、ドアが開いてドレス姿のアラニスが出てきます。そのまま、BMWに乗って行ってしまいますけどね。
ジェイスン:よーし、ついていってみよう。
ST:知覚+操縦で難易度6
ジェイスン:“意志力”を1回消費しておきます。…1個成功。
※“意志力”を一回分消費して判定すると、振るべき十面サイコロ1つぶんを自動的に成功したものとみなすことが出来る。
ST:なんとか気付かれずについていけました。
えーと、倉庫が立ち並ぶ通りを走って、一軒の古い煉瓦造りの建物の前に止まりました。
車から女性が二人出てきました、一人はアラニス。もう一人は知りませんがこの人もかなりの美人です。
で、二人は建物の中に入っていきます。
ジェイスン:ここで車を止めて待ちます。
ST:しばらくすると、今度は黒いリムジンが止まって中からこれまた正装した美女やら、男前やらが数人出てきて建物に入っていきましたね。
ジェイスン:嫌な予感がするなあ。“オーラ知覚”で見てみます。
ST:はい、分かりました。彼らはヴァンパイアですね。
ST:アレックスとヴァレリー、君たち二人がね・・・
ヴァレリー:一緒にいるの?
ST:嫌がるな。
アレックス:なんで嫌がるんや!(怒)
ST:君たち二人はベルモントという40過ぎ(外見年齢)ぐらいのヴァンパイアが主催する、パーティに出席しています。
彼はトレアドールのクランで、そういった連中はあちこちでパーティを開くわけですよ。
ベルモントは画家のパトロンをやってて、今回は彼のお気に入りの画家が描いた絵などが展示されている。
まあ、自慢大会みたいなものです。
ST/ベルモント:「ご機嫌いかがかね、ヴァレリー君。」
ヴァレリー:「楽しませていただいております。」
ST/ベルモント:「アレックス君も、気に入った作品があれば・・・」って、こいつ“芸術”技能ゼロだったー!
アレックス:「えーと、この絵、高いのかな?」って感じ。
ジェイスン:商売しか考えに無いんか。(笑)
ヴァレリー:心にゆとりがないな。
ST:何人かのトレアドールが集まって絵の批評なんかを始めるよ。「ハイ、ヴァレリー」とグリーンの瞳をした若い女性が声をかけてきます。
ヴァレリー:ああ、女の人か。ニューハーフ系の人かと思った。
アレックス:「グリーンよ!グリーン!」の人。(←注:映画フィフス・エレメント)
ST:俺のロールプレイにケチつけるつもりか!カマくさいってどういうことやねん!(笑)
(プレイ中断)
ST:えーと、その人はシェリル・シーマンっていう女性で、舞台女優です。かなりの美人ですな。
ヴァレリー:私よりも?(←“容姿”4ドット、おそるべし)
ST:うーん、どうだろう。彼女は美しいグリーンの瞳を誇っていて、“エメラルド”ってニックネームで呼ばれたがっている。君に言わせればちょっとおつむが軽い。彼女の見せる明るい笑顔は、彼女が無知であるということを公言しているようなものだ。
ヴァレリー:××××やな。
ST:そんなにイッてないぞ、マルカヴィアンじゃないんだから。(笑)どっちかっていうと、うすい奴。
良く言っても天真爛漫かな。
アレックス:退屈だったので「素敵な方だね。ヴァレリー、紹介してくれないか。」とか言ってみます。
ST:しばらく自己紹介しあって、おしゃべりしてると、「ハイ、ヴァレリー」とまた声をかけてくる女性がいる。
彼女はエリカ・ブラウンというジャズ・シンガーでして、あまり売れていませんでした。
それで、一時ドラッグに溺れていたこともあるそうですね。「新しい彼氏?」とか言うよ。
ヴァレリー:「冗談はやめて。」
アレックス:ぼそっと「くそっ、こっちにも選択の権利はあるぞ。」(笑)
ST:彼女はショートカットの女性で、いちいち皮肉の滴るような会話が君との間でかわされるのですよ。
嫌味合戦やな。それで、エリカ・ブラウンとシェリル・シーマンは兄弟にあたるそうです。
要するに親(ヴァンパイアの)が同一人物ですね。
エリカ・ブラウンはもう一人女性を連れていますが、30歳くらいの女性です。
ヴァレリー:「そちらの方は?」
ST/エリカ:「私の古い友人で、アラニス・ハミルトンよ。」
ジェイスン:ああ、やっぱりー!
