夜空に天体望遠鏡を向けはじめてから数百年、私たちが生きるこの宇宙の姿は徐々に明らかになってきました。特に近年、国立天文台すばる望遠鏡をはじめとした大型望遠鏡や、国際協力で運用している宇宙望遠鏡によって、次々と新たな発見がなされています。第一線で活躍している天文学者が大分に集結することに合わせ、著名な研究者を招いて一般講演会を開催します。”今”明らかになっている宇宙像をわかりやすくご紹介します。
本講演会は、別府で開催される国際会議「The Second SUPER-IRNET Workshop: Sparkling Our Collaboration at the Cosmic Gate 」のPublic Talk Eventです。
国立天文台ハワイ観測所・准教授
大分県出身
【概要】
「宇宙」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?謎とロマンにあふれたミステリアスな世界?星や銀河の輝く美しい世界?それともダークマターやブラックホールが支配する暗黒の世界…?誰もが宇宙は果てしなく大きな存在であることは分かっていても、そのサイズ感をすぐにイメージできる人はなかなかいません。本講演では、大分県出身の天文学者が、最新の研究成果も交えながら、星とは何か?銀河とは何か?そして、私たちの住む宇宙はどんな構造をしているのか?を分かりやすく解説します。そして、ハワイ島マウナケアのすばる望遠鏡で開発が進む、最新の観測技術についても紹介します。
NASAジェット推進研究所・Senior Research Scientist(シニア・リサーチ・サイエンティスト)
【概要】
All the material we can see is just a small fraction of the universe. The rest, a full 95 percent, is invisible and mysterious. These are the enigmatic dark matter and dark energy. While dark matter keeps things like galaxies together, dark energy acts in an opposite way – it pushes groups of galaxies apart and expands the universe itself. I will discuss how astronomers are working to map the universe’s dark matter so they can see the effects of dark energy. The will help us understand the ultimate fate of the universe.
宇宙の中で私達が見ることができる物質はほんの少しだけです。それら以外は宇宙の95パーセントを締めており、不可視かつ不思議なものであるダークマターやダークエネルギーとして知られています。ダークマターは銀河同士をまとめるものである一方、ダークエネルギーは銀河同士を引き離し宇宙の膨張を司るものです。この講演では、ダークエネルギーの影響を見るために天文学者がどのように宇宙の中のダークマター分布を調べているかを紹介します。宇宙の運命を考えてみましょう。
※英語での講演のため、同時に日本語で通訳・解説を行います。
【通訳・解説】宮武 広直 氏(名古屋大学)
国立天文台・副台長
【概要】
私たちの世界は様々な元素に満ち満ちています。私たちの生命に不可欠な元素(酸素、炭素、窒素など)は、そのほとんどが、最も単純な元素である水素から、星(恒星)の内部で核融合によって作られたものです。しかし、金・銀・プラチナに代表される鉄より重い元素は、核融合で合成することができず、普通の星では作れません。これらの貴金属は宇宙のどこでどうやって生まれたのでしょうか。現代天文学は、宇宙の謎の天体であるブラックホールが、そのカギを握っていることを明らかにしてきました。本講演では、皆さんの身近にある(?)金銀プラチナとブラックホールの意外な関係について、お話したいと思います。
7月15日までの事前登録者には、記念品をプレゼント!
登録無しでも当日参加可能です。大会議室前の受付に直接お越しください。なお、事前登録で満員になった場合、当日受付は行いませんのでご留意ください。
大分大学理工学部(担当:小西)
TEL: 097-554-7336
E-MAIL: mkonishi [at] oita-u.ac.jp(迷惑メール防止のため@を[at]と表記しています)