お子さまの寝ている姿って、実はとても大切です。
身体の姿勢を保ったり、変えたりするためには、身体全体を協応させ、動かす必要があります。
身体の筋力だけでなく、身体の感覚なども働かせる必要があるため、寝返りができない場合は、感覚も問題も考える必要があるでしょう。
どうして『寝返りをしない』のか?~その背景と関わり方~
① 筋緊張が低い
・体幹を育てる遊び(バランスボール、ごろごろ遊び)
・床にタオルを敷いて、摩擦を減らして回りやすくする
・うつ伏せ時間を意識して増やす
② 筋緊張が高い
・やさしく体を揺らす、さするなどのリラクゼーション
・ゆったりした音楽や入浴後のストレッチ
・医療的アプローチ(リハビリ)が必要な場合も
③ 頸部や体幹の未発達
・うつ伏せで頭を上げる「おもちゃ見せ遊び」
・抱っこの中で体を支えながら揺らす
・腹ばい遊びの時間を日常に取り入れる
④ 感覚統合の未熟さ
・触覚・前庭刺激に慣れるあそび(ふれあい遊び、スウィング遊び)
・やさしいマッサージで身体の輪郭を意識させる
・過敏であれば刺激の量・強さを調整
⑤ 興味の偏り・乏しさ
・視覚・音・光るおもちゃなどで周囲に関心を向ける
・目で追いたくなるおもちゃを動かして誘導する
・「取りたい」と思える動機づけを意識する
⑥ 環境経験の不足
・うつ伏せの時間を少しずつ増やす
・寝返りしやすいマットを使用する(硬すぎず、沈み込みすぎない)
・保護者に「寝返りを促す関わり方」の助言
⑦ 医学的要因
・発達外来や専門機関での評価を受ける
・作業療法士や理学療法士の支援を受けながら家庭支援を連携
・医学的な特性に合わせた発達の促進を検討
⑧ 安心感・情緒の不安定さ
・親子のスキンシップを十分に取る
・お子さまに「自分が動いても大丈夫」という経験を与える