会話をするとき、単語を話すだけで、文章という形でなかなか話さないというお子さまはおられませんか?
他の人から何かを尋ねられても、単語をポツリポツリと話すだけ。
何か他の人へ話すときも、単語をポツリと言い、あとは相手が話してくれるのを待つ・・・。
言葉によるコミュニケーションは他者との共同活動ですので、相手が話してくれることが多いと単語だけ話していても成り立つことは意外と多いです。
しかし、お子さまの成長を考えると、自分で考えたことや思ったことはしっかりと言葉で表現できるほうが良いですよね。
どうして『文章で話さない』のか?~その背景と関わり方~
① 単語でのやり取りで伝わってしまい、文章で話す経験が少ない
・文章で伝えるロールプレイを取り入れる
・「〇〇が〇〇した」など定型文を提示する
② 話したい内容が頭の中でうまく整理できない
・話す前に絵や写真を見て考える支援
・話の順番を図式化して整理する
③ そもそも語彙量が少なく文の構成が難しい
・語彙カードやカテゴリー分け遊びを行う
・関連語を広げる語彙マップを使う
④ 聞き手の反応が薄く、話を広げる意欲がわかない
・相づちや質問などで聞き手の反応を強調
・「もっと教えて」と興味を伝える声かけ
⑤ 家庭や周囲で短い言葉での会話が習慣になっている
・「文章で返す声かけ」を行う
・絵日記など日常を文にする活動を導入する
⑥ 説明や描写よりも体験を重視するタイプで、言語的表現が優先されにくい
・体験後に「何があった?どうだった?」と文で問う
・体験記録を一緒に話しながら作る
⑦ 言い間違いへの不安が強く、短い言葉で済ませてしまう
・「まちがってもOK」と繰り返し伝える
・言い直ししやすい雰囲気をつくる
⑧ 対話経験が少なく、語彙・文構造・発話の組み立て力が発達途上
・日常でたくさん会話する機会をつくる
・「だれが・なにを・どうした」を意識させる