"The Prince's Kingdom"は、Clinton R. Nixon氏によるインディーズRPGです。
そのルールは"Dogs in the Vineyard"という、こちらもやはりインディーズRPGのものを元にしているそうです。
プレイヤーはとある島国の王子(5歳~12歳)となって、冒険するというゲームとなっています。
コンセプトとしては大人のゲームマスターが、子供のプレイヤーを相手に少人数(1対1ないし1対2)で遊ぶことが想定されています。
今回はプレイヤーが5人ということで、少し変則的な遊び方として、
「隣に座る人同士が1対1でゲームマスターとプレイヤーになり、2人ずつ順番にゲームを進めていく。」
という方法でプレイしました。
(今回登場した王子・王女たち)
・シエラザード (物知りな10歳の長女)
・ジャヌウール (足が早く頑張り屋の8歳)
・アンモウール (思慮深く冷静な8歳)
・ジュピテル (動物好きな7歳)
・ターウース (勝ち気で派手好きな7歳)
「立派なところ」「困ったところ」などの特徴を、決められた数だけ即興で考えながらキャラクターを作っていきます。
ゲーム中、これらキャラクターの特徴を自由な発想で活かしながら、障害を克服したり対決に勝利していくわけです。
シンプルかつ想像力が必要なストーリーテリングゲームとなっています。
シナリオはいずれも、「父王の誕生日を祝う贈り物を、冒険で手に入れる」という形式で進められました。
(王子たちが持ち帰った贈り物)
・シエラザードは、大きな貝から取った美しい真珠を。
・ジャヌウールは、古代の遺跡に眠るという王冠を。
・アンモウールは、沈没した船に積まれていた珍しい香辛料を。
・ジュピテルは、毒を吐く竜が守る宝石を。
・ターウースは、海の底に住むという美しい鱗の魚を。
贈り物の種類や、立ちはだかる困難はそれぞれのゲームマスターとプレイヤーが相談して決めたものです。
贈り物アイディアもさることながら、障害となるイベントも各プレイヤーによって多種多様な案が出されました。
(贈り物を手に入れるために克服した困難)
・シエラザードは、海辺の民とのダンス勝負と、貝から出てきた魔神との知恵比べに勝利ました。
・ジャヌウールは、遺跡に住むロック鳥の秘密を知る老人と足の速さを競い、兎狩りで力を示しました。
・アンモウールは、魔法の調理鍋を探し、海賊達との香辛料を使った料理対決に臨みました。
・ジュピテルは、遺跡の在処を示す黄金の羅針盤を見つけ、毒を吐く小竜を追い払いました。
・ターウースは、海底に行くための魔法を洞窟の悪魔から学び、海の怪物と勇敢に戦いました。
プレイヤー全員がゲームマスターを持ち回りすることで、「その発想があったか!」という新鮮な驚きも経験でき、楽しいセッションになりました。
子供向けを意図されているゲームですが、ベテランから初心者まで一緒に楽しくプレイできるゲームとも言えると思います。
ヨーロッパ由来の古典カード遊びをベースに、遊びやすくリメイクされたゲームです。
プレイヤーの人数が多いほど盛り上がるゲームだと思います。
勝利のコツはほぼ「運」にかかっていますが、運ゲーと侮るなかれ。
勝利を確信した瞬間に「にゃあ」が飛んできたりしたときには、参加者全員大ウケです。
ちょっとしたスキマ時間に遊ぶこともできるので、ゲーム会では重宝するゲームですね。
今回の最後を締めくくるのは、プレイヤー間の騙し合いと読み合いが熱い「クー」でした。
いかに「そのカードを持っているフリをする」ことができるか、という胆力が試されるタフなゲームです。
ついつい臆病な手(=安全な手)を選んでしまいがちになりますが、勝つためには最初から騙す気で勝負に挑む必要があります。
また、ブラフだけではなく「既にオープンになっているカードの種類と枚数」を正確に把握し、作戦を変えていかなくてはいけません。
胆力だけではなく、状況を正確に把握する頭脳も必要だということですね。
今回は最大人数の6人でプレイしました。
大人数だと場に出ているカードが多く、当然後半になるにつれオープン状態のカードも多くなります。
そうすると、他プレイヤーの持つカードの種類が読みやすくなり、そのことが却って疑心暗鬼に拍車をかけたような気もします。
最後は「最初に動いたものが負ける」という嫌な三つ巴状況になってしまいました。
勝負の流れも結末も、プレイする度に違ったものになるゲームなので、面白いときと嫌なときの差が激しいかもしれません。
おそらく積極的にブラフを楽しんだり、一か八かでダウト宣言していく方が楽しめるゲームなんじゃないかと感じました。