※第31回日本プロ音楽録音賞は「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)」の共通目的基金の助成を受け運営しています。
※第31回日本プロ音楽録音賞は「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)」の共通目的基金の助成を受け運営しています。
日本プロ音楽録音賞は音楽文化と産業の発展の一翼を担う録音エンジニアが制作し応募した音楽録音作品について、エンジニアが有する音楽に対する感性、技術力等を評価することにより、授賞対象優秀作品および最優秀作品並びにベストパフォーマー賞を選定し、これに携わり制作を担ったエンジニアおよびベストパフォーマーのアーティストを顕彰することでエンジニアの技術の向上と次世代エンジニアの発掘を図ることを目的とし、表彰を行うものです。
「第31回 日本プロ音楽録音賞」は、応募いただきました全122作品の中から審査委員会の厳正なる審査を経て各顕彰区分の優秀作品およびベストパフォーマー賞を選定し、12月5日(金)に『音の日2025』イベントの一つとしてKANDA SQUARE HALLにて開催した授賞式において、受賞者の顕彰および各部門最優秀作品の発表をいたします。
ここにその受賞作品およびエンジニアをご紹介いたします。
【本審査日および会場】
Best Master Sound部門 2025年10月27~29日 ソニー・ミュージックスタジオ 4st
アナログディスク部門 2025年10月21、23日 キング関口台スタジオ1st
Immersive部門 2025年10月25、26日 サウンド・シティ tutumu
放送部門 2025年11月2日 NHK放送センター CD-520st
【 受賞作品&エンジニア紹介 】
※作品&エンジニア紹介画像をクリックするとプロフィール・受賞感想がご覧いただけます。
Best Master Sound部門 クラシック、ジャズ、フュージョン 応募作品27作品
※紹介画像をクリックするとプロフィール・受賞感想がご覧いただけます。
ミキシング・エンジニア:深田 晃 (株)dream window
《プロフィール》
CBS/Sony録音部チーフエンジニアを経てNHK制作技術局でチーフエンジニアとして番組などの音楽制作にあたる。1997年NewYorkのAES にてFukada-Treeを発表、以後サラウンドやイマーシブ音楽制作を果敢に行なっている。2011年(株)dream windowを設立。映画音楽やコンサート録音を中心に制作活動を行なっている。
AES Fellow, Recording Academy(Grammy)のVoting Member。
《受賞の感想》
この度は優秀賞をいただきましてありがとうございます。
録音作品の目的は、作曲された作品、それを形にする演奏、そしてそこで生まれる音楽世界を取りこぼしなく捉え、聞かれる方に伝えていく事であると思っています。
映画「Red Cliff」は三国志=中国の100年にわたる戦乱と激動の記録を映画化し、そこに生きる人々の生きざま、悲しみを雄大な大地と共に描いた作品です。
「The Red Cliff 2025」はこの映画で用いられた音楽を再構成し一つのストーリとして作曲されたた作品です。力強い弦楽器セクションで演奏されるテーマから始まりそれが雄大な大地の流れになり、二胡がそこに生きる人々の感情を表現していきます。
それらをあますところなく捉える様、大きなスタジオ空間の音をメインマイクの音を多く用いて録音しました。ミキシングでは特に二胡をオーケストラサウンドの中に上手く馴染む様丁寧にバランスをとりました。作品を聞かれる方々がこの音楽を通して三国志の世界を感じ取っていただければ幸いです。
この度はありがとうございました。
マスタリング・エンジニア :山下 由美子 日本コロムビア(株)
《プロフィール》
尚美音楽短期大学 音楽情報学科 音楽音響コース卒業
CBSソニーを経て日本コロムビア株式会社に入社
録音部マスタリング課にて夢のスタート
現在はフリーランスとして日本コロムビア株式会社 スタジオ技術部に所属
深田 晃
ミキシング・エンジニア :塩澤 利安 日本コロムビア(株)
《プロフィール》
クラシック、ジャズの録音に深い興味を持つ。アーティストそれぞれの「魅力」と「感動」が伝えられる作品創りを心掛けている。
