戯曲紹介
戯曲紹介
作家で劇団の主宰者で在る江口は、事につけ、舞台は 非日常、
夢の(寝てみる夢だが) 世界が許されると唱えて居て、
それが作風にも成って居る。
この作品は、”不思議の国のアリス”の庭?の様な空間に
ただし、少女とその弟の家の近くの空間なのだが、
キャッツのように 猫が人間の姿で登場し、人間としゃべったりする。
登場者は、ボヘミアンのような自由人、不思議な存在感の女や
冬でも麦わら帽子をかぶる少女。アホウに見える弟のキヨシ少年と
自信のない青年。そして少女の飼い猫。4人と一匹で在る。
彼等のつくる世界は、言葉も在るが空気で伝えようとする。
その空気は寂しさ、 温かさ、 優しさ等だ。
その空気感は演者にかかる部分も大きい。
しかし、 運良く?読み物として提供されるので、 読者に伝わる気もして居る。
人々から、一段も二段も低く見られがちな登場者たちを主人公にしたこの作品は、色々な意味で劇団由の原点である。
そして、ケイコ場による小劇場スタイルの公演を始めたのも この作品からで、年をまたいで、一ヶ月強、7回の公演を打った。
由の一つのシンボルの猫登場もその一つかもしれない。