OHNUMA'S COFFEEは1997年の創業以来直火焙煎とネルドリップ珈琲でお店の味を構築して参りました。THIRD WAVEやSPECIALTY COFFEEが席巻する昨今においても基本は変わりません。豆に極力負荷を与えず、豆の細胞壁を壊さないよう、低温長時間焙煎を施しております。抽出はネルドリップとプレスコーヒーそして４月より新たに始めるエスプレッソの３通りです。いづれもペーパーレスで豆の成分をダイレクトに味わえるスタイルです。特に口に含んだ瞬間の馥郁たる感触が当店の珈琲の特徴かと存じます。

私がコーヒーの勉強を始めた80年後半頃、コーヒーの先達諸氏から「最近の豆は個性がない」と嘆きのような呟きをよく耳にしました。あれから数十年、没個性の時代になりました。前世紀は大量生産と気候変動のネガティブ要因で、近年はバイオテクノロジーの進化が齎す、品種改良と精製工程の技術革新と言うポジティブ要因が起因しています。産地特有の風味特性が曖昧になったと言う点ではマイナス要素かも知れません。シングル・オリジンは国名、地区表記だけでは意味を成しません。生産者さんが、何の品種をどのようなプロセスで加工したか、明示する必要があります。産地のテロワールを如実に反映したオリジンをご提供するのが難しい時代になりました。シングル・オリジンとして、お客様に感動を与えるような、素晴らしく美味しい珈琲をご提供できるように努めております。

当店のブレンドコーヒーはこのようなシングル・オリジンを複数種を配合し創作します。まず、こう言う味、香りにしたいをイメージし、試行錯誤を重ねる訳です。シングル・オリジンとの相違点は定番商品として常時同じ香味にする（極力）ことです。そこにブレンドコーヒーの真価がございます。また同じエリアのオリジンを複数重複することで特定エリアの香味を強調することができ、地域独自の風味特性を表現できます。使用するシングル・オリジンも調和を乱さず、焙煎の自由度のある在来種が重宝しております。

販売する全てのブレンド、シングル・オリジンが店内でお召し上がりいただけます。豆購入の参考にしてほしいと言う思いからです。BGMは、長年収集したCDコレクションの内、厳選したクラシック音楽をハイレゾ音源でお楽しみいただけます。テーブル数は４テーブル、座席数は１６席、全席禁煙です。立夏から立冬の節には、麗しく、慎ましく、可憐で馨しい薔薇の花々がお客様をお迎えします。駐車場は６台分ご用意しておりますが、極力相乗りでのご来店をお願いしております。閑静な住宅地に立地しております。お車でお越しの際はご配慮お願いいたします。