スタジオ録音とホール録音の両立、そしてソロから大編成、ステレオからイマーシブオーディオ、PCM録音、DSD録音など、あらゆる録音を究めたいと努力の日々である。
過去に於いて多数作品の本賞を受賞。
《受賞の感想》
この度は、栄誉ある「日本プロ音楽録音賞」に選定していただき、心より光栄に、深く感謝申し上げます。 受賞は、長年の目標の一つであり、その夢を達成できたことに深い喜びを感じています。
受賞作品は、2024年9月にすみだトリフォニーホールで開催された、陸上自衛隊中央音楽隊のライブ録音です。日本最高峰の演奏技術を持つ中央音楽隊のライブ録音は、今回が初めての挑戦でした。副隊長、2等陸佐の柴田昌宜氏の指揮のもと、その場にいる全ての人を圧倒するような迫力ある演奏がホールに響き渡りました。中でも、ジョン・マッキー「付喪神(つくもがみ)」は、けたたましいパーカッションと管楽器の不協和音が織りなす強烈な音楽的エネルギーの爆発でした。私はこの爆発的なエネルギーを余すことなく捉えることに集中し、ミックスではその迫力をさらに増幅させ、「恰好いい」という直感的な感動を音にしました。「会場で得られる感動よりももっと深く、音だけで人々の魂を揺さぶりたい」という私の想いが、リスナーの方々に感じ取っていただける作品となったと信じております。
最後になりますが、この名誉は、素晴らしい演奏を創り上げてくださった中央音楽隊の皆様、そして制作に携わった全ての方々の情熱の賜物です。心より感謝申し上げます。これからも、この「音の感動」を追求し続けることを誓い、結びの言葉といたします。
マスタリング・エンジニア :佐藤 洋 日本コロムビア(株)
《プロフィール》
1990年スタジオ業務に携わる。1993年マスタリング・エンジニアとなり現在に至る。
アシスタント・エンジニア :久志本 恵里 日本コロムビア(株)
《プロフィール》
音響芸術専門学校卒業後日本コロムビア株式会社にてアシスタント・エンジニア業務に携わる。様々な生楽器の録音現場を経験する。
塩澤 利安
マスタリング・エンジニア :竹田 壮志 (株)音響ハウス
《プロフィール》
サイデラマスタリングのインターン経験後、音響ハウスに入社。
マスタリングエンジニアとしてマスタリングも担当しつつ、レコーディングエンジニアとしてCM作品のRec等も手掛ける。
ShizukaPanelエンドース契約。(師匠のオノセイゲンのツテ)
《受賞の感想》
この度はBest Master Sound部門 優秀賞にご選定いただき、心より感謝申し上げます。
今回関わらせていただいた映画「記憶の解凍」は、被曝前の日常を写した白黒写真に最新のAI技術を用いて”色”を蘇らせ、その過程を通じて凍結された記憶が再び温かい時間へと蘇る姿を対話やアニメーションを使って映像化した庭田杏珠監督の作品です。
作曲家のはらかなこさんが映画の内容に寄り添った曲を作られ、弊社のチーフエンジニア中内がそれを汲み取ったMixを仕上げ引き継ぎました。
コンセプトから考え、私は少し重めでダークな鎮魂歌verと花畑に金色で靄がかる様な感じと言いましょうか、若干ノスタルジックながらも華やかさのある人間讃歌verの2verを機材を通し作成し、はらさんに聴いて頂きました。
受賞作の「辛い記憶」はその2verを複合させより昇華させたものになります。
映画の内容や庭田監督、作曲のはらさん、RecMix担当の中内の思い等も事前にある程度知っていた為、より質感に魂を込めようと力が入りました。
そういった、rhythm、音程等以外にある音楽の要素(相関的に勿論関係していますが)を汲み取る、より伝わるように出来る仕事を心掛けたいと常々思うばかりです。
作品ありきなので私だけがコメントを書くのも憚られますが、私の想いになります。
制作に携わった全ての方々に深く感謝致します。
ミキシング・エンジニア:中内 茂治 (株)音響ハウス
《プロフィール》
福岡スクールオブミュージック専門学校を卒業後、
音響ハウスに入社。
以降、ポップス、ジャズ、クラシックをはじめ、劇伴やCM音楽など多様なジャンルのレコーディングを手がける。
近年は、音響ハウスのスタジオ空間を再現したプラグイン「Onkio Acoustics」の開発にも携わっている。
竹田 壮志
Best Sound部門 ポップス、歌謡曲 応募作品36作品
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マスタリング・エンジニア :瀧口 博達 Tucky’s Mastering Inc.
