Web面談でAmazonギフト券3万円分という広告に釣られ、RenosyのWeb面談を受けてきました。
いろいろと不満に思ったことがあるのですが、掲示板以外のネットには、アフィリエイト狙いのためかポジティブなコメントばかりだったので、情報発信したいと思いました。
まず、忙しい方のために、結論を述べておきます。
Amazonギフト券をもらうためには、4時間が必要
Renosyでの投資はやめておけ
RenosyのWeb面談を受けるにあたってご注意いただきたいことは、Web面談の前に、電話で話があることです。
私の場合は、前々日に45分、前日に15分電話で話をされました。この時点で騙された感が満載です。
1回目の電話の目的は、Web面談の日程調整および年収などの質問です。ここで、融資を受けることのできる客か判断しているようです。
2回目は、前日の確認目的とのことで、あまり納得できませんでしたが、まあ営業目的でしょう。1回目、2回目で違う方からの電話でしたが、どちらもRenosyで投資を行っているとのことで、Renosyは良いサービスと思わせたいのでしょう。また、1、2回の説明で契約可能か?配偶者を説得できるか?という質問もありました。
さて、2回の電話(計1時間)を経て、やっとWeb面談です。
まず、初めに行っておきますが、私のWeb面談は1時間半 × 2回でした。事前電話に引き続き、ここでも騙された感じがしました。
それはさておき、Web面談のトピックを紹介していきたいと思います。
1回目のWeb面談では、Renosy運営会社(GA technologies)の説明、Renosyの説明、不動産投資の価値、なぜ東京のワンルームか、なぜ中古(築10年以上)か。
2回目は、前回のおさらい(30分以上)、不動産投資のリスク、収益シミュレーションです。
私は断りましたが、3回目に物件紹介です。
担当者としては2回目で物件紹介をしたかったようですが、時間切れとなってしまったようです。なお、担当者は2回の電話とは違う方(この人もRenosyで投資している。)でしたが、この方にも物件紹介したら即決できるか?と1回目のWeb面談で質問されました。10月初旬に面談したのですが、10月決算ということで、月末までに契約させたいという事情があるそうです。
また、検討したいので物件の詳細情報いただけますか?と聞くと、すぐに成約してしまうので意味がないとやんわりと断られましたが、決算説明資料を見ると、在庫回転期間は14日/回であり、強い不信感を抱きました。
なお、Web面談をしてもAmazonギフト券をもらえないという噂があり、心配していましたが、ちゃんともらえるようです。(まだ受け取ったわけではありません。)
Web面談の細かい内容は、他のサイトを参照していただくとして、結局、Renosyは儲かるのか?ということを考えたいと思います。
不動産投資全般、ワンルームマンション投資全般については、基本的にコメントしません。
Renosyでの不動産投資の収益モデルは、フルローン(頭金なし、初期費用もローン可能とのこと。)で購入した2000万円、表面利回り4%台の物件を運用すると、月々のキャッシュフローは月平均2万円ほどの赤字となるため、この2万円を月々補填すると、ローンを完済した35年後に、価格がおよそ3割下落した1400万円の物件が自分のものになります。これを3物件に分散して運用するというのが、Renosyの投資モデルです。
念のため補足をしておくと、
(適切な見積もりかは私には分かりませんが)修繕費や空室のコスト、家賃の値下がりなども織り込んでいます。2%弱の金利は別で考えていると思いますが、実質利回りは3%台になるとのことでした。
不動産投資の最大のメリットは借入であり、金利やリスクを受け入れられるのであれば、フルローン35年の借り入れは正しい選択と考えます。
キャッシュフローと収益は別の概念であり、キャッシュフローの赤字は損を意味しているわけではありません。
これが良い投資かというと、私は悪い投資だと考えます。
なぜなら、月2万円を年利5%で35年間、複利運用すると、2000万円以上となるからです。これと比較すると、借金、不動産投資というリスクを冒したのに、35年後のリターンが、築45年以上の1400万円のワンルームマンションでは悲しくないでしょうか。
頭金を払えば、キャッシュフローは黒字になりますが、それは借り入れという不動産投資最大のメリットを一部手放すことにもなります。結局は、いくら借り入れできるといっても、利回りの低いものに投資しては、有難みがないということでしょう。
また、Renosyが紹介する物件は、Renosyが仕入れたものであり、仲介手数料無料といっても、マージンが存在することはよくご注意いただきたいと思います。
以上の通り、私はRenosyにはネガティブな考えを持っていますが、運営会社の株価はかなり好調です。本記事執筆日(2020年10月15日)には、ステップ高で上場来高値。年初来安値からおよそ10倍です。PER140倍、PBR17倍と異常な高値です。(他の新興株もそうですが…)今後この株価がどうなるのか注目していきたいと思っています。
Web面談に対する不満がこの記事を書いたきっかけですが、Renosy投資の非効率性が周知されたらこの株価がどうなるのか?という興味もモチベーションの一部です。(特に影響力はないと思いますが…)
最後に、Renosyの「AIを活用した物件選定 」というコンセプトが、嘘とは言えない嘘となっていることについて指摘しておきたいと思います。
Web面談でのプレゼン資料および営業の説明によると、Renosyの物件選定プロセスは以下の3段階です。
チラシベースの不動産情報をOCR技術により、画像から構造化データに変換する
人為的に作ったスコアリングシステムでソートする
人間の眼で確認して仕入れる
IT業界あるあるではあるのですが、「AIを活用した物件選定 」と言われて一般にイメージするのは、第2段階でのAI活用ですが、Renosyは第1段階でしかAI活用しておらず、また、OCR技術自体は昔からあるため、Renosyは決して特別なことはしていないのです。
画期的な企業ではありませんし、感心しませんが、賢い企業ではあると思います。この会社が今後どうなるのか非常に興味があります。