研究コミュニティのリスクマネジメント・コンプライアンス研究懇談会
Risk Management & Compliance in Research communities (RMCR)
Risk Management & Compliance in Research communities (RMCR)
2024年9月26日(木)
オーガナイザー: 明谷 早映子(東京大学)
発表者: 狩野 幹人(三重大学),上條 由紀子(九州工業大学),山本 智史(未来工学研究所)
企画: 研究コミュニティのリスクマネジメント・コンプライアンス研究懇談会
本セッションは,最新のリスクマネジメントとコンプライアンスに関する重要なテーマを取り上げ,アカデミアが直面する現代のリスクに対する理解と対策を深めることを目的とします.講演を通じて,多角的な視点からリスクを分析し,具体的な対応策を探ることを目指します.
前半の講演パートでは,各分野の専門家から,学術と安全保障をめぐる諸課題,特許出願公開にともなう技術流出に関する分析,スタートアップ創出支援及びスタートアップエコシステム構築におけるリスクマネジメントへの取組みについて報告し,後半では,パネルディスカッションと登壇者・参加者の意見交換を通じて,現代の学術・技術分野における重要な課題について議論を深めます.
開催日程 2024年10月24日(木)18時-20時(Zoom, 無料, 会員でなくても参加可)
プログラム
- 開会のご挨拶
東京大学大学院医学系研究科 利益相反アドバイザリー室長, 博士(理学)・弁護士
明谷 早映子
- 講演1
「学術と安全保障をめぐる諸課題 ~論文データベース等を用いたリスク分析の可能性について~」
未来工学研究所 政策調査分析センター 社会課題調査分析センター 主任研究員, 法務博士
山本 智史 氏
- 講演2
「特許出願公開にともなう技術流出に関する分析 ~特許公開情報と安全保障貿易管理法令との対比を基に~」
三重大学 学長補佐 (危機管理担当), 研究・社会連携統括本部 准教授, 知財ガバナンス部門 部門長, 研究インテグリティ部門 副部門長
狩野 幹人 氏
- 講演3
「大学の研究開発成果に基づいたスタートアップ創出支援及びスタートアップエコシステム構築におけるリスクマネジメントへの取組み ~PARKSの事例を中心に~」
九州工業大学 社会実装本部未来思考実証センター 特任教授, 弁理士
上條 由紀子 氏
- パネルディスカッション・参加者との意見交換
- 閉会のご挨拶
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZcrceiprjwqE9FJl0reKsoEfGQnJmjfSJHj
近年,基礎研究分野を含む懸念国との学術交流に関する安全保障上のリスクの高まりについて,指摘されている.
かかる情勢を背景に,外国勢力のアカデミアへの影響にかかるリスクを検知し評価する試みの一つとして,欧米のシンクタンクを中心に,いわゆるオープンソース・デューディリジェンス(OSDD)につながる情報探索の取り組みが散発的になされている.しかし,そこでは主な情報源として欧米の英語論文データベースが参照されており,懸念国のハイリスク研究活動の総体を捉えられていない可能性がある.リスク評価も懸念国の研究機関のウェブサイトに掲載された表層的な研究者・機関情報に依存しており,体系的に整理されたOSDDの方法論の確立を見ているわけでもない.
本報告では,こうした従来のOSDDの限界を克服すべく,懸念国自体の運用する論文データベース等の公開情報を用いたリスク検知・評価の試みについて論ずる.そもそも諜報活動を含むHUMINT等をアカデミアが自律的に行うことは不可能であるがゆえ,OSINT概念を援用したOSDDが注目されている.公開情報を当該分野のリスク評価に用いることの有効性と限界についても議論したい.
◇講演2 狩野 幹人 氏「特許出願公開にともなう技術流出に関する分析-特許公開情報と安全保障貿易管理法令との対比を基に-」
特許出願公開による機微技術やデュアルユース (民生用途・研究成果と軍事用途) 技術の海外への流出の懸念が高まっている.2022年5月に,特許出願の非公開制度の創設が盛り込まれた経済安全保障推進法が公布され,2024年5月1日付で,特許出願の非公開制度が開始された.同制度においては,「公にすることにより国家および国民の安全を損なう事態を生じるおそれが大きい発明」 ,すなわち極めて機微な発明が対象になっていると考えられる.
本研究では,機微かつデュアルユースに資する技術を対象とし,そのような発明技術が特許出願公開により流出する状況の分析を目的とした.まずは,機微度の高い特許分類を抽出するための手法として,国際特許分類 (IPC) と,リスト規制対象貨物を規定している輸出貿易管理令別表第一について,それぞれの項目間の関連度を,英文のテキストマッチングによって算出する方法を構築した.
