所 彰宏川名 晴郎  二人展

Go the long way around"


<経歴>

所 彰宏 TOKORO Akihiro   

1990年 福島県生まれ 

2016年 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻版画コース 修了  


主な展覧会 

2016年 「落石計画 第9期 残響Ⅲ/それぞれの視座」根室市旧落石無線送信局 (北海道) 

2017年 個展「所 彰宏 見えないことで見えること」武蔵野美術大学 gFAL (東京) 

2018年 「シェル美術賞展  アーティスト・セレクション(SAS)  2018」国立新美術館 (東京)
2019年 「月冴ゆ -Light Crossing Border-」網走市立美術館 (北海道)
2021年 個展「Cut and Sew」たましん本店地域貢献スペース (東京)
2022年  「パララックス」MASATAKA CONTEMPORARY (東京)  
賞歴
2013年 「第38回全国大学版画展」 町田市立国際版画美術館収蔵賞 [‘15]
2016年 「シェル美術賞展2016」 能勢陽子審査員賞

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川名晴郎 KAWANA Haruo  
1993年 東京都生まれ
2018年 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻日本画コース 修了  

主な展覧会
2016年 「『STRANGER』宮下サトシ・川名晴郎2人展」ギャラリー檜(東京)
2020年 個展「新世代への視点2020 川名晴郎展」ギャラリーなつか(東京)
2021年 個展「草野球大会の前日」ビリケンギャラリー(東京)
2021年 個展「雪」Alt-Medium (東京)
2023年 個展「近未来」銀座蔦屋書店 (東京)
2023年 「僕がいる街 井上魁/川名晴郎」ギャラリーなつか(東京)  
賞歴
2019年 第21回グラフィック1_WALL 審査員奨励賞受賞    

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<今回の展示について>

-展覧会に寄せて-


  多様な表現手段があるなかで、川名と所はそれぞれ日本画と版画を主な表現として選択しています。いずれも制作の工程が数段階あり、ややもするとまわりくどい方法とも思われるかもしれません。しかしその過程 -素材の選択、準備、表現技法としての制限への対応- を経る中で、時に制作者自身も気づいていなかった示唆を得ることがあります。それは偶然性であったり、不自由さへの対処から生まれる機知であり、作家が一から自由にコントロールできる手法とはまた別の魅力があります。いわば、あえて遠回りすることを表現手段として選んでいる、とも言い換えることができる2人と言えます。 

  日々の一端を各々の目と手、手法を介して表現する。回り道して現れるイメージは、ままならないこともある現実を映す鏡でありながらも、それだけではない「何か」が感じられる絵でありたいと願っています。   


所彰宏  



展示一月前のノート   


外では蝉が鳴き強い日差しが照りつける中、アトリエで昔の写真や今の風景をきっかけに浮かんだイメージを紙に定着させるべく、作業を重ねている。(おそらく所さんも同じだろう) 

夏の間に、薄い支持体上で何かが形になるはずである。9月になったら古くからの問屋街の地下にある四角い空間にそれらを運び込んで壁に飾り、人が来るのを待つ。考えてみると不思議な行動である。   


今回の展示は、ギャラリーの方からお誘いを受けて9月に使用させていただくことが決定したところから始まっている。漠然とどのような展示にするか考えていたとき、所さんとの二人展という案が浮かんだ。   


二人とも、閃いたイメージが消えないうちに急いで描き上げるというタイプではない。版画も日本画も工程が多く、制作に比較的時間がかかる。迂遠とも思える間接的な制作を進めていく時間の中で、入り込んでくる偶然に助けられていることや、出来上がった作品からどこか古びた印象を受けることに共通項があるのではないか。   


このようなことが頭にはあったが、なかなか詳しい話ができないまま夏を迎えた。企画者として、この展示の焦点を何か定めなければ… 

そんな焦りの中で、所さんに展示のプランを聞いてみた。所さんは、流氷の上に銅像が乗っている絵を3mほどの作品にするかもしれない、と言っていた。   


意味はわからないが涼しげなイメージが浮かび、気が楽になった。作業中、淡々とすぎていく時間は無為に思えることもあるが、その時間が作品に影響しているとすれば無駄ではない。9月、ひんやりとした地下の空間に絵が並べられたときにどのような印象をもたらすのか、まだ何もわからない。 しかし、作家同士のある側面が響き合うような展示になることを想像している。   


川名晴郎

所 彰宏川名 晴郎  二人展

"Go the long way around"

2023.9.7 Thu. - 9.17 Sun. (closed on 11th Mon.)

13:00 - 19:00  

PATH ARTS

〒103-0003 東京都中央区日本橋横山町7-19 B102

Email: patharts2022@gmail.com