今回は、『お通夜』に関することを書いていきたいと思います。
お通夜に関してはご存じの方も多いと思いますが、由来や現在では薄れつつある元々の文化などあまり知られていない内容を深堀していきたいと思います。
お通夜の由来
お通夜は元々、家族を亡くした近親者が、その当日に故人の傍らで遺体を見守りながら、灯をともして夜通し過ごすと言う意味で、この『夜通し』の所から来ているとされています。
お通夜は、古くは『夜伽(よとぎ)』とも呼ばれ、夜に故人と「共に寝る」=「伽をする」ことから、『夜伽』と呼ばれていたり、似た意味としては『寝ずの番』や『線香番』、『棺守り』などの類義語があります。
お通夜のそもそもの意味
お通夜は、今よりも医療が発達していない時代、死亡確認をするための儀式でもありました。
現代では、心拍停止、瞳孔拡大、呼吸停止の3つをもって死亡を判定していますが、その基準がなかった時代には、いつ人が死亡したのかがあいまいでした。
そのため、故人と長い時間共に過ごし(夜通し)息が戻らないことを確認する必要があったのです。
現代でも死亡から24時間以内は埋葬、火葬はしてはいけないと法律で定められています。
昔、本当に息を吹き返す事例があったと、私自身も聞いたことがあります。話が逸れてしまいましたが、確認のためにも通夜をして見守るという文化がありました。ただ、もちろんですがお通夜は、ご遺体を観察するだけの儀式ではございません。ご遺族が、故人との別れを惜しみ、気持ちを整理する時間でもありました。埋葬や、火葬するまでのひと時を大切にするという考え方は、今も昔も変わりませね。