戯曲紹介
戯曲紹介
二幕十場
この作品は劇団青い薔薇の最後の公演となった。
しかし"さよなら公演"ではない。
昭和初期の東京が舞台で、雰囲気としては昔の新劇のような作品。
クラシカルな空気に充ちている。
同じ場面を3回も出すところは大胆な構成だ。
基本的には、少女の成長物語では在るものの、
女性の自立の問題。
戦争が引き起こす夫婦の愛憎。
そこから派生する親子の問題。姉妹の事。
又、当時の美術界の空気から発生する自滅と死。
それに伴う心中事件。
又、義兄を愛してしまう主人公等々問題が散りばめられている。
場面は主に二つ。
一つは、主人公の家、安藤家(リビングと庭)と、もう一つは、当時の芸術家?達が集う"カフェシャノワール"だ。
安藤家には、母(綾)、姉(園子)、ばあや、ばあやの孫(里美)、そして姉の婚約者(向井修一)が配され、シャノワールには、画家(涼)、踊り子(チェリー)、女優(夏子)、修一、そして、ママ、従業員に久美とまり子。
若き書生達が配され、十二分に楽しめる作品に成っている。