ヴァレリー:彼女はヴァンパイアかな?
ST:おそらく人間でしょう。アラニスは君に少しだけ笑って見せます。
エリカは「それじゃね、ヴァレリー。彼氏が退屈してるわよ。」といって向こうへ行ってしまいました。
シェリル・シーマンも、「じゃ、またね。」ハッハーみたいな感じで(←?)行ってしまいました。
アレックス:やっぱりそのロールプレイがまずいと思う・・・
ST:ジェイスン、君の車のドアがコンコンとノックされますよ。「失礼?」とボディガード風の男がいますけど。
ジェイスン:「何か用か?ドーナッツ食う?」
ST:サングラスをかけたごつい男たちが車の周りにいますね。「何をしてらっしゃるのかな?」
ジェイスン:「ドーナッツを食ってる…冗談だよ!あんた、あそこのガードマン?」
ST/男:「あそこに興味があるのか?帰った方がいいなあ。」
ジェイスン:そうなんですか!(泣)
「ここにいちゃまずいかな?あそこの中にいる一人に用があってね…邪魔するつもりは無いんだ。」
ST:ばっと腕が入ってきて胸ぐらを掴まれる。「とっとと車を出せ、もう一度現れたらただではすまんぞ。」
ジェイスン:「分かった、分かった。すぐ帰るよ!」と車を出して帰る…ふりをして車を隠してからもう一度走ってくる。“不可視”の能力を使って。そのへんで待ってる。
ST:それじゃ、中ではパーティがお開きの時間となって、ぞろぞろと帰っていくよ。
ジェイスン、たくさんのヴァンパイアがぞろぞろと出てきますが、おめあてのアラニスはまだですね。
そのうち、知った顔が出てきました。アレックスとヴァレリーです。
ジェイスン:あいつらか!なんて気取った格好をしてやがるんだ!(笑)
ST:建物の周りには高級車がたくさん止まっています。
ジェイスン:アラニスはまだなんだよね。とりあえず、アレックスの肩をポンポンとたたく。「よー、久しぶり。」
ST:そうしてたら、後ろの方でさっきのガードマンが、「おい!おまえ!」と迫って来ますよ。
ジェイスン:あれ!?「アレックス、あいつに訳を話してやってくれ。」と。
アレックス:不審者です(笑)
ヴァレリー:キャー、助けてー(笑)
ジェイスン:あら!?
