今回は、「引導作法」についてご紹介したいと思います。

引導と言う言葉、聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。

漫画などで「引導をわたしてやるっ、、、！！」みたいなセリフ一度は見たことがあると思います。

この場合の「引導を渡す」は、終わらせる、諦めさせるなどのネガティブな意味で用いられていますが本来「引導」と言う言葉は、亡くなった方が道に迷わないように引っ張り導くと言う意味があります。
宗派によって考え方は違いますが、人は亡くなると肉体から魂が離れてあたりに漂います。
やがて時間の経過と共に自分が亡くなっていて、魂が体から離れてしまったことに気が付くのですが、気付くまでにかなりの時間を要すると考えられています。
そこで僧侶は葬儀式中に「引導作法」を行い亡くなった方の魂を彼岸へ導くとされています。

引導作法の儀式は宗派によって違いますが、彼岸へと導く法語を唱え、松明を模したものを棺や祭壇に置く等の儀式が一般的です。
松明を模したものを使用するのは、昔は葬儀の時に僧侶の手によって火葬が行われており、本物の松明が使用されていたというところからきています。

法語と言うのは、簡単に言いますと、仏教で正法を説く言語です。
引導の時に用いられる法語は、宗派によって違いますが、最初に仏様の教えを説き、故人の戒名、生前の善行を称えたりもします。

禅宗系の宗派では、法語の最後に「カーッ！」と大きな声を出し故人の魂を激励します。

これは「喝」と言っていて、故人に亡くなったことを知ってもらうといった意味もあります。

「喝」のほかにも「露」「唖」「咄」「是」などがあり、これらは雲門の一字関と言います。