皆さん、こんにちは。神戸大学経済学部長の金京拓司です。
本日は、暑い中、神戸大学オープンキャンパスにご参加くださり、誠にありがとうございます。六甲台キャンパスで皆さんをお迎えできることを、心から嬉しく思います。
神戸大学経済学部は、1902年創設の「神戸高等商業学校」に始まり、120年以上にわたり、日本の社会と経済を支える人材を育成してきました。その歴史の中で一貫して大切にしてきたのは、理論と現実をつなぐ力――経済のしくみを深く理解し、社会の課題に向き合い、自ら考え行動する力を育むことです。
現在、地政学的緊張や通商摩擦、気候変動に加え、AIの急速な進化が仕事や学び、社会の仕組みを根底から変えうるなど、技術革新がこれまでとは次元の異なる影響をもたらしており、世界的な不確実性は一段と高まっています。こうした時代には、勘や経験、感情だけに頼るのではなく、経済学をはじめとする社会科学の知見を生かし、客観的な事実とデータに基づいて考え、課題の原因を見極め、実行可能な解決策を見いだすことがますます重要です。
本学部では、まず「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」、そして「統計」や「計量経済学」といった、数理モデルやデータを使って社会や経済の動きを読み解くための基礎をしっかり学びます。
そのうえで、例えば
米国の関税政策が世界経済にどんな影響を与えるのか、円安や円高といった為替相場の変動が日本経済にどう影響するのかを分析する国際経済学
株式市場の動きや企業の経営戦略を分析する金融・企業経済学
地球温暖化やエネルギー問題に対して有効な対策を考える環境・公共政策
働き方改革や教育制度の改善策を考える労働・教育経済学
過去の経済の出来事や流れから将来を予測する経済史
といった、多彩な分野を学ぶことができます。学生は自らの関心に沿って専門性を高め、同時に幅広い視野を身につけることができます。
近年、AIやデータサイエンスの急速な発展が社会構造を大きく変えています。本研究科では、来年度の2027年4月に、経済学を基盤に、統計学・計量経済学・データサイエンスを横断的に学ぶ「経済数理データ科学専攻」を新設します。さらに、再来年度の2028年度入試からは、理系的素養を重視する「英数選抜・理系型入試」を導入し、その入学者を対象に、学部から大学院修士課程へ学びをつなぐ「経済数理データ科学コース」も始まります。経済学の専門性とデータ活用力を備え、複雑な社会課題の解決に挑む人材を育てていきます。
経済学は、数字や理論だけの学問ではありません。経済格差、環境問題、雇用のあり方、国際関係の変化など、私たちの暮らしと直結する課題を見据え、データと論理で原因を探り、社会により良い選択肢を提示する学問です。言い換えれば、経済学とは「複雑な現実を読み解き、より良い未来を築くための知恵」です。
本日お越しの皆さんも、日々のニュースや社会の出来事に「なぜ?」と疑問を抱いていることでしょう。その問いこそが、経済学を学ぶ第一歩です。神戸大学経済学部は、皆さんの知的好奇心と挑戦を、経験豊富な教員・事務職員と充実した教育環境の中で全力で支えます。
ぜひ今日のオープンキャンパスを通じて、本学部の学びのスタイルや雰囲気、そして「ここで学びたい」と思える出会いを見つけてください。
皆さんと近い将来、この六甲台キャンパスで再会できることを楽しみにしています。
神戸大学経済学部は、国内で有数の経済学部です。多くの国立大学の経済学部には経済学・経営学両分野の教員が所属しているのですが、神戸大学は経済学部単体で50名以上の経済学を専門とする教員が所属しています。また研究面ではさまざまな指標で国内大学の上位に位置しており、日本屈指の経済学研究機関でもあります。
これだけの経済学分野の教員が所属しているということは、様々な角度から経済学を勉強できる環境にあることを意味します。経済学の守備範囲は、経済理論や統計学といった数理的な分野だけではなく、金融や財政、経済政策といった現実の経済と深く関連する分野に加え、歴史や地域研究と広範にわたります。神戸大学経済学部では、8つの異なる講座にそれぞれの分野の専門家が所属しています。その意味では、経済学の多様な分野を体系的に学ぶことができる環境にあると言えます。
