戯曲紹介
戯曲紹介
多くの優しき冒険者にささぐ
心の音色は、ファンタスティックに描かれる。
大島弓子先生の‘綿の国星’の世界をお借りして、仮の世界を創り出す。
けれど主人公の四人組は犯罪者であり、若い女性ボスと三人の男たちだ。
その三人の内、一人は名優 松田優作を名乗り、演じ、後の二人も、もしかすると現実の人物かと匂って来る。
この四人の荒み虚しい心が、どう改善されるかの話だ。
このリアルとファンタジーを結ぶ、踊りの多用と映像と現実の芝居が創り出す世界が、メルヘンとシリアスを同居させる事に成功させる。
綿の国星グループとTVマンの優しい突き付けが心を動かす。
双子の姉妹、一人は目が見えず、一人は耳が聴こえない
そのことがキーにもなって居る。
それらの総てが、人間の基礎的問題を突き付ける。
それはシリアスに、またコミカルにも描かれるが、登場人物だけではなく観る人、読む人にとっても突き付けられるだろう。
1991年上演作品