《プロフィール》
1984年日本ビクター株式会社入社、以来マスタリング一筋42年目
《受賞の感想》
この度は優秀賞という名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます
この受賞は私一人で成し遂げられるものではなく、作詞、作曲、アレンジ、レコーディング、ミックスダウンのそれぞれの過程で良い音、良い音楽を追求しご尽力いただいた皆様の努力の賜物と、心より感謝申し上げます
私事、40数年前の学生の頃、「アメリカではレコーディング、ミキシング、カッティングエンジニアの職業がそれぞれ確立され、(中略)腕の良いカッティングエンジニアの手に掛かると、ミックスを超える良い音でレコードが出来上がる」と言う音楽専門誌の文献を読んだのが、レコードカッティングエンジニアを目指すきっかけとなりました
1984年、日本ビクター入社以来、良い音と言われるレコードを沢山聴き、どう音創りをすればこの音に近づけるのかと試行錯誤を繰り返す中、良い音で世に送り出すには曲作りに始まりREC、MIXを経てカッティング(マスタリング)して、その全てが噛み合うことにより初めて、良い音、素晴らしい音楽が生まれると気付かされました
私の中でこの『idom / No More』は正にその一つの答えではないかと思い応募させていただきました
心より嬉しく思っております
今回の受賞を励みとし、今後も音創りの最後の砦としてまた、そのアーティストの新曲を初めて聴く一人のファンとして、マスタリングに真摯に向き合い一層努力してまいります
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます
ミキシング・エンジニア :志水 清鷹 (有)クライマーズ
《プロフィール》
2006年よりプラネット・キングダムスタジオでキャリアスタート
現在はクライマーズに在籍しています
瀧口 博達
ミキシング&マスタリング・エンジニア :丸山 武蔵 フリーランス
《プロフィール》
若気の至りで高校を2回退学した末に東京スクールオブミュージック専門学校渋谷に入学。
卒業後はビクタースタジオでお世話になった後、修羅の町大塚にスタジオを構えてフリーランスに。
現在はかわいい妻とラガマフィンの子猫に囲まれて幸せに過ごす。
《受賞の感想》
天才ジャン海渡と、鬼才中村佳紀と、猫好き丸山武蔵の作る音楽が1人でも多くの人に聴かれる機会を作るべく、こちらに応募させて頂きました。
3人とも凄まじい能力を持ちながら、まだまだ世に知られてきってはいないので、青田買いするならなんと今が最後のチャンスです。
この日本プロ音楽録音賞を取ったことにより、まるやまは新進気鋭の若手エンジニアとして注目され、今をときめくアーティストからの依頼は絶えず、サウンド&レコーディング・マガジンさんからも取材が殺到することになる訳ですが、そんな中でも決してデイリーワインの価格帯を上げたりする事はせず、驕らず努力していくことを誓います。
ひとつだけ惜しむらくは、とても素晴らしいお仕事をなさっていて自分も尊敬しているし、皆さん誰もが認めるAさんやBさんやSさんやKさんが、ほぼ確実にこの賞に応募もしていなければ審査員でもない事です。
そんな方々も何かしらの形で参加するようになれば、より一層業界も盛り上がって本当の意味でエンジニアさんみんなの一番の目標の賞になると思いますし、何より先行者特権としてまるやまが賞を取った価値が上がるのでめっちゃラッキーじゃんなんて全然思ってないです。
丸山 武蔵
Immersive部門 応募作品19作品
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ミキシング・エンジニア :中山 太陽 (株)サウンド・シティ
《プロフィール》
2014年サウンド・シティ入社
映画やライブ作品のMixを中心に、2chから5.1ch/Atmosまで幅広く手がける。
映画『新聞記者』では録音・Mixを担当し、日本アカデミー賞受賞作品にも携わる。
《受賞の感想》
この度は、優秀賞という素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。
本楽曲のステレオミックスは、尊敬する先輩である澁澤様がご担当されており、その素晴らしいバランスやイメージを踏まえつつ、イマーシブで表現することでさらに魅力を引き出せる部分を探ることを目標に、 Atmos Mixを行いました。
完成後には、澁澤様からもAtmos Mixの仕上がりをお褒めいただき、自信をもって応募することができました。
タイトなリズムを軸に、多彩な音色が散りばめられた楽曲だったため、空間表現の可能性が広く、感覚のままに楽しみながらMixに取り組むことができました。
また、日頃から作業しているtutumuの正確で信頼できるモニター環境が、 音の細部を突き詰める上で大きな支えとなりました。