アレックス:うそうそ「この男は私の知り合いだよ。」と言います。
ST:それじゃ男は「そうでしたか、失礼しました。」と引き下がりました。
そうこうしていると、後ろの方からエリカ・ブラウンの声がします。
「あらー、素敵なお友達ね。」皮肉たっぷりに。「素敵なファッションね。」
ジェイスン:誰?誰?あの人。(←注:『ガンダルフを大統領に!』とプリントされたTシャツとジーンズ)
ヴァレリー:黙れ(怒)
アレックス:ジェイスン、指さすな!(笑)
ST:その後で、アラニスが出てきて、シルバーのBMWに乗り込みましたよ。
ジェイスン:あら!?アラニス出てきた?キョロキョロするよ。
ヴァレリー:「これ以上私に恥をかかせないで」(怒)
ジェイスン:「二人とも、また連絡する!」と言ってバタバタと自分の車の方へ走って行くけど。
ST:それじゃ、ヴァレリーがイラついてリムジンに乗ろうとしているところへ、追い打ちのようにシェリルが出てきて「またねー」って。
アレックス:嬉しそうに「また今度ー!」(笑)
ヴァレリー:「恥をかかせないで」(怒)
ジェイスン:車でBMWを追う。
しかし結局、BMWはアラニスを無事に家まで送り、エリカ・ブラウンの家に帰り着いただけだった。
ジェイスン:その家の住所を確認して帰る。帰ったら、何時くらいかな。
ST:もう4時くらい。
ジェイスン:2人に電話して、例の住所に住んでいる女(エリカ・ブラウン)のことを訊きます。
エリカ・ブラウンのことと今日のパーティのことを聞いた結果、まあ浮気ではないからよし。という結論に達する。
ST:それから3日ぐらい経ってから、ウィリアムから電話がかかってきて、「どうでした?」とこわごわ訊いてくるよ。
ジェイスン:「安心なさってくれて結構です。奥さんのおっしゃったことは本当らしいですね。古い友人というのは女性らしいですよ。」と言ってあげよう。
ST:それじゃ、ウィリアムは心底安心したように、「そうですか、ありがとうございました。また後ほど連絡させていただきます。」と言って、電話をきりました。
ST:3日後です。ジェイスン、君の事務所のドアがバンバン叩かれていますよ。6時くらいです。
ジェイスン:開けてあげよう。
ST:「ウィリアムです!」バーン!とドアを開けて彼が入ってきます。「ジェイスンさん!妻が…」
ジェイスン:「奥さんがどうかなさいましたか? 」
ST:「こんなものを…」と彼が差し出したのは“離婚届”というものでした。
ジェイスン:あれ!?「とりあえず、中へどうぞ。コーヒーでもいかが?」
ST:グニャグニャになりつつ入っていく。「はあ、いただきます。」
ジェイスン:「そのことについて詳しくお聞かせ願えますか。」
ST/ウィリアム:「それが、昨日の晩突然、別れてほしいと言い出して…その夜、出ていったきり帰ってこないんですよ。やはり、だれか他に男がいたんでしょうか!?」
ジェイスン:「わかりました、その件について追加調査しましょう。何かありましたら、そちらの方に連絡いたしますので、今日のところは・・・」
ST:「はい、よろしくお願いいたします。」と言って帰りました。
ジェイスン:2人のところへ電話をかけます。まずアレックスのところへ。
アレックス:「もしもし?」
ジェイスン:「エリカ・ブラウンのことをもう一度詳しく聞きたいんだが。」
アレックス:「気の強い女だ、あれはやめておけ。」
ジェイスン:「そうじゃない、彼女が連れていたアラニスという女のことだが、なんだかもめているようなんだ。とにかく、俺はこの件について調べているから、何か分かったら連絡をくれ。」電話をきって、今度はヴァレリーのところへかける。「もしもし、ジェイスンだが。」
ヴァレリー:「何か用?」
ジェイスン:「エリカ・ブラウンと、その連れのアラニスという女のことを知りたい。何か彼女たちの間で問題があったようなんだ。何か知っていることがあるなら、教えてくれ。」
ヴァレリー:「電話番号を教えましょうか?それとも私が電話をかけましょうか?」
ジェイスン:「お願いするよ。」電話をきって待ちます。
ヴァレリー:エリカ・ブラウンの家に電話をかけました。
ST:3回目のコールで誰かが電話に出ました。「もしもし?」と男の声がします。
ヴァレリー:「ヴァレリーという者だけれど、エリカに取り次いでもらえるかしら。」
ST:「ヴァレリーか?私はヒューザーだ。」
※ヒューザーはヴァレリーの保護者で、シカゴのプリモーゲン(プリンスの補佐役)の一人だ。
ヴァレリー:ニュニュー!ごめんなさい電話番号間違えましたー!ごめんでチュー!(←!?)
ジェイスン:なんでいきなり別の生き物になるんやー!(笑)
アレックス:急にちっちゃくなるな。(笑)
ST:「ヴァレリーだな?エリカ・ブラウンのことで少し問題があってね、ここにどういう理由で電話を?」
ヴァレリー:「私も友人からエリカ・ブラウンのことでトラブルがあったと聞きまして。」
ジェイスン:誤解を招くような発言はやめるのじゃよー!
