経済学部オープンキャンパスへ、ようこそお越しくださいました。
猛暑の中、遠方よりご参加いただき、誠にありがとうございます。皆さんのご来学を心から歓迎します。
神戸大学経済学部は、一昨年創立120周年という節目の年を迎えました。本学部は約50名という国内最大規模のスタッフで構成されており、我が国で最も伝統ある経済学の教育・研究拠点の1つです。
本日のオープンキャンパスでは、限られた時間ではありますが、神戸大学の経済学部はどのような特徴があるのか、経済学とはどのような学問か、といったことをぜひ知っていただき、皆さんの志望校選択の参考にしていただければと考えています。そして、港神戸を見下ろすこの緑豊かな六甲台キャンパスを散策していただき、大学校舎や教室なども見ていただいて、神戸大学での学びの一端をぜひ体感していただければと思います。
経済学とはどのような学問か、さまざまなとらえ方がありますが、一言でいうと、「社会全体の仕組みを幅広く学ぶ学問」と表すことができます。もう少し具体的に言うと、「人やモノ・サービス、お金などが社会でどう動くのかを分析し、どうすれば幸福で豊かな暮らしができるのかを考える学問」と言えるかと思います。経済学は、実社会とのつながりが最も深い学問です。
日本の経済は、少子高齢化や長期の経済低迷、ポスト・コロナ期の物価高や金融・為替市場の変動など、さまざまな課題に直面しています。経済学の意義とは、そうした課題に対して、全体を俯瞰して、問題を設定する目を養い、解決に向けた方策を自ら考える、そうした力を身につけることだと考えます。
特に、個々の問題を「全体を俯瞰して考える」「システムで考える」という視点は、経済学の持つ大変重要な特徴です。物事を俯瞰して考える力は、大学を卒業し実社会に出られたあとも必ず役立つでしょう。経済学の学びを通じてぜひ身に着けていただきたいと思います。
近い将来、皆さんとこの六甲台キャンパスで共に学ぶ日が来ることを心待ちにしております。ありがとうございました。
神戸大学には経済学部と経営学部があります。実は国立大学では珍しいことです。たいていの国立大学は経済学部だけがあって、その中に経営の研究や経済の研究をしている人がいるというのが典型的な学部です。
それに対して、神戸大学経済学部は教員全員が経済学の専門家ですので、他の大学の経済学部と比べると、経済学の専門家の数という意味においては国内トップクラスの教員数であるというのが大きな特徴です。教員の数が多いということは皆さんにどのようなメリットがあるかと言うと、経済学は皆さんが想像されているよりもずっと幅広い事柄を研究する学問でそれだけ多様な分野があるので、教員数が多いということは幅広い分野をカバーすることができるということです。神戸大学経済学部には8つの講座がありますが、それぞれの講座にその分野のエキスパートが在籍しており、より皆さんの興味関心に近い専門分野の先生と出会うことができると言えると思います。
神戸大学経済学部では少人数教育を重視しています。特に、3年生からの研究指導(ゼミ)で希望する先生のもとで研究や論文執筆の個別指導を受けることになります。ゼミによっては、単に研究だけでなく、様々な活動をしています。例えば、懸賞論文に応募したり企業に見学に行ってヒアリングをしたり、合宿をしたり、一橋大学・大阪公立大学との三商大ゼミをしたりしています。
入学後には特別プログラムがあります。特に、IFEEK(5年一貫経済学国際教育プログラム)を紹介しますと、通常は修士号を取得しようとすると学部4年+博士前期2年間で合計6年間かかりますが、学部3年半+博士前期1年半の5年で修得することが可能です。半年もしくは1年間留学に行くことになっており、合計5年間で経済学の専門知識に加えて語学力も国際性も身に付けることができるプログラムとなっています。このプログラムに属している学生は非常に優秀で社会に出てからも活躍しています。
その他、法経連携専門教育プログラムでは、経済学と法学の両方の専門知識を身に付けることができます。また、持続可能な開発のためのプログラム、最近流行りのSDG教育などもあります。これらのプログラムの希望者は入学後に応募することになっています。
【入試について】 詳細情報は神戸大学ホームページ、入学者選抜要項で確認してください。
1.経済学部は二つのタイプの選抜方法があります。
推薦入試:共通テスト、推薦書、自己推薦書、調査書に基づいて評価します。
合格したら、必ず入学すると約束ができる人だけが出願できます。
一般入試(前期日程のみ):共通テスト、個別学力検査(2次試験)で総合評価をします。
・数学選抜:2次試験は数学だけを受験し、数学だけで合否を判定します。
理系で勉強してきたが経済学をやりたい人を主なターゲットとした入試になっています。
・英数選抜:英語と数学だけを受験し、英語と数学で合否を判定します。
・総合選抜:英語、数学、国語を受験し、3科目で合否を判定します。
2.2025年度入試から共通テストに「情報」が追加されるので、配点に変更があります。
今までは、共通テスト400点+個別学力検査400点の配点でしたが、
今後は、共通テスト450点(うち情報50点)+個別学力検査450点という配点になります。
個別学力検査の450点の内訳は、数学選抜は、数学に450点すべてを振り分け。英数選抜は、英語と数学が半々。
総合選抜は、英数国が1/3ずつになります。
昨年度までとの違いは、数学と国語125点満点→今後は150点満点に変更になります。
数学と国語のウェイトが少し大きくなります。
