開催趣旨

知識に基づいた質問応答システムの実現は,自然言語処理の大きなゴールの一つです.しかしながら,その基盤となる,システム開発や評価のためのリソースの多くは英語を対象としたものであり,日本国内における研究を律速する一つの要因となっています.「AI王 〜クイズAI日本一決定戦〜」では,国内の質問応答研究を活性化することを目的に,クイズを題材とした日本語質問応答のデータセットを利用した,日本語質問応答システムのコンペティションを開催しています.

本報告会では,「AI王」第3回コンペティションの最終結果の発表を行うとともに,参加チームによるシステム報告を行っていただきます.また,質問応答研究のトップランナーによる最新の研究動向の解説や,クイズの専門家を招いてご講演いただく企画も予定しています.

コンペティションの詳細については こちらのページ をご覧ください.

開催案内

  • 開催日時: 2022年122日(金)

  • 会場: オンライン(Zoomを予定)

  • 参加費: 無料

  • 事前参加登録制

事前参加申込み

最終報告会への参加を希望する方は,以下のフォームよりお申し込みください.
参加申込み締切は
2022年121日 () 23:59 です.

AI王第3回コンペティション 最終報告会 事前参加申込みフォーム(Google フォーム) ※事前参加登録期間は終了しました

参加者が一定数に達した際には,申込み締切日を待たずに申込み受付を締め切る場合があります.
また,参加申込みをした場合でも,人数制限などにより参加できない場合もあります.予めご了承ください.

プログラム

  • 10:30-10:50 オープニング

  • 10:50-11:00 休憩(+招待講演準備)

  • 11:00-12:00 招待講演1: 浅井明里 氏

  • 12:00-13:00 昼休憩(+招待講演準備)

  • 13:00-14:00 招待講演2: 古川洋平 氏

  • 14:00-14:15 休憩

  • 14:15-15:15 参加システム発表

    • 14:15-14:25 Cobalt engine チーム

    • 14:25-14:35 CS-lab チーム

    • 14:35-14:45 YAMALEX チーム

    • 14:45-14:55 VARCH チーム

    • 14:55-15:05 ICS Lab. チーム

    • 15:05-15:15 レヴォチーム

  • 15:15-15:30 最終結果発表・表彰

  • 15:30-15:40 クロージング

プログラムは現時点での予定です.

招待講演

質問応答の最新の研究動向や日本語のクイズについて,招待講演を企画しています.

招待講演1

より多くの言語での情報検索・質問応答を可能にするために

講演者: 浅井 明里 氏(University of Washington

概略:
インターネット上で得られる情報の量は増え続け、特に過去10年で英語以外の言語で書かれた情報や英語以外を用いて情報を検索するインターネットユーザーの数も急速に増加しました。一方で、質問応答や情報検索といった分野では学習・評価データの不足等の理由により多くの研究が英語に限定されてきました。学習データの不足といった多言語自然言語処理に共通する問題に加えて、多言語情報検索・質問応答におけるユニークな課題として、英語と異なり、ほとんどの言語はユーザーの様々な問い合わせに答えるための十分な情報がカバーされておらず、言語横断的な検索及び推論が求められることが挙げられます。
本講演ではこの課題に対応するための新しい大規模データセット (XOR QA, NAACL 2021)、新たな単一多言語モデル (CORA NeurIPS 2021)、また今年私達が主催したコンペティション (MIA 2022 Shared Task, NAACL Workshop 2022)での統括を発表します。XOR QAは初の大規模な言語横断的な情報検索・質問応答のデータセットであり、日本語を含む7つの多様な言語をカバーしています。次にCORAは言語固有の翻訳やモジュールに頼ることなく、単一の情報検索モデルおよび質問応答モデルを用いて28言語の質問に答えることができ、XORQAを含む複数の多言語質問応答ベンチマークで当時のState of the artを達成しました。最後に、今年私達が主催したMIA 2022 Shared Taskで登場した新たなモデルや分析の結果を踏まえ、これからの多言語質問応答システムの開発に向けて考えられるボトルネックや改善方法について議論したいと思います。

略歴:
2019年3月、東京大学工学部電子情報工学科を卒業、工学部長賞及び優秀卒業論文賞を受賞。カリフォルニア州パロアルトのSalesforce Research (MetaMind) での研究インターンを経て、同年9月にワシントン大学コンピュータサイエンス学科博士課程に在籍。専門は自然言語処理。現在の研究テーマは言語やモダリティを跨いだ質問応答・情報検索や複雑な推論のためのNeuro-Symbolicモデルの開発など。中島記念国際交流財団奨学生 (2019-)。IBM PhD Fellowship Award (2022)。

招待講演2

クイズ、人間はこう解いている ~人間対AIの未来を見据えて~

講演者: 古川 洋平 氏(クイズ法人カプリティオ)

概要:
早押しクイズを行う際、クイズ王たちは様々な判断を一瞬のうちに下します。そこでは「如何に物を知っているか」だけに収まらない勝負が繰り広げられています。
令和はまさにAI時代、あらゆる勝負の世界でもAIによる「人間超え」が見られるようになってきました。
今回は早押しクイズを人間であるクイズ王たちがどのようなアプローチで考え、ボタンを押し、正解(時に不正解)しているのかを軸に、AIがそれを超える可能性と、その時に必要な能力、そして人間たちがいつしか訪れるかもしれないその時に備えて自覚すべき「人間と特有の能力」について、皆さんと一緒に考えるような時間になればと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

略歴:
1983年、宮城県出身。高校時代に『アタック25』『タイムショック21』で優勝、大学時代に学生日本一決定戦「abc」で3連覇を達成。大手食品メーカー、公務員勤務を経て、2014年にクイズ作家に転身。のちに「クイズ法人カプリティオ」を設立し、以降同社代表。映画『ドラえもんのび太の宝島』作中に登場するクイズをはじめとした監修や、企業の広告キャンペーン等に関連するクイズを用いてのコンサルティングの傍ら、バラエティ番組『しゃべくり007』への出演などクイズ王タレントとしてのメディア出演もこなす。

参加システム発表

AI王 第3回コンペティションに参加された皆さまには,コンペティションのために構築した質問応答システムについて,概要に関する10分程度オンラインプレゼンテーションを行っていただきます(発表時間は各チーム応相談).学会のフォーマルな発表とは違い,自由な発想で楽しくプレゼンテーションを行っていただければと思います.たとえば,短時間の求人広告の挟み込みなども問題ありません.または苦労話などをしていただいても構いません.

特に,リーダーボード上位の結果を獲得した参加チームにはプレゼンテーションの打診をさせていただきます.また,ベースラインシステムに関しても運営側から解説する時間を設けたいと思います.

発表・講演スライド

最終報告会での発表資料・講演資料を公開しました。資料の公開にご協力いただいた皆様に感謝いたします。

招待講演

ai_king.pdf

システム発表

AI王システム発表_20221202_cobaltengine.pdf
AI3_CS-lab.pdf
AIO_最終報告会_YAMALEX2.pdf
AIO_03_pksha.pdf
aio3_icsl_ex_005.pdf
NEC-Revo_AIO3rd_presentation.pdf

オープニング・クロージング

2022_1202_AIO_opening.pdf
2022-12-02_aio3_closing.pdf

主催組織:AI王実行委員

実行委員長

実行委員

顧問

共催組織