ST/ヒューザー:「ほう、詳しく聞かせてもらおう。その友人とやらを、私の屋敷まで呼びたまえ。」
ジェイスン:あら!?
ヴァレリー:「何か大変なことが?」
ST/ヒューザー:「来てもらおう、エリカ・ブラウンのことに関係した者全員だ。」
ヴァレリー:他の2人に電話をかけて、ヒューザーの屋敷に行きます。
ST:やってきました。屋敷の一室に通されると、ヒューザーと他のトレアドールの連中が集まっていました。
ヒューザーと、ベッドに寝ているエリカ・ブラウンがいます。彼女は真っ青な顔をしてうつむいています。
ヒューザーが言います「舌を切り取られている。」
アレックス:「お聞きしたいのですが、犯人に心当たりはあるのですか。」
ST/ヒューザー:「わからん、彼女は舌を焼ききられている。重傷だ。」ほかにも、体の方もだいぶ酷くやられており、辛うじて死は免れたものの、数カ月、悪ければ数年は眠り続けなければならないということだ。
「ジェイスン君?エリカ・ブラウンのことで何があったか話してもらおうか。」といいます。
ジェイスン:「エリカ・ブラウンにはアラニスという下僕がいまして、そのアラニスの夫から彼女の浮気調査をうちの事務所に依頼してきたのです。それで、アラニスのことを調査していたのですが、昨日、彼女の行方が分からなくなったということなので、エリカ・ブラウンの家に連絡をつけてもらっていました。」
ST/ヒューザー:ちょっと考えている風だったけど「エリカ・ブラウンには仲の良い兄弟がいたそうだが?」
ヴァレリー:「シェリル・シーマンのことでしょうか?」
ST/ヒューザー:「私が考えるにこの件、適任なのは君たちだろう。アーサー君には私から連絡しておく。シェリル・シーマンの家に行って話を聞いてきてもらおう…しかし、少し引っかかることがある。」
アレックス:「なんでしょう?」
ST/ヒューザー:「まあいい、行ってくれ。」
ST:シェリル・シーマンの家は、まあまあ高級なマンションですよ。合い鍵ももらいました。
ジェイスン:インターホンある?連打するけど。
ST:返事はありませんね。
ジェイスン:じゃ、開けて部屋の中に入る。
ST:部屋のなかは薄暗くてしーんとしている。
ジェイスン:「シーマンさん?」
ST:知覚+警戒で難易度9
ヴァレリー:3個成功。
アレックス&ジェイスン:2個成功。
ST:じゃあ、ふわっと影が迫ったと感じた瞬間、ヴァレリーの目の前に何かが襲いかかってきます。
回避するなら、敏捷+回避で難易度7。
ヴァレリー:4個成功。
ST:じゃ、そいつは勢い余って反対側の壁にドーン!とぶつかりますが、そのまま壁をドンドンと叩いて、「フアーッ!!」と洗濯機に入れられたネコのような声をあげながら振り向きますよ。
ヴァレリー:誰!?これ誰!?
ジェイスン:洗濯機に入れられたネコじゃないの?(笑)
ST:そいつは、棚にあったスタンドをひっくり返してベッドの方まで来ます。
ナイトガウンを着た女性ですね、シェリル・シーマンですよ。
ぱっと君たちの方を向くと、まるで泣いているみたいに眼窩から血が流れていますが、そこにあるべき自慢の緑の瞳が2つともありません。
全員:ひえー!