今回の受賞を励みに、これからも音の可能性を探り続け、
作品の世界観をより深く表現できるよう、取り組んでまいります。
本当にありがとうございました。
中山 太陽
ミキシング・エンジニア:塩澤 利安 日本コロムビア(株)
《プロフィール》
クラシック、ジャズの録音に深い興味を持つ。アーティストそれぞれの「魅力」と「感動」が伝えられる作品創りを心掛けている。
スタジオ録音とホール録音の両立、そしてソロから大編成、ステレオからイマーシブオーディオ、PCM録音、DSD録音など、あらゆる録音を究めたいと努力の日々である。
過去に於いて多数作品の本賞を受賞。
《受賞の感想》
この度は、栄誉ある「日本プロ音楽録音賞」に選定していただき、心から光栄に思っております。常に目標を掲げて様々なミックスに臨む中で、受賞は一つの到達点であり深い喜びを感じています。
受賞作品は、1986年に録音された「愛燦燦(あいさんさん)」を空間オーディオ(Dolby Atmos)でミックスしたものです。昭和歌謡曲の女王と称される大スターの時代を超えた音源に、メーカーエンジニアとして携わることは、私にとってこの上ない名誉であり、使命だと感じています。
ミックス作業は、オリジナルのアナログ24chマルチトラックテープを96kHzFs, 32bit-floatでデジタイズすることから始まり、先人が創り上げたステレオ音源を極限まで尊重しつつ、現代の技術を用いて音質の向上と、歌声にふさわしい空間の表現を再構築することが、最大のテーマでした。「過去の名曲を、最新の技術で未来に響かせる」想いを胸に、ギターが優しく歌声に寄り添い、ストリングスが大きく広がり包み込むサウンドを中心に、総数19トラックの音源とリバーブを駆使して、壮大な音場を創り上げました。過去の音源を空間オーディオでリスナーに届け、新たなる感動を生み出すこの役目を担う喜びはひとしおです。
最後になりますが、この名誉は、偉大な歌声と、制作に携わった全ての方々の情熱の結晶です。心より感謝申し上げます。これからも、名曲の持つ力を最大限に引き出し、聴く人の心を豊かにする「音の感動」を追求し続けることを誓い、感謝の言葉といたします。
塩澤 利安
アナログディスク部門 応募作品13作品
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カッティング・エンジニア:北村 勝敏 (株)ミキサーズラボ ワーナーミュージック・マスタリング
《プロフィール》
1977年 日本電子専門学校 放送工学部 放送技術科卒
1977年 ポリグラムRS 入社
1984年 日本ビクター 入社
2017年 ミキサーズラボ エンジニア契約
《受賞の感想》
この度は第31回日本プロ音楽録音賞、アナログディスク部門で栄誉ある賞を頂き、大変嬉しく思っております。これも一重にこのような素晴らしい歌唱、演奏、録音、ミックスされた音源に携われたことと、有能なスタッフやメンテナンスの行き届いたマシンでカッティングを行えた事に他ありません。心より感謝を申し上げます。
今回、井筒香奈江さんの「竹田の子守唄」は高田英男さんによる録音とミックスです。演者の要望でブースに篭らず一発録音で、それぞれの音を肌で感じる空気感がDSDで録音されました。アナログ・レコードの物理特性を遥かに超える音源のダイナミック・レンジと周波数レンジを如何にスポイルする事なく、音と音に「間」にスタジオに広がっていたであろう空気感の再現に注力しました。更に重要なことはプレスされたレコード盤になった時、特に空気感再現に重要な高音域成分が崩壊する事なくピック・アップでトレースできる音溝にしなくてはなりません。カッティングに必要不可欠なハイ・リミッターは必要最小限に使用にとどめ、リアル・タイムで楽曲に合わせて手動で微調整を行いました。アナログ・レコードの持つ魅力を感じ取っていただければ幸いです。
北村 勝敏
カッティング・エンジニア :加藤 拓也 (株)ミキサーズラボ ワーナーミュージック・マスタリング
《プロフィール》
2004年、株式会社ミキサーズラボ入社、
以来、マスタリング・エンジニアとしてワーナーミュージック・ジャパンの作品を中心に携わる。
2018年、カッティングマシン導入とともに、カッティング・エンジニアとしてのキャリアをスタート。
《受賞の感想》
この度は、第31回日本プロ音楽録音賞のアナログディスク部門において、優秀賞に選定いただき、大変光栄に存じます。
本作品は、2024年10月、竹内まりやさんの10年ぶりとなるオリジナル・アルバムとして、CD、カセットと3つのフォーマットでの同時発売。この楽曲に関しては、生田絵梨花さんのコーラス参加も話題になりました。
CDのマスタリング・エンジニアでもある菊地氏が、レコード用にマスタリングを改めて行い、カッティングしました。幼少の頃から大好きであった、竹内まりやさんの作品に直接携わることの喜びと、緊張の中、歌に込められた「大切な人をそっと励ます想い」を、レコードの温かい音でより伝えられればと作業しました。
