ヒトがコミュニケーションをするときは主に言葉を使いますが、それと同時に身振り手振りで「ジェスチャー」を行います。
この「ジェスチャー」がなかなか難しいお子さまがおられます。
言葉を発するだけで身振り手振りがなかったり、さらには表情の変化が少なかったりなどといった様子もあわせて見られることが多いでしょう。
どうして『ジェスチャーがない』のか?~その背景と関わり方~
① 意思表示をする経験が少ない
・「ちょうだい」「おいで」など大人が動作で示す
・やってほしいことを代わりに動作で表し、促す
② 動作模倣の力が育っていない
・「一緒にやってみよう」と見本を見せながら行う
・遊びや手遊びの中で模倣の機会を増やす
③ 相手とのやりとりに関心が薄い
・喜びを共有できる場面を丁寧に積み重ねる
・大人のジェスチャーに反応があればすぐ返す
④ 自分の気持ちや要求を出す経験が乏しい
・「これかな?」「こうしたいのかな?」と代弁
・欲しい物を取れそうで取れない状況をつくる
⑤ 発達特性により非言語表現が乏しい
・無理に促さず、サインや視線などの反応を拾う
・表出手段を視覚的に増やしていく
⑥ 自信がなく、動作で伝えることにためらいがある
・できたことをすぐほめて、自信を育てる
・「こうやると伝わるよ」とやさしく伝える
⑦ 感覚や運動面の課題で動作の調整が難しい
・体を使った遊びや手の動きを支援する活動を行う
・動きを真似しやすいゆっくりとした提示を心がける
⑧ 理解力が十分でなく、ジェスチャーの意味がわからない
・わかりやすい状況と組み合わせて何度も見せる
・意味のある場面でジェスチャーを一緒に使う