「指さし」は意外とお子さまの成長・発達において重要なポイントです。
コミュニケーションの基礎となる行動で、他者に何かを伝える、求めるときに見られます。
指さしができるか否かで、その後の成長・発達が大きく左右されるといっても言い過ぎではないでしょう。
日ごろから、お母さまもお父さまも「指さし」をする姿を見せてあげてください。
どうして『指さしをすることがない』のか?~その背景と関わり方~
① 他者との共同注意が育っていない
・大人が指さしをして注目する様子を見せる
・お子さまが見た物に共感して言葉を添える
② 視線の共有や社会的関心が弱い
・関心のある物で一緒に遊び、注目を共有する
・アイコンタクトや笑顔を多く使って関わる
③ 言語発達がゆっくりで、伝え方がわからない
・選べるカードや写真を使って気持ちを表現する
・言葉や動作をまねしやすい環境を整える
④ 自閉スペクトラム症などの発達特性
・お子さまの興味に合わせてやりとりを広げる
・指さしのかわりに使える表現手段を用意する
⑤ 指の操作や身体の動きにぎこちなさがある
・まねっこ遊びや手遊びで指の使い方を促す
・大人が手を添えて動きを体験させる
⑥ 他者の注目を引く経験が少ない
・指さした先で大人がリアクションを返す
・「どれが好き?」など興味を引く問いかけをする
⑦ 自分から気持ちを伝える経験が少ない
・欲しい物を選ぶ場面で指さしを誘導する
・「これが欲しい?」と応答的に関わる
⑧ 視覚や注意の集中が偏っている
・視覚的に目立つ提示で注目しやすくする
・動く・光るなど目をひく要素を取り入れる