納得の音が得られるよう、何度も挑戦をさせていただき、助言をいただきました、山下達郎さん、竹内まりやさん、エンジニアの橋本茂昭さん、菊地 功さん、ワーナーミュージック・ジャパンの井上精一さんを始め、制作に携われた皆様へ改めて感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、今後もより良き作品が生まれる一助になれるよう、ますます精進して参ります。ありがとうございました。
マスタリング・エンジニア:菊地 功 (株)ミキサーズラボ ワーナーミュージック・マスタリング
《プロフィール》
モウリスタジオ、ワーナーパイオニア、ハミングバード、ワーナーミュージック・ジャパン録音部を経て、2000年ミキサーズラボ入社 マスタリングは制作工程の最終段なので慎重で且つ楽しいマスタリングを心掛けている。
ミキシング・エンジニア:橋本 茂昭 (株)スマイル音楽出版
《プロフィール》
1988年スマイルカンパニー入社
1991年シンセサイザープログラマーデビュー
加藤 拓也
ニュー・プロミネント賞
ミキシングエンジニア :NNZN フリーランス
《プロフィール》
2016年、専門学校ESPエンタテインメント大阪を卒業。
2016年、株式会社プラネット・キングダムにてレコーディングエンジニアのキャリアをスタート。
2020年、株式会社レディファインに入社。
2025年よりフリーランス、現在に至る。
《受賞の感想》
この度は第31回日本プロ音楽録音賞Best Master Sound部門「ポップス、歌謡曲」ニュープロミネント賞に選定していただき、大変光栄に感じております。
この「ビビデバ」という楽曲は、レコーディング前にもらったデモを聴いた時点でこの1曲が今後のエンジニア人生に大きな影響を与えるのではと感じるほどの"何か"が秘められていると、妙な緊張感があったのを今でも鮮明に覚えています。
ツミキさんが作るモダンでソリッドかつキャッチーな楽曲、そしてそこに乗る星街すいせいさんの圧倒的な歌、その両方の魅力を絶対に取りこぼさないぞという気持ちでミックスに取り組みました。
トラックに関しては、全体を通して"今っぽさ"に繋がるトランジェント感を意識しつつ、特にサビでのキックとベースのグルーヴの気持ちよさが活きるようなバランスを目指しました。
歌は展開によって細かく処理を変えつつ、つい歌いたくなる歌詞の語感の良さが最大限生きるよう、難しく聴こえすぎないような処理を心がけました。
アルバム収録版ではTEMASの柴さんにマスタリングをお願いしており、そのおかげもあり、さらに進化した1曲になったかと思います。
沢山の想いがこもった楽曲で、この名誉ある賞をいただけたことは今後のエンジニア人生において大変大きな励みになります。
これまで関わってくださった全ての方々に心より感謝申し上げます。
引き続き精進して参ります。
NNZN
放送部門 2chステレオ 応募作品17作品
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ミキシングエンジニア :柳原 健司 (株)テイクシステムズ
《プロフィール》
題名のない音楽会チーフ歴13年
《受賞の感想》
この度は、第31回日本プロ音楽録音賞、放送部門2chステレオにて優秀賞にご選定いただき大変光栄に思います。
まず、最高の歌唱を届けてくださった石丸幹二さん、井上芳雄さん、指揮の田中祐子さん、そして東京フィルハーモニー交響楽団の皆様に深く御礼申し上げます。また、「音」へのこだわりを共に追求してくださった番組スタッフの皆様にも心から感謝いたします。
今回受賞した作品は、番組で編曲した30分間演奏ノンストップのミュージカル作品からの抜粋となります。番組MC石丸幹二さんと井上芳雄さんによる素晴らしい歌の掛け合いと、ダイナミックなオーケストラサウンドをホールの臨場感とともに表現できるかを第一に考えプランニングしました。歌はPAを前提としていたため、オーケストラのメインマイクやスポットマイクへの「かぶり」を想定しつつ、アコースティック楽器の空気感を生かせるマイキングと、歌の明瞭度・存在感を両立させることを心がけました。
ミュージカルの醍醐味は、キャラクターの喜びや悲しみ、葛藤が映像と音楽の融合によって鮮やかに伝わることかと思います。それが十分に表現されていたのであれば、これ以上の喜びはありません。
改めまして、この度は誠にありがとうございました。今後もチーム一丸となり、より良い番組づくりに挑戦してまいります。
セカンド&MA・エンジニア:宗形 円琴 (株)テイクシステムズ
《プロフィール》
題名のない音楽会収録現場とMAの両方を担当して5年
セカンド・エンジニア :石松 千穂 (株)日放
《プロフィール》
題名のない音楽会収録現場を担当して9年
柳原 健司
