「アベノミクス」はなぜ体感失敗に終わったのか、それを解説&評価してみたいと思います。
まず、アベノミクスで掲げられた、「三本の矢」は、
①大胆な金融政策
これは、規制緩和や企業・家計に定着したデフレマインドを払拭し、2%の物価上昇率を実現しようとされた政策でした。
デフレ脱却のためには国家財政に傷をつけてでも市場を刺激すべきだということから行われました。
マネタリーベースも拡大し、バラマキして増税した民主党政権の尻拭いを行おうとしていたわけです。
このときに、安倍内閣における財務大臣の麻生太郎でさえ、悲観的に物事を語ることはなかったわけです。
「デフレマインドの払拭」というのは、国家財政に傷をつけてでも経済を回すことが大事になります。
デフレマインドを払拭するためには、楽観的な視点からの経済政策が大事です。
それで次の矢ですが、
②機動的な財政政策
これは、まず民主党政権下で「事業仕分け」によって大幅に減らされてしまった公共事業を復活させました。
復活させた上に増加させたのです。これによって災害対策などに予算を充てることができるようになりました。
企業に対して税制優遇を行い、トリクルダウンによる賃上げなどを促進しましたが、デフレマインドの払拭が進まなかったので、賃上げに繋がらず、内部留保として企業の中に留まってしまう形になりました。
企業を活性化させるための資金投入は、効果がありましたが、結局は賃上げに繋がっていないので消費も増えませんでした。
最後の矢は、
③民間投資を喚起する成長戦略
これは、政府が手を出しすぎた経済にストップをかけて、民間投資に任せてみるという政策でした。
最初にやったのは、税制改革です。数種類の税を減税や付替えなどで民間企業を刺激しました。
これも企業のデフレマインドを払拭して賃上げにつなげようと頑張られましたが、なかなか一本縄では行かなかったようですね。
コーポレート・ガバナンスを強化し、起業の競争力上昇を目指しました。
ただ、この全てを破壊した一つのことがあります。
何かというと、
消費増税
です。
5%から8%、8%から10%(軽減税率付き)に上がったことで、消費は刺激されず、逆に冷え込む結果となりました。
賃上げによって対応することもできず、アベノミクスは失敗に終わりました。
次回は新アベノミクス(三本の矢)について紹介していきますね。