「指さし」は、親子のコミュニケーションにおいて重要なポイントです。
お子さま自身が「指さし」を行う、できることが最終の目標ですが、まずが大人が指さしした方向を見ることができることが大切です。
お子さまの中には、指さしの意味を分からずに、人差し指を立てた手を見てしまったり、指さししても反応しない場合があります。
心配な方は、お子さまへ「指さし」を何度か見せてあげて、理解を確認してあげてください。
どうして『指さした方向をみない』のか?~その背景と関わり方~
① 共同注意の発達が未熟
・指さしだけでなく、声や視線も使って示す
・興味のある物を通して「一緒に見る」体験を増やす
② 指さしの意味が理解できていない
・「あそこにあるよ」など言葉を添えて丁寧に伝える
・指をたどって物に触れるなど具体的に示す
③ 視線の合図に気づきにくい
・視線や顔の向きを大きく動かして示す
・繰り返し一緒にやってみて、注目する力を育てる
④ 聴覚や視覚の感覚に偏りがある
・刺激を抑えた環境で示すと集中しやすくなる
・視覚的に分かりやすい物で興味を引きつける
⑤ 興味が他に向いている
・タイミングを見て、集中している時は無理に促さない
・注目してほしい物の魅力を高めてみる
⑥ 人とのやりとりへの関心が薄い
・ぬいぐるみなどを介してやりとりを楽しむ
・大人が楽しそうに示し、真似したくなる雰囲気にする
⑦ 発達の遅れや特性(自閉スペクトラム傾向など)
・専門機関の相談も視野に入れつつ、安心できる関係を継続する
・注目した時にはすぐに肯定的に声をかける
⑧ 遊びや関わりの経験が少ない
・一緒に遊びながら「見る」「示す」経験を積む
・家庭や園で遊びを通して共同注意を育てる