ミキシング・エンジニア :岸本 真由美 日本放送協会 大阪放送局
《プロフィール》
2012年 日本放送協会入局。
「うたコン」「わが心の大阪メロディー」などの音楽番組や、ドラマ・情報番組の劇伴制作などを担当。
《受賞の感想》
大変栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます。
『BK100年音楽祭』はNHK大阪放送局(コールサイン:JOBK)が開局100周年を迎えたことを記念し、NHK大阪放送局(BK)が制作してきたドラマや名物番組のテーマなど“BKゆかり”の名曲たちを、豪華アーティストの歌とフルオーケストラによる演奏をNHK大阪ホールで収録した音楽特番です。
トラックダウンは指揮・音楽監督の岩城直也さんと共に取り組み、各編曲家や演出の表現したい世界観を共有しながらクラシックのオーケストラサウンドとは一味違った空間を創り上げました。
本作品は、NHKでかつて放送されていた歴史番組『その時歴史が動いた』のエンディングテーマです。
歴史を大きく動かした『その時』に焦点をあて、『歴史が動いた』瞬間の決断やそれに至る苦悩、その後の人間模様を描く同番組に寄り添うこの楽曲を、タイトルの通り“歴史が動く”瞬間やそれを取り巻く人々の悲哀や苦悩をしっかりと表現できるよう、演奏のダイナミクスを大切にし、力強さや繊細さを感情豊かに表現しました。
今回の受賞は、音楽も映像も魅力的な作品となるようチーム一丸で取り組んだ結果だと思います。携わった全ての皆様に感謝いたします。
そして何より、私に音楽の楽しさを教えてくれ、全力でサポートしてくれている両親と双子の息子たちに感謝いたします。
受賞を励みに一層精進し、素敵な音楽を紡いでいけたらと思います。
セカンド・エンジニア :藤野 将人 (株) シャガデリック
《プロフィール》
1995年 大阪の音楽制作会社にて録音業務を担当。
2000年頃から数々の作品のアレンジ、remixを手掛ける
以降ポストプロダクションにも関わり始め、
2020年より各放送局にてドラマ、各番組、音楽録音等のミキシングアシスタントとして幅広く担当している。
岸本 真由美
放送部門 マルチchサラウンド 応募作品7作品
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ミキシング・エンジニア :森田 誠 日本放送協会
《プロフィール》
1992年NHK金沢放送局入局 1996年NHK放送技術局制作技術センター音声部へ異動
2024年より現所属(NHKメディア技術局コンテンツテクノロジーセンター)
《受賞の感想》
このたび、「名曲アルバム オールド・ラング・サイン 〜蛍の光〜 スコットランド民謡」の録音により日本プロ音楽録音賞にて優秀賞という栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。
名曲アルバムはNHK総合テレビにて5.1サラウンドにて放送されています。
今回、小編成のアンサンブルに対してサラウンドミックスを施すということで、音数の少なさを活かしながら、空間の広がりと繊細な響きを追求しました。
地上波放送においてはステレオへのダウンミックスも前提となるため、サラウンドミックスの空間表現がステレオ再生時にも破綻せず、自然な音像として成立するよう、各楽器の定位や残響など互換性にも十分配慮しました。サラウンド環境でもステレオ環境でも、作品の持つ空気感が損なわれることなく伝わるよう意識し、豊かな臨場感を感じられるよう工夫を重ねました。
日々の番組制作に真摯に向き合ってきた努力が、このような形で評価されたことを大変光栄に思います。
今回の受賞は、演奏者の皆様、制作スタッフ、そして番組を支えてくださるすべての方々との協働の成果であり、心より感謝申し上げます。
今後も、音楽の本質に寄り添いながら、技術と感性の両面から音づくりを探求し続けてまいります。
セカンド・エンジニア :曽雌 宏樹 (株)SCI
《プロフィール》
2005年6月アップアップ入社 飯尾芳史氏に師事。モウリアートワークススタジオのレコーディングスタジオにてキャリアスタート。
2007年9月Sony Music Studiosへ移籍。
2012年5月SCIからNHKメディアテクノロジーズへ派遣。番組制作のポストプロダクション業務に関わる。テレビスタジオのPro Toolsオペレーション、音楽スタジオでのアシスタントエンジニア業務と幅広い業務を担当。
2016年4月NHK出版・宇田川スタジオのハウスエンジニア業務を担当。語学テキスト用音声収録、音楽録音、配信用音楽マスタリング、番組MAなどを手掛けNHKで培ったノウハウを活かす。
森田 誠
ミキシング・エンジニア :島㟢 砂生 日本放送協会
《プロフィール》
1992年4月 NHK入局 仙台放送局配属 1996年放送技術局 2015年大阪放送局 2019年より放送技術局制作技術センター(現メディア技術局コンテンツテクノロジーセンター)所属
