大きな年齢になってくると、お友達同士で冗談を言い合ったり、コミュニケーションの中にユーモアが見られるようになってきます。
時には、大人やお友達の厳しい言葉や嫌な言葉を、受け止めず、受け流すことも必要になってきます。
しかし、冗談や皮肉が通じず、言われたことを言葉通り、「字義通り」に受け取り、言った側は本気で言っていないのに、言われたお子さまは本気で怒ってしまったり、本気で傷ついてしまったりといったことがあります。
どうして『冗談や皮肉が理解できない』のか?~その背景と関わり方~
① 言葉を文字通りに受け取る傾向が強い
・冗談と本気の違いを例で伝える
・表情や言い方の違いを一緒に確認する
② 抽象的な表現や比喩の理解が苦手
・「○○ってどういう意味?」と解釈を一緒に考える
・具体例を交えて再説明を行う
③ 相手の感情や意図を読み取ることが難しい
・発言の背景や気持ちを絵カードで可視化する
・「どんな気持ちかな」と促す声かけをする
④ 冗談や皮肉を聞いた経験が少なく、知識として定着していない
・身近なやりとりを題材に「冗談か本気か」クイズをする
・家庭でも語彙経験を増やす
⑤ 自分の感情と他者の感情の区別が曖昧
・気持ちを色や表で表現する練習をする
・他人の感情の言語化を日常的に促す
⑥ 冗談が使われる文脈の理解が難しい
・状況を絵や図で整理し、場面と発言の関連づけを行う
・「今のはどんな場面?」と振り返る
⑦ 語用論(文脈に応じた言語の使い方)の発達がゆっくり
・同じ言葉でも使い方の違いを比較する
・ロールプレイで皮肉や冗談を体験させる
⑧ 不安が強く、冗談を真に受けてしまう傾向がある
・安心できる環境で「冗談でも傷つかない」ことを体験
・不安の軽減策も同時に検討する