国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の撤去・廃止に反対する声明
問題のあらましと私たちが考えていること
Interim Translation of the NWENET Official Statement in English
国立女性教育会館は、本館を除く研修施設、宿泊施設等が、来年度以降、撤去され消滅する危機にあります。施設=建物が壊されたら取り返しがつきません。この計画は政府の男女共同参画推進の「機能強化」の名の下で進行し、来年にも法案が提出されようという局面です。
国立女性教育会館(ヌエック)は女性教育の振興を目的に研修、交流、情報、調査研究などの機能をもつ国内唯一の施設として 1977 年、埼玉県嵐山町に設立されました。定員約 350 人の宿泊棟、1500 人が利用できる研修棟があり、国際会議対応の大会議室、貴重な女性アーカイブセンターや図書資料約 15 万冊の女性教育情報センター等を擁する価値ある施設です。
ヌエックの各種事業の中でも男女共同参画推進フォーラム等の開催を通じては、全国から地域の女性団体・研究者を含む市民が多数参加、自主講座を運営したり、活動成果を報告し交流し合い、豊富な実績を重ねています。宿泊・対面ならではの生き生きした意見交換・情報交流等が女性をエンパワーし、連帯感を生み、全国各地で活動する女性たちやネットワークを育ててきました。こうしたかけがえのない機能を担ってきたのがこれまでのヌエックだったのです。
しかし、年々ヌエックの予算削減が続く中、2024 年7月 30 日、内閣府・文部科学省・ヌエックは、「独立行政法人国立女性教育会館の機能強化による男女共同参画の中核的組織の整備に向けて」を公表し「機能強化」を強調、施設中心から機能中心への転換として、オンライン研修等を示唆し、一方、「老朽化した宿泊棟、研修棟、体育施設等の施設については、令和 12 年度までを目途に撤去すべく、新法人設立後速やかに関連工事に着手」を目指すとしました。
既にヌエックのホームページでは来年 4 月 1 日以降の宿泊施設の利用提供は行わない旨が掲示されています。つまり、ヌエックならではの全国規模の女性たちの対面交流・繋がり作り、宿泊研修の場が失われるということです。施設廃止は、事実上の機能廃止です。
これまで各地で男女共同参画関連施設が縮小、後退、閉鎖に追い込まれています。この度のヌエックの研修棟・宿泊棟閉鎖の計画はこの動きに拍車をかけるモデルにもなりかねません。
女性、性的マイノリティ、車いすユーザーなどを含む、多様な人々が安心して学習・宿泊できる貴重な施設として、ヌエックは今の日本では必要です。災害時の避難・救援拠点、女性支援新法への対応などヌエックの今後の利活用に目を向けてよいのではないでしょうか。安全・安心な環境での宿泊学習の場がなくなることに既に女性利用者からも不安の声が上がっています。
一方、ヌエックの研修棟・宿泊棟の撤去・廃止という重大問題は広く周知されておらずジェンダー・女性学研究者、女性団体の間ですら「初耳」という声が少なくありません。多くの利用者・潜在的利用者の声を聞かずに進められてきたこの計画に対し私たちは危惧を覚えます。
私たちは内閣府・文部科学省・国立女性教育会館に対し、ヌエックの研修棟・宿泊棟の存続・更新を求めます。
【ヌエネットスタッフ】〇は連絡担当
〇西山千恵子 〇瀧章次 吉田恵子 瀧さをり 杉山碧 松井奈穂 橋本弥寿子
さねふじ政子 酒本絵梨子
連絡先:nwenet.forum*gmail.com(*を@に変換)
連絡担当:西山千恵子 瀧章次