教育面での大きな特徴は、「ゼミの神戸経済」と言っても過言ではないくらい、ゼミナール(ゼミ)教育に力を入れていることです。多くの学生は、3・4年になると10名程度の少人数制で勉強をするゼミに所属しています。ゼミでは卒業論文の作成に加え、懸賞論文、企業見学、ゼミ合宿、他大学との交流など、多彩な活動を行っています。ゼミでの活動を通じて、勉強面だけではなく人間的にも成長することが見込まれます。
さらに、国際性や学際性を目指した教育プログラムも提供されています。その一つは、留学を含む5年一貫の国際教育プログラムであるIFEEKです。さらに、法学との連携教育である法経連携プログラムもあります。さらに、数理・データサイエンス・AI教育についてのプログラムも提供されています。このように、積極的に勉強したい人たち向けのプログラムも充実しています。
【入試について】
詳細は神戸大学ホームページと入試要項で確認してください。
本年度は、学校推薦型選抜と一般選抜を実施します。一般選抜は前期日程のみで、大学入学共通テストと個別学力検査によって選抜します。
・学校推薦型選抜:共通テスト、推薦書、自己推薦書、および調査書に基づいて評価します。合格したら、確実に入学を約束できる人だけが出願できます。
・一般入試(前期日程のみ):共通テストと個別学力検査(2次試験)で総合評価をします。一般選抜には、数学選抜、英数選抜、総合選抜の3つがあります。数学力、英語力、そして国語・数学・英語の総合力など、それぞれ異なる強みを持つ受験生を受け入れる仕組みです。具体的には以下になります。
・数学選抜:2次試験は数学だけを受験し、数学だけで合否を判定します。
・英数選抜:英語と数学だけを受験し、英語と数学で合否を判定します。
・総合選抜:英語、数学、国語を受験し、3科目で合否を判定します。
個別学力検査450点の内訳は、数学選抜が数学450点、英数選抜が数学225点と英語225点、総合選抜が英語・数学・国語各150点です。
なお、出願時の受験科目によって、受けられる選抜方式が異なります。具体的には数学選抜は数学のみ受験、英数選抜は英語と数学を受験、総合選抜は英数国の3科目を受験することになります。受験科目を確認して、出願してください。
どの科目を使って合否を判定するかは、以下の通りになります。
・数学選抜:数学だけで合否を判定されます。
・英数選抜:数学選抜で選抜されることもあるし、英数選抜で選抜されることもあります。
・総合選抜:総合選抜で選抜されることはもちろん、数学選抜で選抜されることもあるし、英数選抜で選抜されることもあります。
よくあるご質問については、就職状況や留学実績なども含め、経済学部ホームページで詳しい情報をご覧いただけます。なお、教員免許は取得できません。
【令和10年度入学者向け入試(令和9年度実施入試)の情報】
令和9年度に実施する入試からは一般選抜を総合受験と英数受験の二つに再編し、総合受験では国語、数学(文系)、英語、英数受験では数学(理系)、英語が受験科目となります。また、学校推薦型選抜の募集人員は70名に増加します。
変更後は、学校推薦型選抜70名、総合受験170名、英数受験30名となります。入試制度の詳細と最新情報は、必ず神戸大学のホームページおよび募集要項でご確認ください。(令和10年度入試情報はこちら)
新専攻についてはこちらから動画をご覧ください。
1902(明治35)年、高等商業学校(後の一橋大学)に続く2番目の高等商業学校として、神戸高等商業学校が設立されました。その後、高等教育機関拡張の流れの中で1929(昭和4)年に神戸商業大学へと昇格し、1944年の神戸経済大学への名称変更を経て、1949年に神戸大学となりました。
経済学部は、前身である神戸高等商業学校以来100年以上の歴史を持ち、経営学部、法学部と並んで神戸大学で最も歴史ある学部の一つです。
現在の六甲台第1キャンパスにある本館は1932(昭和7)年、講堂は1935(昭和10)年、社会科学系図書館は1933(昭和8)年にそれぞれ完成した建物で、すべて登録有形文化財に指定されており、今もほぼ当時のままの姿で利用されています。
Q:経済学部に入学したら、経済しか勉強できないのですか?
