お子さまの中には、小さな音に敏感に反応するお子さまがおられます。
大人からすると、些細な音でも、敏感なお子さまにとってはとっても大きな音に聞こえたり、「音を気にしない」ということができなかったりします。
敏感であるため、音が聞こえるたびに身体をビクッとすくめたり、泣き出してしまうこともあるかもしれません。
どうして『小さな音に敏感する』のか?~その背景と関わり方~
① 感覚過敏(聴覚過敏)
・イヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンの使用を認める
・吸音材やカーテンなどで教室の音環境を整える
・静かな空間で活動できる選択肢を用意する
② 不安傾向が強い
・「今何をするか」を視覚的に提示して見通しを持たせる
・安心できる大人との信頼関係を築く
・不安を感じたときに避難できる「安心スペース」を設ける
③ トラウマ体験の影響
・その子にとっての「危険な音」を特定し、音が鳴る場面で予告する
・安全を伝える言葉かけ(例:「今の音は機械の音だから大丈夫だよ」)
・必要に応じて専門機関やカウンセラーに相談
④ 嫌な記憶に関連する音
・該当する音を避けるか、段階的に慣れる工夫(例:音量を下げて聞く練習)
・安心できる状況の中で「その音=安全」と再学習できるようにする
・苦手な音に対する気持ちを言葉で表現する練習
⑤ 聴覚処理の問題
・音の強調・選択ができるように、視覚提示と併用した指示
・「大事な音」と「気にしなくていい音」を絵カードなどで区別する支援
・背景音の少ない環境での活動を調整する
⑥ 環境の変化やストレス
・日課表や予定表を使って「何が起こるか」を可視化する
・生活や環境の変化時はあらかじめ説明とリハーサルを行う
・1人になれる/落ち着けるスペースを用意する
⑦ 疲労や体調不良
・休息の時間やペースダウンを許容する
・体調チェックを日課に組み込む(例:顔色や疲れの自己申告)
・無理に活動させず、個別のリズムに合わせた対応を行う
⑧ 音に注意が向きやすい性格傾向
・注意の切り替えがしやすいように視覚的な手がかりを使う
・「気になった音はメモしてあとで話す」といったルールを共有
・気になる音の整理や意味づけを一緒にする活動