総合心理学部・人間科学研究科

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米国2大学共同実習

共同実習の目的

 

立命館大学(総合心理学部・人間科学研究科)、米国オクラホマ大学、アイオワ大学の3大学の学生が一緒に授業・実習に取り組みながら、文化と心理学の関わりについて理解を深め、異文化コミュニケーションスキルの向上を目指した実習です。さらに、今年度は「災害者・被害者支援」というテーマのもと、文化と対人支援の関係についても学びを深めました。 

実習活動とスケジュール

活動記録

初日 & 歓迎会


←初日はキャンパスツアーや、学部専用施設を見学しました。そして、日本での生活やマナーについて、立命の学生が英語で発表を行いました。

→夜は、近くの和食レストランで歓迎会。米国の学生は初めて見る食べ物に興味津々。立命の学生は頑張って説明をしていましたね。また、オクラホマ大学の先生方から大学Tシャツをいただきました。

レクチャー & 研究交流

3大学の先生が、連日に渡り、心理学、社会福祉学、公衆衛生学のレクチャーを行いました。また外部からゲストを呼んで、平和学や災害教育に関する授業も行いました。上の集合写真は学生と先生を交えた研究交流会での一コマです。

小学校と子ども食堂訪問

市内の小学校(中条小学校)と子ども食堂に見学に行きました。小学校では、実際に一緒に授業を受ける機会をいただきました(ドッチボールを一緒にした学生も)。上の写真は小学校のホームページにて、私たちの訪問が紹介されたものです。子ども食堂では、運営理念、地域で果たす役割などについて話を聞きました。これらの訪問のおかげで、日本での子供支援について、様々な角度から勉強することができました。受け入れ先のみなさま、どうもありがとうございました。

広島での実習

広島平和記念資料館へ訪問しました。核被害のすさまじさを目の当たりにし、改めて平和の大切さを噛み締めました。

厳島神社にもいきました。散策をしながら、立命の学生は日本の文化について、米国の学生からたくさんの質問を受けました。

 グループワーク最終発表

プログラムの期間中、グループで決めたテーマについて、日米(場合によっては中国やブラジルなど)の文化や政策の違いを話し合ってもらいました。最終日の前日には、その成果発表を行いました。家族観、愛国心、女性の社会的地位など、様々なテーマが扱われました。また、今回のプログラム通して学んだことについても発表がありました。みなさん、Good Job!

 送別会

 別れが名残惜しい・・・

なぜだか、アメリカ風プロポーズの練習が行なわれていました。

送別会では、みな最後の時間を思い思いに楽しんでいました。濃密な10日間を経て、予想していなかったほどに友情が深まりました。米国学生の中には、「今度は長期留学で立命のOICキャンパスに戻ってくる!」と意気込んでいる人もいました。また、会える日まで・・・。

受講生の感想

同じ米国から来ていてもその学生さんの出身国によって考え方がまるで違っていたりして興味深かった。私のグループはアメリカ、コスタリカ、ロシア、中国、日本とかなりバラエティー豊かだった。 日本人同士でもかなり多様性が出てきており価値観の違いとかに改めて気づかされた。多様性があると自分には考えもしなかった意見などもにも接し、驚くこともある一方で、楽しいことや気づきがあり良い学びの機会になった 今後の研究において、私自身が視野を広く持って考え研究しないといけないと思った。限られた枠だけで考えると視野狭窄に陥ると感じた。(修士課程1回生)

立命館大学には様々な国籍の学生がおり、また今後社会に出てからも様々な人と関わっていくと思う。その中で、自分の考え方や価値観が基準だと考えないこと、そしてそれらを他人に押し付けないこと、また、異なった様々な考え方を理解しようと努めること、この3つが重要だと今回実感した。それらのことを忘れずに、今後も様々な人との関わりと大切にしていきたい。(学部3回生)

今回英語が思うように通じない経験を通して、障害を持っている方などコミュニケーションを取ることに対して困難を抱えている人たちの立場に立つことができた。今回は、仲間のサポートや、トランスレーターによるツールのサポート、言葉以外でのノンバーバルなコミュニケーションによる代替ツール、そしてゆっくり簡単な英語でオクラホマ大学とアイオワ大学の学生も伝えようとしてくれる相手方のサポートがあり、私の言語の壁という課題は克服されていった。この経験で得たことを生かして、支援が必要な方々がより過ごしやすく生きていけるよう、研究をしていきたい。(修士課程1回生)

この日米共同研究は、文化交流に端を発し、小さな違いを乗り越え、小グループの中でのグループダイナミクスを経験しながら行われた、心理学領域の小さな研究・実践であった。これからの時代、真に迫った研究や実践を探求していくには、自国の学生に限らず、外に広がる世界の仲間と支えあうことが力になるのだと身をもって感じた。この経験が、私にとっても、今後の研究を下支えすると考える。(修士課程1回生)

日本の文化や暗黙のルールなどを英語で説明しなかればならない場面が多かったのですが、その場で適切な英単語を探し、脳で文を構築し、発話するプロセスを普段の英語の授業以上に早く行う必要があり、結果的に語学力が向上した実感があります。また、フィールドワークを通してアメリカでの文化を直接伺えたり、日本との違いを教えてもらえたりと、異文化理解のための足掛かりとなる場面が数多くありました。(学部2回生)

3大学の先生方の講義を受けることができ、日本とアメリカ、双方の問題やそれに対する取り組みを学ぶことができた。また、広島でのフィールドワークは平和について改めて考える機会となり、ゲストレクチャーでは「広島の心」や日本のあり方について考え直すことができた。異文化を肌で感じられる環境の中で多くを学んだ10日間だった。(学部1回生)

このプログラムに参加する前の私は、英語が話せないから私の言っていることを理解してもらえないと考えていたことから、このプログラムに参加することの一番の不安要素が言語の壁であった。しかし、10日間様々な人と関わり、言語の違い、英語が話せないことを深刻に捉える必要はなく、あくまでも英語は人と人との懸け橋になる1つのツールであることが分かった。以前は英語をただの教科であるようにとらえていたが、今はもっと他の国の文化を知りたい、もっと会話を楽しみたいという気持ちで勉強するようになり、英語学習のモチベーションが向上した。国を超えて仲のいい友人ができたことは私にとって一生の宝物であり、この10日間は一生の思い出だ。 (学部2回生)