概要

講演者:平井 祐紀大阪大学

題目:無限次元伊藤–Föllmer解析における線形積分方程式

概要:伊藤–Föllmer解析は確率解析に対するパス毎のアプローチの一つである。Föllmer (1981)は分割列に沿った2次変分を持つパスが伊藤の公式を満たすことを証明した。それにより2次変分をもつ決定論的なパスによる伊藤積分の理論が展開できるようになり、特にファイナンスへの応用の観点から近年研究が盛んになっている。

本講演では、無限次元伊藤–Föllmer解析の枠組みにおける積分方程式について考える。加法的ノイズを持つ線形積分方程式に関する解の存在と一意性や、解が2次変分を持つための十分条件などの結果を与える。また、上記結果の応用として、債券の期間構造モデルについて伊藤–Föllmer解析の観点から論じる。