A:経済学を専門的に学びますが、経営や法律をはじめ他学部の授業も履修することができます。また、 理系・文系を問わず興味のある学部の授業を履修・修得することができ、多分野の学問に触れることができます。
Q:経済学部の卒業生の進路について詳しく教えてください。
A:金融や保険、製造企業の総合職として就職する人の割合が多いです。公務員や大学院進学の人もあります。
Q:教員免許は取得できますか?
A:経済学部は教職課程を廃止しましたので、平成27年度以降の入学者は教員免許状の取得はできません。
Q:留学にかかる費用などを詳しく教えてください。
A:大学・学部間協定校留学の場合は留学先大学の授業料は不要ですが、現地での寄宿舎費用や生活費が相応に必要になります。留学のための奨学金に応募することができます。一例として、ヨーロッパの大学に半年留学して学生寮に入居した場合、総額で約130万円ほど必要でした。留学中に旅行や交流を計画するならその費用も考えておく必要があります。
Q:将来の夢や進路が決まっていない場合はどうしたらいいですか?
A:経済学部で様々な分野について学びながら将来設計をすることができます。ともに学ぶ経済学部生と切磋琢磨する中で、ご自分の夢も見えてくるのではないでしょうか。学部の教職員がいつでも相談にのります。
Q:課外活動について、どんなクラブがありますか?
A:大学公認課外活動団体は、右記のページを参照してください。神戸大学課外活動団体紹介ページ
Q:通学するのは六甲のキャンパスだけですか?
A:主に経済学部のある六甲台第1キャンパスに通学しますが、1、2年生は語学や一般教養科目などの全学共通授業がありますので鶴甲第1キャンパスにも通学します。自分で選択履修する他学部の授業があればその学部のキャンパスにも通学する必要があります。六甲台第1キャンパスと鶴甲第1キャンパスは徒歩で6、7分程度です。
Q:寮や下宿について知りたいです。
A:大学の寮は住吉寮をはじめ、男子・女子それぞれ4つの寮があります。寮により寄宿料やその他経費が違いますが、住吉寮の月額は、寄宿料18,000円+共益費5,000円+居室の光熱水費(2026年9月現在)となっています。大学と提携している民間寮もあります。民間のアパートに住んでいる学生も多数あります。入学が決まったら大学生協や不動産屋さんに紹介してもらい各自で契約しています。
Q共通テスト、個別入試について詳しく知りたいです。
A:このサイト内の動画「入試制度説明」をご覧ください。また、令和7年度神戸大学入学者選抜要項に配点等が詳しく掲載されていますので参考にしてください。 入学者選抜要項 | 神戸大学受験生ナビ (kobe-u.ac.jp)
Q:受験勉強は何に力をいれたらいいですか?
A:数学選抜に出願する人は数学、英数選抜に出願する人は英語・数学、総合選抜に出願する人は英語・数学・国語を受験することとなりますので、これらの科目に対する十分な準備が必要です。これに加えて、大学共通テストの対策も必要です。英語・数学・国語の知識は、入学後に経済学を理解する上で大いに役立ちます。 また、海外留学を考えている人にとっては、英語の重要性はより一層高まります。
お問い合わせ:
神戸大学経済学部教務係 神戸市灘区六甲台町 2-1 (Map)
TEL: 078‐803‐7250 FAX: 078‐803‐6877
E-mail: econ-kyomu[[at]]office.kobe-u.ac.jp ( [[at]]の部分を@に置き換えてください)