《受賞の感想》
この度は名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。
クラシック音楽館は、NHK交響楽団の定期演奏会をはじめとし、世界的な指揮者、ソリストを招いて行われる演奏会の模様を5.1サラウンドで放送しています。
応募した作品は、202324年9月23日に東京芸術劇場にて公演された井上道義さん指揮による歌劇「ボエーム」の収録です。オペラの収録では、歌はバウンダリーマイクを舞台面に設置し、収録します。今回収録した東京芸術劇場のように響きが豊かなホールでは歌がよく響き、歌手が舞台奥に行ってしまうと、歌が聴きづらくなってしまいます。客席でも同様の事が起きるため、今回はPAさんが舞台セットにマイクを仕込んでいました。収録ではその仕込みマイクを分岐させていただき、後日トラックダウンで細かくミックスしました。豊かな響きを活かしつつ、歌をはっきり聴かせられるようなバランスにし、また歌手の動きもあるので、なるべく足音が気にならないように処理しました。東京芸術劇場の響きを感じながら歌劇「ボエーム」を楽しんでいただければ幸いです。
このような機会を与えてくださった関係各所の方々に感謝申し上げます。
セカンド・エンジニア :萩原 路子 日本放送協会
《プロフィール》
2009年4月 NHK入局、大阪放送局配属。2012年より放送技術局制作技術部(現メディア技術局コンテンツテクノロジーセンター)所属。2021年より「クラシック音楽館」などの番組制作においてミキサーを担当している。
島㟢 砂生
ベストパフォーマー賞
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内田麒麟・duo LEPUS
「冬の神代(Fuyu no Kamishiro)」
発売元:KIRIN UCHIDA RECORDS
《内田麒麟・プロフィール》
チェロを始めたのが18歳という類を見ないレイトスタートにも関わらず、東京芸術大学大学院器楽科を自作曲を演奏して修了し、さらに大学院アカンサス賞(各楽器ごとの首席相当)を受賞するという異例のキャリアをもつ音楽家。青山音楽賞を三度に渡り受賞し、また日本音楽コンクールと並び、チェリストの登竜門として知られるビバホールチェロコンクールで第二位を受賞するなど、多数の受賞歴をもつ。
作編曲においては自身が所有するstudio DEEP FORESTにて収録した自作の室内楽曲のみで構成されたアルバム「CLASSICAL」は高い評価を得ている。
演奏家としてはCMやドラマ、ゲームなどの劇中音楽、MISIA、ONE OK ROCK、星野源などのアーティストのレコーディングやライブサポートを行う他、著名なクラシック音楽家らとの共演も多数行う。
《内田麒麟・受賞の感想》
この度は全く予想していなかった形でこのような栄誉ある賞を受賞させていただくことができ、驚きと共に一同大変光栄に思っております。
私にとって楽曲を制作することは自らの墓標を作ることと心得ておりますため、たとえ評価を得なかったとしてもライフワークとして迷わず作っていく所存ではありますが、だからこそ、こうして世に出た作品に高い評価を下さることは非常に嬉しいことであり、素晴らしい演奏をしてくれたduo LEPUSのお二人、そしてエンジニアの古賀健一氏率いるチームの皆さまに心から感謝申し上げます。
最後に少しだけこの楽曲の紹介をさせていただきますと、この曲はduo LEPUSのお二人から制作を依頼され作らせていただいたもので、冬の雪深い山中(私が住んでいるのがそういう場所である)の情景、その一つ一つに神が宿っている、そのような空想を日本的な感性で音楽に落とし込んだ2台ピアノのための作品です。皆様には是非チェーンを装着した四駆の車で雪山にドライブしに行き、そこでこの曲を聴いてみていただきたいと思います。
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《duo LEPUS(レプス)・プロフィール》
同い年生まれの、幼なじみピアニスト二人組。
同時期に長沢あけみ氏のもとピアノを始め、幼少期より、PTNA ピアノコンペティションのデュオ部門全国大会入賞、ヨーロッパでのコンチェルト共演を経験するなど、切磋琢磨して育つ。
公私共に親しく、ソロ活動と並行して、2009 年よりデュオでの演奏活動も開始。これまでに、東京、山梨、奄美大島、ラ・フォル・ジュルネTOKYO2025などでのコンサートに出演。
『レプス』とはラテン語で『うさぎ』、赤い光の印象的な『うさぎ座』を意味し、飛躍・生命力・幸運 ( ツキ ) を呼ぶ縁起の良い動物として世界中で愛されることから、2 人の音楽が広く愛され、その音色が豊かに天高く響くように、という願いを込めてつけられた。(ひょっとして卯年生まれだったりして ... ?!)
