お子さまの中には、まれに、「痛みを感じにくい」お子さまがおられます。
よく心当たりのない青あざを足やひざに作っていることはありませんか。
「どこで転んだの?」「どこでぶつけたの?」と尋ねても、本人は覚えていないことがあります。
ぶつけた当初、痛みを感じた時には気づかず、後になってケガができていることを目で見て気がつくといった具合いです。
どうして『痛みを感じにくい 』のか?~その背景と関わり方~
① 感覚過敏や感覚鈍麻の神経の発達の違いがある
・痛みのサインを見逃さず声かけを丁寧に行う
・安全面を十分に配慮し危険を知らせる
② 自閉スペクトラム症など感覚統合の課題がある
・感覚刺激をコントロールしつつ注意深く見守る
・専門家と連携し適切な感覚刺激の調整を行う
③ 注意が他に向きやすく、痛みに気づきにくい
・環境整理で気が散らないように配慮する
・痛みを察知したらすぐに気づかせる声かけを行う
④ 痛みの表現方法や言葉が未発達で伝えにくい
・痛みを伝える言葉やサインカードを教える
・表情や行動の変化にも気を配る
⑤ 過去の痛み体験が少なく感覚経験が不足している
・安全な範囲で様々な感覚刺激に慣れさせる
・楽しい遊びで感覚への気づきを促す
⑥ 脳の感覚情報処理の仕組みが異なっている可能性
・専門的な評価・支援を検討する
・個別に合った対応計画を作成する
⑦ 痛みを感じても反応を抑えてしまう傾向がある
・感情表現を促す環境づくりを行う
・安心感を持たせ、痛みを伝えやすくする
⑧ 薬や体調不良の影響で痛み感覚が鈍っている場合
・医療機関での診察を勧める
・健康管理に注意を払い、様子を観察する