ヴァレリー:「落ちつくのよ、シェリル!」
ジェイスン:って言われて落ちつける状態じゃないよな。(笑)
ST:じゃあ、数分間そうやって暴れ回っていたけど、やがて少しは落ちついたということで。ぜいぜい言いながらベッドの上に寝転がってしまったよ。
ヴァレリー:「シェリル、これは一体どうしたの!」
ST/シェリル:「あの男が・・・あの男が帰ってきたの!あの男が帰ってきて・・・私の眼を!」
ヴァレリー:「とにかく、ヒューザー様のところで手当を。」ヒューザーに連絡して救護しに来てもらおう。
アレックス:「シェリル、何があったか詳しく教えてくれ。」
ST:じゃ、彼女は君の胸をぺたぺたとさわって「ペンと紙を!」と要求してきます。
受け取るとね、ダウンタウンの方の住所を書き殴りますよ。「これが彼のアトリエよ・・・」
アレックス:「そいつの名は?」
ST/シェリル:「ヘンリー・マックス。」
ヴァレリー:ヒューザーにその男のことを聞きたい。
ST:それじゃあ、アトリエに向かいながらヒューザーに連絡をとったということで。
ヒューザーは言う「ヘンリ-・マックスというのは、ロズウェル家の血を引く者で元々は詩人だった。
彼は自分の力を誇り、やりたい放題の男だったよ。彼が自分のお気に入りの女二人を無断で同族にしたときはさすがに問題になったが、その時は私が何とかとりなし、プリンスに面とおししてもらった。
だが彼には悪い噂がつきまとった、特に売春関係の犯罪にも手を染めていたようだ。
遅かれ早かれ何らかの制裁が下っただろうが、決定的だったのは、ある長老の下僕の女を殺したことだ。
私は、彼にこの街を離れることをすすめた。」要するに、自主的な追放刑だな。
ヴァレリー:その男が戻ってきた・・・って私たちの手に負えるの?(笑)
ST:はい、つきました。ここのはずです。一階は完全に倉庫になってる。
二階は割ときれいにされているみたいだね。君たちが二階に上がっていくと、ソファに上等なスーツを着た髪の毛の長い男が座っていた。その隣にはアラニス・ハミルトンが座っている。
君たちがやってきたのを見て、男が立ち上がり、おじぎをして見せるよ。
ヴァレリー:こいつ、マルカヴィアンじゃないのー?
ST/ヘンリー:「殿下の使者殿につつしんでご挨拶申し上げる。」
アレックス:「ヘンリー・マックスか?」
ST/ヘンリー:「いかにも。」
アレックス:「エリカの舌を焼ききり、シェリルの緑の瞳をえぐり取ったのはお前だな?」
ST/ヘンリー:「彼女たちは少しやりすぎたんだよ。甘やかした私も悪いんだがね、少し罰を与えることにした。だがこれで誤解も解けるだろう、プリンスに話をさせてもらえるなら、私の無実も認めてもらえるだろう。」
アレックス:「そのときどう説明するのか、試しにここで説明してくれないかな?」
ST/ヘンリー:「あの女を殺したのは私ではない。」女というのは某長老の下僕のことね。「あれは、私の娘達が仕組んだことだ。だが、私は無実を証明するために戻ってきた。ここにいる私の忠実な娘が何もかも話してくれるだろう。
ジェイスン:あら!?いつから…「そこにいるアラニスはあんたの?」
ST/ヘンリー:「彼女は私の末娘だ。抱擁することは出来なかったが、少なくとも最も忠実な下僕だ。
彼女は、姉たちの計略を知っていながら、私に警告できなかったことを悔いている。
もうすぐ、彼女に老いに怯えることのない体を与えてやれる。十数年ぶりに彼女との約束が果たせるのだ。」
アレックス:「さて、聞いた限りではデタラメもいいところだな。第一、証拠がない。」
ST/ヘンリー:「プリンスは分かってくださる。この言葉、この私の心をもって。」と大げさに身ぶりで表現して見せるよ。
ヴァレリー:大変、トレアドール本領発揮って感じ。(笑)
ST/ヘンリー:「本当だよ、私の言うことが信用できないのかね?あの二人は、私が親であることを」と苦々しい顔をして「恥に思っていたようだ。彼女らが望んで私に近寄ってきたというのに、私に対する恩を忘れてしまったのだよ。」まあ、つまり親の評判がそのまま子の評価につながるような社会だから、ヘンリーの娘だということで上にはあがれない。だから、こいつの言ってることもひょっとしたらありえるかもしれないな。
ヴァレリー:「あなたの望みは、そのことをプリンスに分かってもらうと言うこと?」
ST/ヘンリー:「そうだ。それから、アラニスを私の娘として迎え入れることだ。」
ジェイスン:「アラニス、旦那さんのことはもういいのか?」
ST:それじゃ、アラニスは君の方をキッと睨む。まるで現実に戻すなと言っているかのようなそぶりです。
知覚+警戒で難易度8。
ジェイスン:1個成功。
ST:彼女の座っているソファーにちらっとリボルバーが隠してあるのが見えた。
ジェイスン:ええ~っ!(恐)
アレックス:いちいち拳銃にびくびくするなヴァンパイア!(笑)
ヴァレリー:死ぬんじゃよ~!!
