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Miles Hoffman, viola
(2017/9/22)
マックス・ブルッフ:ヴィオラと管弦楽の為のロマンス へ長調作品85
Max Bruch: Romance for Viola and Orchestra in F major, Op.85
ブルッフ(1838-1920)という作曲家の特徴はこれに尽きる。
「歌唱的メロディメーカー」
幼少期は、有名な歌手で教師でもあった母親から音楽を教わったためであろう。生前の彼は歌曲で名を馳せたほどである。
今日でもよく演奏されるヴァイオリン協奏曲第1番ト短調(1866)や、ヴァイオリンとハープ、管弦楽のためのスコットランド幻想曲(1880)など、叙情的で、一度聞けば誰もが心奪われる曲を若い時代から晩年まで書いていった。
ブルッフと同時期には、友人のJ.ブラームス、敵視していたR.ワーグナーやF.リストなど、後期ロマン派の最盛期の作曲家が多くいた。彼はその中でも飛び抜けて「後進的」であり、生涯に渡って古典派への尊敬と傾倒は変わらなかった。
ブルッフが、この叙情性を抽出したような形式の曲を書いたのは1911年、実に第一次世界大戦の開戦前夜とも言うべき時期であり、彼は73歳になっていた。
妻と子を4人をもうけ、ケンブリッジ芸術アカデミーの副総長を勤め上げた