JST CREST 「信頼されるAI」
本研究では、手術など介入が伴う医療行為をAIとRobotを組み合わせて支援するReliable Interventional AI Roboticsに関する研究を行っています。ここでは、Reliable Interventional AI Roboticsの研究として、(1) あいまい性を考慮したReliable Interventional AI 基盤技術の開発、Reliable Interventional AI基盤を利用した (2) 内視鏡手術支援AI Robotの開発と(3) 微細操作支援AI Robotの開発を行い、治療分野における「信頼されるAI」の実現に向けた基盤的研究開発を進めています。将来、インテリジェントかつ意思決定支援機能を持つ手術ロボット、あるいは、能動的手術器具が広範囲に普及すると予測する。このようなAIロボットシステムを実現するためには、「信頼されるAI技術」の開発が必須であり、本研究の成果が活用されるものときたいします。
あいまい性を表現するReliable Interventional AI Roboticsの
Reliable Interventional AI Roboticsの核となるあいまい性を考慮したReliable Interventional AI基盤技術の開発を行う。ここでは、比較的少数教師データから意思決定支援に必要な情報を出力するための生成型学習手法の開発、ロボット運動動作を援用した機械的生成学習を実現するための数理・計算的な枠組み研究を行っています。さらに、Reliable Interventional AIのための大規模学習技術の開発やReliable Interventional AIにおける信頼性測定を行うための研究も行っています。
意思決定支援機能を持つ内視鏡手術支援AI Robot実現のために、機構学的制御の側面から研究を進めています。内視鏡手術支援 AI Robotでは、機械学習におけるあいまい性を考慮して、種々の支援情報を提示することになります。内視鏡カメラや補助鉗子操作などの動きにおいて、内視鏡手術用のカメラや鉗子の動きを常に把握し、それに基づいて、医師が知りたい情報を先回りして提供することで医師をアシストすることが求められます。ここでのアシスト情報は視覚的な情報だけにとどまらず、ロボットの動き方としても表現することも考えています。これらの情報提示において、あいまい性を加味することで、ユーザ自身が主体的に意思決定を行うようになります。これによって、AIが人からの信頼を得ることができるようになると考えます。
Reliable Interventional AIを基盤とし、微細マニピュレーションにおいて信頼性の高い操作支援を行う微細操作支援AI Robot の開発を行っています。Reliable Interventional AI から得られる推論結果に基づき、微細マニピュレーションの操作支援を行います。例えば、不妊治療における顕微授精では、医療技術者である胚培養士による胚の操作が行われますが、胚にダメージを与えないよう必要最小限の接触回数で操作を行うことが求められます。このような微細作業において、顕微鏡画像やマイクロマニピュレータの動き、操作者の動作を常に把握し、それに基づいて、適切な操作点をReliable Interventional AIにより曖昧さを含んだ形で提供します。提供される適切な操作軌道は確率的に表現され、その確率に応じて操作者と支援ロボットの力配分を決定するシステムを開発します。また、微細マニピュレーションにおいては教師データ数が集めることが困難ですが、メカニカルな反復処理を可能とするため、ヒト−機械システム系のデータ取得環境を整えることも課題です。
2023/10/3 MICCAI WSにおいて内視鏡画像処理に関する発表を行います。
2023/10/3 医用画像関連のトップ国際会議であるMICCAI (Medical Image Computing and Computer Assisted Intervention)において森Gから発表します。
2023/5/30, 31 JST CREST 「信頼されるAI」のサブテーマWS, 若手ポスター発表会で発表を行いました。
2023/5/19 日本生体医工学会において「信頼されるAI」のオーガナイズドセッションを岐阜大学原先生と開催しました。森Tからは青山先生が発表しましました。
名古屋大学大学院情報学研究科知能システム学専攻 森健策
crest [at] mori.m.is.nagoya-u.ac.jp