ジェイスン:“オーラ知覚”で二人を視てみますが。
ST:はい。ヘンリー・マックスは非常に落ちついていて、満ち足りた感じだけれど、狂気の黒いチリヂリが見える。
ジェイスン:こいつギリギリや~!(笑)
ST:アラニスのほうはほとんど白に近い渇望が見られますね。
ジェイスン:二人とも重症やな、これは。
ST/ヘンリー:「どうかね?私をプリンスのところまで連れていってくれるね?それとも、」いま初めて気がついたみたいに「別の理由でここに来たのかな?」という。
アレックス:「残念だが、上のかたは君のことを疑っておられる。今回の事件で君の立場は危うくなっていることだろう。このままプリンスに会いに行ったとしても、君の無実が証明されるとは思えないが?」
ST:ヘンリーが「それは私の…」と言いかけたところで、ヴァレリー、君の携帯が鳴りますよ。
ヴァレリー:とります。
ST:電話はヒューザーからでした。「裁決が下った。ヘンリー・マックスはこの街には来なかった、これは非常に特殊な例だが、彼には我々から制裁を与えることになった。」非公式だが、仲間うちでの刑の執行ですね。まさか、ヒューザーも君がヘンリーの目の前にいるとは思ってないでしょうが。
ジェイスン:「ところで、今どこにいるんだ?」とか訊いたり。(笑)
ヴァレリー:「残念だが裁決は下った。あなたはここにいないということになっている。私たちはあなたに制裁を加えなければならない。」
ST/ヘンリー:「バカな!?」彼は頭を抱えてその辺をぐるぐる回り出す。「信じられない!一体どうして!?」
アレックス:この街を出ていくように勧告しようか。
ヴァレリー:でも、なんだかぐるぐる回りながらインナースペースに入っちゃってるし。(笑)
ST:はい、そうしていると、アラニスが君たちの方にぱっと銃を向けます。
全員:ひえ~(恐)
ST:ヘンリーは「そんなものはしまいたまえ、これは誤解なんだ。プリンスも分かってくださる。」とか言ってるけどね。彼女は君たちに銃を向けたままで言うよ「出ていきなさい!」と。
ジェイスン:「アラニス、その銃を捨てるんだ。バカなまねはよせ。」
アレックス:“命令”とかの能力でなんとかならないかな?やってみるけど「その銃をこちらに渡せ。」と
ST:じゃあ、君がそう言った同じ瞬間、彼女はヘンリーに向けて数発続けて発砲します。それから自分の顎に銃口を向けて・・・ズドン!天井まで脳が飛び散りました。
全員:あーっ!!(唖然)
アレックス:わたせって言ったのに!
ST:ヘンリーは倒れて大量に出血している。放っていたら死ぬでしょう。
ヴァレリー:ヒューザーに連絡する。「ヘンリーは新たに同族にしようとしていた女に殺されました。」
ST/ヒューザー:「そうか、ご苦労だった。後の始末はこちらにまかせてもらっていい。」とのことです。
ジェイスン:あ、忘れてたけどウィリアムに何て言えばいいんだ!(笑)
ST:ちょっと離れたところにアラニスの荷物があって、そこの写真たてのなかにヘンリーと3人の娘達が社交会に出席したときの姿が写っていました。