お子さまの中で、言われたことをそのまま繰り返して言うというお子さまがおられます。
よく確認すると、オウム返しはしますが、その言葉の内容、意味は正しく理解できていないということが多いようです。
一見すると、おしゃべりができているように見えますが、言葉の理解が伴っていないため、いろいろなことへの理解や他者とのコミュニケーションに困難さを見せることがあります。
どうして『オウム返しが多い 』のか?~その背景と関わり方~
① 言葉の意味を理解していないが、まねはできる
・ゆっくり明確に話し、意味を一緒に確認する
・まねをしたあと「それはこういう意味だよ」と補足する
② 自分の言葉で表現する力が未発達
・「〇〇って言いたかったのかな?」と代弁する
・絵カードなどで表現方法を増やす
③ 質問の意図が理解できず、聞こえた言葉を繰り返している
・質問の仕方を変えて、選択肢を示す
・身振りや実物を使って意図を伝える
④ 不安が強く、言葉を返すことで安心している
・繰り返しても受け止め、ゆっくり対応する
・安心できる環境・関係を丁寧に築く
⑤ 注意や関心を引こうとする手段になっている
・ことば以外でも気づいて反応する
・かかわりを増やし、別の表現を教える
⑥ 耳にした音や言葉を自動的にまねる特性がある(常同行動)
・同じ場面で適切な返答を繰り返し見せる
・まねではなく自発的に話せたときにしっかり反応する
⑦ 自閉スペクトラム症の特性で言語の使い方に偏りがある
・構造化された会話練習の場を設ける
・本人にとってわかりやすい表現を用いる
⑧ 興味のある言葉・音を繰り返す傾向がある
・好きな言葉を活かして会話を広げる
・やりとりを通じて徐々に語彙を広げる