「虹」公演のストーリーとなる台本案を共有します。
台本案は本番までに変更の可能性があるため、変更があれば都度更新します。
お花屋さんを営むしっかり者の姉(アオイ)
姉とは正反対のおてんばな妹(カスミ)
昔々あるところに、この世界に彩りを与える10本のバラがありました。そのバラはかつて⾊のなかったこの世界に光を与え、⼈々が⾃分らしく⽣きられる豊かな世界にしたという伝説がありました。そのバラたちは、今もこの世界のどこかにあるといいます。
所変わって、ここは中央区にある⼩さなお花屋さん。
ある姉妹が⼆⼈で営んでいるのですが、今は⼀⼈のよう。
・・・おや、もう⼀⼈、寝坊したみたいです
⼆⼈で開店準備を始めているとラジオから天気についての話がながれてきた。今⽇はこれまでにない規模の⼤きな嵐がやってくるそう。
今⽇は早めに店じまいをしようかという姉をよそに、週末のバラ祭りのことを⼼配する妹。
準備も終わり開店へ。
いつものように開店した花屋にはさまざまな客が訪れる。
誰かへのプレゼントや⾃分⽤、それぞれの要望に応えるために⾊々考えて対応する姉とそんな姉の考えを先読みしつつ動く妹。
そんな⼆⼈の協⼒のおかげで笑顔で店を去る客たち。
そんななか嵐が近づいて、⾬や⾵が吹き荒れる。
気がつくと、あたりは⾊のない暗い世界。嵐のせいで周囲から⾊がなくなってしまう。
嵐のピークは去ったが、空は分厚い雲に覆われて暗くなっている。
ラジオからもさいたま市全域が雲に覆われて真っ暗になってしまったというニュースが。
これでは週末のバラ祭りが開催できないかも。落胆する妹。
そんな時、ラジオから「10⾊のバラを集めると空は晴れ渡り、世界に⾊を与える」という伝説の話が流れてきた。
店内に置かれていた、自分が大切に育てている白いバラを⼿にしながら聞いていた妹は、⼩さい頃に姉と⼀緒にそんな話の絵本を読んでいたことを思い出し、これを集めればさいたま市に光が戻るのでは!?と早合点。
さいたま市が10区あるため、それぞれの区の⾊をバラを10本集めようと姉に提案する。
そんな話だったっけ…?となる姉は何かが気になる様⼦。
そんな姉を置いて早速さいたま市を巡る旅に出る妹。半ば強引に連れ出される姉。⼆⼈はさいたま市で各区の⾊をしたバラを集める旅へ。
まず⽬指すはお隣の区である⼤宮区と、北区へ。
⼤宮区にやってきた⼆⼈。周囲は暗い。
白いバラを手に取り、思いや念を送る妹。しかし、白いバラは何も変わらない。
悩んでいても仕方ない、と切り替えてバラを探し始める。
大宮区・北区の色のバラを手に入れた二人。
各区の色が付いたバラがあることを確信した二人は、続けてバラを探す。
次に目指すのは浦和区と桜区。
浦和区・桜区の色のバラを手に入れた二人。
ここでは白かったバラが各区の色に変化していた。
どうやらその区らしいことをしたり、らしさを見つけるとバラに色が付くようだ。
バラ探しのやり方を理解した二人だが、今日は夜になったので帰ろうと姉は言う。
妹はもう1区だけ!とお願いして、岩槻区へ向かう。
岩槻人形と仲良くなって、岩槻区のバラをなんとか手に入れた二人。
翌日となって、残りのバラを探し始める。この日は南区・緑区から探し始める。
なかなか見つからない中、近くを通った学生にバラを見なかったか尋ねるが、急いでいる様子で何も知らないといなくなってしまう。
どうやら学生はこの日テストの返却があるようで・・・
南区・緑区のバラを手に入れた二人は最後の2本を探して見沼区へやってきたが、
前日から時折降る大雨の影響で川が増水して、対岸にあるバラを取りに行けない。
そんなところに赤と緑、それぞれのオーバーオールを着た配管設備に詳しそうな二人組が現れる。
全ての花が手に入った二人は花屋に戻り、ついに花束が完成する。
その花束を天にかざすと、なんと光はじめた!
ただ、その光はすぐに消えてしまい、周囲の色も変わらず・・・
大きな白バラに十色が移り、レインボーローズが完成!
レインボーローズを天にかざすと、バラがまた光り始め、
雲が切れて光がさして差してくる。
それに連なって、さいたま市に光や色が戻っていく。
みんなで喜びを分かち合う姉と妹。
ただ、白いバラをみんなにみせられないと残念がる姉。
しかし、妹はもっと見せたいものができたと言い、手に持ったレインボーローズを再び天にかざすのであった。