つぎに,機微度の高い分野,デュアルユース技術の代表的なIPCに着目し,出願公開情報に基づき,
出願人の属性,共同出願等の出願形態等について分析をおこなった.
知財や技術移転,それらのマネジメントを軸にした経済安全保障,研究セキュリティ・インテグリティの確保等についての議論にもつながることを期待したい.
◇講演3 上條 由紀子 氏「大学の研究開発成果に基づいたスタートアップ創出支援及びスタートアップエコシステム構築におけるリスクマネジメントへの取組み ~PARKSの事例を中心に~」
近年,我が国では,イノベーション創出及び新産業創を実現すべく,産官学が連携しながら,各地域におけるスタートアップエコシステム構築に向けた施策に取り組んでいる.
大学では,アカデミアの研究開発成果である技術シーズに基づき,将来的に海外市場への展開も視野に入れた社会的・経済的インパクトを与え得る大学発スタートアップの創出を実現するため,アントレプレナーシップ人材の育成,CXO人材の確保,起業支援人材の育成・確保,スタートアップ創出に関連する規則・規定等の整備,事業化推進機関との連携,GAPファンド運営・ガバナンス体制の構築等を推進している.
本発表では,大学発スタートアップ創出支援及びスタートアップエコシステム構築におけるリスクマネジメントに焦点を当て,PARKS(Platform for All regions of Kyushu & Okinawa for Startup ecosystem)の事例を中心に,兼業・利益相反リスク,知的財産に関するリスク等を含めたリスクマネジメントへの取組みについて述べ,アカデミアが直面する現代のリスクに対する理解と対策を深める本セッションの目的につなげていきたい.
以上
2024年8月28日(水)
『研究インテグリティとセキュリティの確保に向けて:政策と実践の視点から』
本セミナーでは、内閣府、文部科学省、JST研究開発戦略センターのご担当者をお招きし、研究インテグリティとセキュリティの確保に向けた政策と実践についてご講演いただきます。2023年のG7科学技術大臣会合のテーマとなった「信頼に基づくオープンで進化する研究エコシステムの実現」と「研究の自由とセキュリティの両立」に向けた国際協力の重要性を踏まえ、大学関係者が今後の取り組みに役立つ知見を提供します。また、諸外国における研究セキュリティの取り組みも紹介し、開かれた研究環境と安全の両立に向けた実践的な視点を共有します。
講演後に、クローズドの意見交換会(対面/Web)を開催いたします。リスクマネジメントを扱っている研究・イノベーション学会の会員の方で、参加を希望される方は、個別に、【連絡先】 までご連絡ください。
日時: 2024年9月27日金曜 13時30分-15時00分 (Web開催)
登録用リンク: https://utelecon.webex.com/weblink/register/r8949d9dad68c872e5df3f9e82d705e1c
【概要】
- 「研究インテグリティ・セキュリティに関する最近の動向」
内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 国際担当 企画官 宮澤 武志 氏
文部科学省 科学技術・学術政策局 参事官(国際戦略担当)付 参事官補佐 村木 志穂 氏
- 「諸外国における研究セキュリティの取組み -研究の開放性と安全の両立に向けて」
国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター(CRDS)フェロー 鈴木 和泉 氏
- Q&A
【その他】
(1) 本セミナーは、『研究・イノベーション学会 研究コミュニティのリスクマネジメント・コンプライアンス研究懇談会』と『研究コミュニティのリスクマネジメント・コンプライアンス勉強会(RMCR勉強会)』の共催企画です。
(2) 科研費基盤C 23K02546の支援を受けています。
2023年10月5日(木)
研究・イノベーション学会 第38回年次学術大会 [10月28日〜29日/オンライン開催]にて、
〈ホットイシュー〉リスクマネジメントと研究インテグリティー を企画し、採択されました。https://jsrpim.jp/archives/5576
【特別講演】研究インテグリティの確保に係る政府の対応方針とその取組状況 〇田村朱麗 氏(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局上席政策調査員)
【一般講演】10講演
◆研究懇談会キックオフイベント◆
内閣府担当官による「G7科学技術大臣の共同声明」の説明セミナー
【2023年6月29日(木) 19時からオンライン開催】
会員でない方も、どなたでもご参加いただけます
案内文(PDF) https://drive.google.com/file/d/1qKJG8zZ--wu9Jf6DhKaoHj9zuYds6OWC/view?usp=sharing
令和5年5月12日から14日に、G7仙台科学技術大臣会合が開催され、会合の成果文書として、「G7科学技術大臣の共同声明」が発出されました。
会合では、「信頼に基づく、オープンで発展性のある研究エコシステムの実現」をメインテーマとし、今後の科学技術政策の方向性として、「科学研究の自由と包摂性の尊重とオープン・サイエンスの推進」、「研究セキュリティとインテグリティの取組による信頼ある科学研究の促進」、「地球規模課題解決に向けた科学技術国際協力」について議論が行われました。