3.出願する際の注意 募集区分と選抜方式は違います。
募集区分は、どの科目で受験するかを意味していて、出願時に選択します。
数学選抜は数学のみ受験、英数選抜は英語と数学を受験、総合選抜は英数国の3科目を受験することができます。
どの科目を使って合否を判定するかは
・数学選抜:数学だけを受験した人は、数学だけで合否を判定されます。
・英数選抜:数学選抜で選抜されることもあるし、英数選抜で選抜されることもあります。
もし、英語はそんなにできなかったけれど数学がよくできた場合、数学選抜で合格する可能性があります。
・総合選抜:英数国の3科目を受験した場合、国語がよくできなかったけれど、英数はよくできたという場合は、
英数選抜で合格する可能性があります。
できるだけ多くの科目を受験していただいた方が、合格するチャンスが広がるということになるので、3科目を受験することをすすめます。もちろん、自信のある人は数学選抜、英数選抜にトライしていただいたらと思います。
その他.よく質問される事項ですが、神戸大学経済学部では教員免許は取得できません。
1902(明治35)年、高等商業学校(後の一橋大学)に続く2番目の高等商業学校として、神戸高等商業学校が設立されました。その後、高等教育機関拡張の流れの中で1929(昭和4)年に神戸商業大学へと昇格し、1944年の神戸経済大学への名称変更を経て、1949年に神戸大学となりました。
経済学部は、前身である神戸高等商業学校以来100年以上の歴史を持ち、経営学部、法学部と並んで神戸大学で最も歴史ある学部の一つです。
現在の六甲台第1キャンパスにある本館は1932(昭和7)年、講堂は1935(昭和10)年、社会科学系図書館は1933(昭和8)年にそれぞれ完成した建物で、すべて登録有形文化財に指定されており、今もほぼ当時のままの姿で利用されています。
Q:経済学部に入学したら、経済しか勉強できないのですか?
A:経済学を専門的に学びますが、経営や法律をはじめ他学部の授業も履修することができます。また、高度教養科目といって 理系・文系を問わず興味のある学部の授業を履修・修得することができ、多分野の学問に触れることができます。
Q:経済学部の卒業生の進路について詳しく教えてください。
A:金融や保険、製造企業の総合職として就職する人の割合が多いです。公務員や大学院進学の人もあります。
Q:教員免許は取得できますか?
A:経済学部は教職課程を廃止しましたので、平成27年度以降の入学者は教員免許状の取得はできません。
Q:留学にかかる費用などを詳しく教えてください。
A:大学・学部間協定校留学の場合は留学先大学の授業料は不要ですが、現地での寄宿舎費用や生活費が相応に必要になります。留学のための奨学金に応募することができます。一例として、ヨーロッパの大学に半年留学した場合、総額で約130万円ほど必要でした。留学中に旅行や交流を計画するならその費用も考えておく必要があります。
Q:将来の夢や進路が決まっていない場合はどうしたらいいですか?
A:経済学部で様々な分野について学びながら将来設計をすることができます。ともに学ぶ経済学部生と切磋琢磨する中で、ご自分の夢も見えてくるのではないでしょうか。学部の教職員がいつでも相談にのります。
Q:課外活動について、どんなクラブがありますか?
A:大学公認課外活動団体は、右記のページを参照してください。神戸大学課外活動団体紹介ページ
Q:通学するのは六甲のキャンパスだけですか?
A:主に経済学部のある六甲台第1キャンパスに通学しますが、1、2年生は語学や一般教養科目などの全学共通授業がありますので鶴甲第1キャンパスにも通学します。自分で選択履修する他学部の授業があればその学部のキャンパスにも通学する必要があります。六甲台第1キャンパスと鶴甲第1キャンパスは徒歩で6、7分程度です。
Q:寮や下宿について知りたいです。
A:大学の寮は住吉寮をはじめ、男子・女子それぞれ4つの寮があります。寮により寄宿料やその他経費が違いますが、住吉寮の月額は、寄宿料18,000円+共益費5,000円+居室の光熱水費(2023年7月現在)となっています。大学と提携している民間寮もあります。民間のアパートに住んでいる学生も多数あります。入学が決まったら大学生協や不動産屋さんに紹介してもらい各自で契約しています。
Q共通テスト、個別入試について詳しく知りたいです。
A:このサイト内の動画「入試制度説明」をご覧ください。また、令和7年度神戸大学入学者選抜要項に配点等が詳しく掲載されていますので参考にしてください。 入学者選抜要項 | 神戸大学受験生ナビ (kobe-u.ac.jp)
Q:受験勉強は何に力をいれたらいいですか?
A:数学選抜に出願する人は数学、英数選抜に出願する人は英語・数学、総合選抜に出願する人は英語・数学・国語を受験することとなりますので、これらの科目に対する十分な準備が必要です。これに加えて、大学共通テストの対策も必要です。英語・数学・国語の知識は、入学後に経済学を理解する上で大いに役立ちます。 また、海外留学を考えている人にとっては、英語の重要性はより一層高まります。
お問い合わせ:
神戸大学経済学部教務係 神戸市灘区六甲台町 2-1 (Map)
TEL: 078‐803‐7250(学部)/ 7247(大学院) FAX: 078‐803‐6877
E-mail: econ-kyomu[[at]]office.kobe-u.ac.jp ( [[at]]の部分を@に置き換えてください)