第35回北海道杖道大会

日 時 令和6年10月27日(日)午前9時30分

会 場 産業技術教育訓練センター

主 催 一般財団法人 北海道剣道連盟

主 管 一般財団法人 北海道剣道連盟杖道部会

組合せ

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◎杖道とは

 杖道は古来から伝わる武道のひとつです。長さ128センチ、直径2.4センチの白樫の丸い棒(杖)を武器とし、打ち掛かる太刀を相手に「突かば槍、払えば薙刀、持たば太刀、杖はかくにもはずれざりけり」と伝書にもありますように、太刀、槍、薙刀の技に独自の動きを加味した誠に玄妙多彩な武道です。見た目には只の杖にしか過ぎませんが、正面はもとより左右から繰り出す杖先の一撃には予測を越えた鋭さが秘められています。

 杖道の稽古では、紺または白の剣道着及び袴を着用しますが、防具は一切使用しません。そのため普段の稽古は立合の形だけで行います。打ち込んでくる太刀を捌き、すかさず杖で太刀の動きを制するというもので、形稽古とはいえ、真剣勝負に近い稽古方法といえます。

◎全剣連杖道の起源は

 私たちが日頃稽古している杖道は、全日本剣道連盟が制定した基本12本と立合の形12本です。杖道が全剣連に加盟したのは昭和31年(1956年)のことですが、その後12年間の研究期間を経て昭和43年(1968年)に全剣連制定杖道が誕生しました。さらに平成13年(2001年)から2年間にわたって指導上の留意点を付記した本格的な見直し作業を行い、平成15年(2003年)に改訂版が完成しました。その後、一部修正を行い、平成20年6月に現在の全剣連杖道(解説)となっています。

 全剣連杖道の原形は、約四百年前に夢想権之助勝吉という人によって創始された神道夢想流杖術です。夢想権之助は剣の達人でしたが、あるとき宮本武蔵と試合をして破れたため、武蔵を破るべく筑前太宰府の宝満山に籠って創意工夫の結果編み出したのが、神道夢想流杖術です。口伝では杖をもって武蔵の十字留めを破ったともいわれています。神道夢想流杖術は明治になるまで福岡を中心に継承されていましたが、昭和5年(1930年)に清水隆次先生が福岡から上京、翌6年警視庁の武道講師(嘱託)となり、その後昭和31年に全剣連に加入、現在の全国的な礎をつくりました。

◎北海道の杖道 

北海道剣道連盟杖道部会の歴史をみると昭和51年(1976年)8月に全国的に著名な講師を招き、札幌市中央体育館において杖道講習会が開催された記録が残っており、それが北海道に杖道が紹介された第一歩でした。そして翌年の昭和52年8月には第2回杖道講習会の開催に併せて杖道段位審査会が開催され、30数名の有段者が誕生しています。更に昭和53年9月、稲村榮一氏を会長として北海道剣道連盟杖道部会が設立されました。

昭和63年(1988年)には第一回北海道杖道大会が開催されるまでになり、現在に至っています。

◎杖道の試合

 本大会では、少年の部から六段の部まで各部門別に指定された全剣連杖道の立合の形4本を演武します。試合は基本的に打太刀を同格以下の者がつとめ(審判長の許可により上位格の者を認める)、仕杖が紅白に分かれて演武を競い合います。紅白どちらの杖前が優れているかの判定は、杖道試合審判規則・同細則によりますが、三段までは礼法・着装はもとより解説書に則した正しい姿勢と正確な打突、充実した気勢と気迫の籠った気合、目付け、残心などが勝敗のポイントとなります。四段以上のクラスになりますと、さらに練熟度が求められます。正確な打ち、突き、間と間合、杖の用法、気・杖・体の一致など仕杖の技前が相対的に判断されることになります。