共同声明は、科学研究の健全な発展のためには、世界的に、研究環境を開かれたものとし、自由や包摂性が強化されるべきである一方、信頼に基づく科学研究の推進に向けて、グローバルな研究セキュリティ・研究インテグリティと、それらの普及のための共通の価値観と原則の重要性を再確認しています。
5月20日に、G7広島サミットにおいてG7首脳が発出した「G7広島首脳コミュニケ」の<科学技術>の項でも、オープン・サイエンスと研究セキュリティ・研究インテグリティについて触れられています。
本セミナーでは、「G7科学技術大臣の共同声明」と「G7広島首脳コミュニケ」の発出に多大な貢献をされた、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局 有賀 理 参事官と赤池 伸一 参事官から、「G7科学技術大臣の共同声明」の全体像と、研究セキュリティ・研究インテグリティとオープン・サイエンスについて、ご説明をいただきます。また、質疑応答の時間には、NISTEP データ解析政策研究室 林 和弘 室長に、スペシャルコメンテーターとしてコメントをいただきます。
今後、アカデミアの現場においても、国内的実践に向けた検討を進めていくことになります。G7の翌月に担当官からご説明をいただき、会場との質疑応答の時間もしっかりある貴重な機会です。Web開催のこの機会を、是非、ご活用ください。
どなたでもご参加いただけます。本案内の転送は大歓迎です。
(参考資料)
「G7科学技術大臣の共同声明」内閣府HP https://www8.cao.go.jp/cstp/kokusaiteki/g7_2023/2023.html
「G7広島首脳コミュニケ」外務省HP https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page1_001700.html
■説明セミナーの概要 ※登壇順は、前後する可能性があります
・全体像と研究セキュリティ・研究インテグリティ
内閣府科学技術・イノベーション推進事務局 有賀 理 参事官
・オープン・サイエンス
内閣府科学技術・イノベーション推進事務局 赤池 伸一 参事官
・質疑応答 約30分
有賀理参事官 & 赤池伸一参事官
NISTEP データ解析政策研究室 林和弘室長(スペシャルコメンテーター)
■開催日時 2023年6月29日(木) 19時-20時 オンライン開催
■申込〆切 2023年6月26日(月)
■対象者 教育機関・研究機関等の教職員・URA、「G7科学技術大臣の共同声明」や「G7広島首脳コミュニケ」に興味のある方。会員でなくても可。
■参加費 無料
■参加申込 定員300名(先着順・要事前登録)
開催日近くになりましたら、視聴用URL(Zoomを予定)をお送りします。
<Google Formでのご登録> ←所属機関のアクセス制限がない場合はこちらでお願いいたします
<Emailでのご登録>
ご案内末尾の登録用テンプレートを使用して、rmcr.contact@gmail.com宛に、ご連絡ください。
■お問い合わせ先 研究・イノベーション学会『研究コミュニティのリスクマネジメント・コンプライアンス懇談会』事務局 rmcr.contact@gmail.com
■主催
研究・イノベーション学会『研究コミュニティのリスクマネジメント・コンプライアンス懇談会』Risk Management & Compliance in Research communities (RMCR)
(代表: 東京大学 明谷早映子, 幹事: 国立遺伝学研究所 鈴木睦昭, 九州工業大学 上條由紀子)
当懇談会は、2023年5月に研究・イノベーション学会研究懇談会として設立されたばかりの、新しい懇談会です。アカデミア法務の対象であるリスクマネジメント・コンプライアンスにかかるテーマを幅広く扱い、学会内外のコミュニティと積極的に交流しながら、日本の研究コミュニティ全体のネットワークの構築を目指します。対象とするテーマは、例えば、産学連携のリスク管理、知的財産戦略、生物遺伝資源や研究データの利活用、経済安全保障、研究インテグリティ確保の方策、研究不正対応、ハラスメント対応などですが、これらに限らず、ホットなテーマを扱います。
懇談会メンバーの募集中です。研究・イノベーション学会の会員の皆様は、どなたでもご参画いただけます。キックオフイベントのGoogle Formで参画の希望を表明していただくか、事務局宛(rmcr.contact@gmail.com)に、ご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。
------<Emailでのご登録>用テンプレート--------------------------------
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9.自由記載欄
登壇者に聞いてみたいことなど、ぜひ、ご記入ください。
( )
以下、◆研究・イノベーション学会の会員のみ対象◆ (任意回答)
『研究コミュニティのリスクマネジメント・コンプライアンス懇談会』への入会を希望されますか。
( )希望する →懇談会のメーリングリストに登録させていただきます
( )後日検討する
( )希望しない
( )その他:
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以上です。
ご参加をお待ちしております。何卒よろしくお願い申し上げます。