「偏食がある」「食べるものに好き嫌いがある」といった相談を非常によくいただきます。
うどんなど麺類しか食べない、白いご飯や豆腐など白いものしか食べない、ご飯は少ししか食べないのにおやつはたくさん食べるなど、お子さまによって状態はさまざまです。
中には、食べないものが多く、身体の成長に大きく影響が出てしまい、医療機関に相談する必要がある場合もあります。
お母さまやお父さまからすると、日々の食事、どんなものが食べられるのだろうかと毎日毎日頭を悩ますことが続き、大変な状態です。
どうして『偏食が強い』のか?~その背景と関わり方~
① 食感やにおい、味などに過敏さがある(感覚過敏)
・香りや見た目が控えめなものから慣らす
・調理方法を変えて食べやすさを工夫する
② 見慣れないものへの不安が強い
・見た目や名前に親しむ遊びや絵本を活用
・触れる・見るなど段階的に経験を増やす
③ 噛む力・飲み込む力が弱い
・やわらかく食べやすい形状に調理する
・嚥下や咀嚼を支援する練習を取り入れる
④ 食事中の環境が不快または落ち着かない
・静かな環境で安心して食べられる場を整える
・照明や音など刺激を減らす工夫をする
⑤ イヤな経験や無理に食べさせられた過去がある
・「食べなくても大丈夫」と安心を伝える
・見て楽しむ・匂いをかぐなどの体験から始める
⑥ 食べることへの興味や意欲が薄い
・一緒に料理や盛りつけ体験をする
・「自分で選ぶ」機会をつくることで関心を引き出す
⑦ 発達特性(例:自閉スペクトラム症)により強いこだわりがある
・好みに近い食材から似た食品へと広げる
・無理に変えず、慣れる時間を十分にとる
⑧ 食べることに関する模倣経験が少ない
・周囲の大人や友だちが楽しんで食べる姿を見せる
・まねっこ遊びや食べるふりから始める