お友達との身体の距離感がつかめず、極端に近いというお子さまがおられます。
仲良しなお友達とくっついて遊ぶことは自然なことですが、普段の生活の中で誰に対しても「距離が近い」ということがあるでしょう。
また、肩を組もうとしたり手をつなごうとしたり、相手が嫌がっている時にもお構いなしに身体接触をしに行ってしまうということは、トラブルにもつながりやすい行動です。
どうして『他人との距離が近い』のか?~その背景と関わり方~
① パーソナルスペースの概念が身についていない
・他人との適切な距離を絵や線で視覚化して提示する
・距離の取り方を遊びで体感させる
② 周囲の人の反応に気づきにくく、不快感に気づかない
・表情やジェスチャーを読み取る練習を取り入れる
・動画で距離の違和感を一緒に確認
③ 自分の興味が強く、相手への配慮が後回しになる
・相手の気持ちを想像する会話や物語を通して育てる
・状況に応じた行動を具体化する
④ 感覚的に他人が近くても気にならない、あるいは心地よい
・「心地よさ」を他の方法でも得られるよう選択肢を提示
・触覚遊びで感覚を調整する
⑤ 愛着や安心を得ようとする気持ちが過度に出てしまう
・安心できる人や物を明確にし、距離が近くても許容できる場面を調整
・不安時の対応策を決めておく
⑥ 相手の年齢や立場の違いを理解していない
・「友達」「先生」など相手によって距離を変える練習
・役割遊びで距離を意識づける
⑦ 相手の表情・反応を読む社会性の発達がゆっくり
・表情カードや写真で感情の理解を促す
・相手の表情に注目するゲームを取り入れる
⑧ 自己制御が弱く、思いついたまま近づいてしまう
・一度立ち止まる習慣を作る「まてカード」を活用
・話す前に確認するサインを決める