〇小林侑奈(ピアノ)
4歳より木下式音感教育・ピアノを始める。9歳でワルシャワ・フィルハーモニーホールにて国立クラクフ管弦楽団と協演し、好評を博す。PTNAコンペティションにおいてB~G級で全国決勝大会に出場し金賞、銀賞を受賞する等、幼少より多数のコンクールにて入賞。
2013年度 CHANEL Pygmalion Daysアーティストに選出され、銀座シャネル・ネクサス・ホールにて年6回のリサイタルを開催。
山梨英和中学・高校を卒業後、桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻を卒業。同大学卒業演奏会に出演。イタリア・ペスカーラ音楽院を首席で修了。ミケランジェリの高弟、ブルーノ・メッツェーナ氏のもとで研鑽を積む。
カミロトーニ国際音楽コンクール第1位、サン・ジェミニ国際音楽コンクール第1位、ルチアーノ・ルチアーニ国際音楽コンクール最高位(1位なしの2位)を受賞。イタリア各地にてリサイタルを開催、好評を得る。これまでに長沢あけみ、田崎悦子、黒田亜樹、ブルーノ・メッツェーナ、オラーツィオ・ショルティーノの各氏に師事。
現在、日本とイタリアにて、ソリスト、室内楽奏者として活動。2021年、1st album『DolceFelice』をART INFINIレーベルよりリリース。山梨市観光大使。
公式ホームページ https://www.yunakobayashi.com
〇冨永愛子(ピアノ)
3歳より木下音感教育・ピアノを始める。長沢あけみ、菊地麗子、東誠三、H.シーグフリードソン各氏に師事。7歳でソリストとしてカペラ・クラコヴィエンシス「新しいピアノ・コンチェルトとの出逢い」東京公演出演。9歳でかながわ音楽コンクール最優秀賞を受賞し、神奈川フィルと共演。高校2年在学中に第4回やまなし県民文化祭・音楽祭大賞&実賞受賞。
東京音楽大学付属高校&大学ピアノ演奏家コースを特待奨学生として卒業後、ドイツ国立エッセン・フォルクヴァンク芸術大学マスター課程を首席で修了。
大学在学中の2008年第6回東京音楽コンクールで優勝。2018年デビュー10周年、初のソロ・アルバム「リラの花」をリリース(レコード芸術準特選盤)。
近年日本フィル、都響、東響、東京シティフィル、ブラショフ・フィル等と共演。BS-テレ東「おんがく交差点」、BS-TBS「山内惠介オーケストラコンサート」に出演し、ピアノ稽古・オケ中ピアノ伴奏を担当。
ソロ・室内楽の演奏活動と共に、全国各地でアドバイザーや審査員を務め、ラジオ番組・メディア出演等、幅広く活躍している。
公式ホームページ https://www.aikotominaga.com
《duo LEPUS(レプス)・受賞の感想》
このたびは、「冬の神代」におきまして、日本プロ音楽録音賞 ベストパフォーマー賞という栄えある賞を賜り、誠にありがとうございます。
日頃より音楽文化の発展にご尽力されている主催者の皆さまに、心より御礼申し上げます。
私たち duo LEPUS(レプス)は、幼い頃より互いに切磋琢磨しながら、作品への探求と音の対話を大切に歩んでまいりました。
その歩みがこのような形で実を結びましたことを、心から嬉しく思っております。
「冬の神代」は、作曲家・内田麒麟さんの深い感性と豊かな想像力から生まれた、和の心が息づく、唯一無二の世界を持つ作品です。
そして、その繊細な音の風景を精緻に捉え、息づかいまで描き出してくださったエンジニア・古賀健一さんにも、心より敬意と感謝を申し上げます。
チーム皆の感性と技術が響き合うことで、この作品・音楽が皆さまの心へ届いたこと、とても嬉しく思います。
この受賞を励みに、これからも音楽の可能性を信じ、より一層精進してまいります。
今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ほんとうに、ありがとうございました。(duo LEPUS 小林侑奈・冨永愛子)