ヌートリア

に関する誤解と正解

ヌートリアに関して、誤解や理解不足の報道が大手メディアでも為されているのが散見されます。

この際、これらの誤りを正したいと思いこのサイトを作成しました。

2017年秋・日本ヌートリア交流協会

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Q:  ヌートリアとはどんな動物ですか?

A:  ヌートリアは南米産のげっ歯類です、体長は成獣で60cm程になり、長い尻尾を含めると場合によっては1mに達する事もあります。

性格は比較的温和で、植物を食し、通年で繁殖出来る場合が多いです、日本では主に西日本に生息している様です。

Q:  ヌートリアは巣穴を掘って堤防を決壊させますか?

A:  ヌートリアが巣穴を掘る、と言う議論は以前からありますが、完全に誤りです。

イタリアで研究されましたが、ヌートリアが巣穴を掘る例は観察されませんでした、たまに石組みの隙間や自然発生した短い洞窟状の箇所に住み着く例はありましたが、長期に利用はせず、休憩場所程度の利用だったと報告されています。

筆者もヌートリアの巣作りを観察したことがありますが、萱などの枯れ枝を集めて池の中洲に拵えていて、一見大型の水鳥の巣の様でした。

下記のビデオをご覧になられても判りますが、これを巣穴と言うのは如何にも無理筋です、このまま、この巣で出産と子育てをしていました。

Q:   それでは、ヌートリアは姫路城の石垣を崩す、と言うのは嘘ですか?

A:   はい科学的に検証された話では無いと考えられます。

大阪城の北外堀にはヌートリアが生息していますが、大阪城が落城したと言う話は未だ聞いていません。

ヌートリアが城の石垣を崩す、とか言う荒唐無稽な説を立てた姫路城の管理当局は、世界中に恥を晒してしまいました。

Q:   自宅でヌートリアを飼いたいですが、飼えますか?

A:  絶対に無理、と言う訳ではありませんが、相当困難だと思われます。

特定外来生物に指定されている為、農政局長の許可が必要です、天王寺動物園でも飼育していますが、ちゃんと許可書が掲示されていて、概ね5年で更新が必要な様です。

天王寺動物園のヌートリア飼育許可書

Q:   そこを何とかヌートリアを飼って見たいですが・・・・

A:  はい、以前当協会に自宅でヌートリアを飼育された方が写真を送って下さったので、ブログに掲載しました、その当時でも、キッチリ許可書を発行してもらい、マイクロチップを埋め込んで飼育したそうです。

当時の記事URL   https://japan-coypu.blogspot.jp/2013/03/blog-post_21.html

他にイタリアの例URL  https://japan-coypu.blogspot.jp/2011/10/cillo.html

Q:   ヌートリアは病原菌を撒き散らしますか?キツネのエキノコックス の様な

A:   2010年にイタリアの獣医学疫学研究所がヌートリアに関して調査したそうです、ごく一部のヌートリアでレプトスピラ症の菌が検出されましたが、その比率は通常の野生動物となんら変わらず、ヌートリアが特定の病原菌を撒き散らす、と言う様な事は科学的に否定されています。

Q:   ヌートリアはイタセンパラを絶滅させますか?

A:  イタセンパラは下記の淡水魚です、この話題は2011年1月21日MBS「VOICE」で放送されたました。

実は、私もこの番組には出演してました、事前に我が家に、清水アナウンサーとスタッフが来られインタビューを収録しました。

収録の様子 URL   https://japan-coypu.blogspot.jp/2011/01/mbs4ch.html

放送の様子 URL   https://japan-coypu.blogspot.jp/2011/01/mbs4chvoice.html

さて、イタセンパラですが、ヌートリアがイタセンパラを襲うと言う話ではなく、イタセンパラが産卵に使うイシガイをヌートリアが食べてしまう、と言うお話です。

もうご説明の通り、ヌートリアは菜食動物です、消化器系は植物の消化用に調整されていて、どかどか肉を食べる事は出来ません、例え貝を少々ほじくり返しても、その数は高々知れています。

そして、重要な事は、イタセンパラが最初に淀川水系から絶滅した時、ヌートリアは未だ淀川水系では確認されていませんでした、直接の原因は水質の悪化です、自然の敵は常に人類なのです。

昨今淀川水系にイタセンパラが復活したのは、水質が改善されたからだと言う事は自明の理です、ヌートリアが生息するほど水質が良くなった、と喜んで然るべきです。

Q:   ヌートリアは、農産物を食い荒らしますか

A:   場合によっては、はいです。

ヌートリアは野生動物ですから、農家さんが田畑で生産している植物と、池の畔に生えてる植物と区別がつきません、従って気付かず失敬する場合もあります、しかし、これはヌートリア固有の問題ではなく、野生動物全てに当てはまる事です。

下記の表を御覧下さい、少し古くて恐縮ですが野生動物の被害の状況が判ります。

表を見れば一目瞭然、ヌートリアの被害は、カラスの被害金額の5%以下です、大御所のイノシシとシカの合計の1.1%しかありません。

少しでも被害がある、と言われればそれまでですが、数字は正直です、これを無視してヌートリアさえ駆除したら被害がなくなると言うのは、まやかしだと理解できます。

Q:   ヌートリアは人を襲って噛みつきますか?

A:   私はヌートリアに関心があるので、常にニュースや書き込みに注意していますが、ヌートリアが人を襲ったと言う話を聞いた事がありません。

昨今、クマがどうした、イノシシがこうした、と言うニュースが多くメデイアを賑わせますが、ヌートリアがと言うニュースは見聞きした事がありません、ヌートリアは菜食で温和な性格ですから、わざわざ人を襲う事は無いと思います。

しかし、野生動物ですから、子育て中や、身の危険を感じたら威嚇してくる事はあると思います、そうすると爪と歯は結構立派ですから接触事故は発生するかも知れません。

Q:   ヌートリアは鳴きますか?

A:   はい、鳴きます、論より証拠ビデオを御覧下さい。

私は、何となく、ヌートリアは、怒ったり不機嫌だったりすると、鳴く様な雰囲気を感じます。 

Q:   ヌートリアは利口ですか?

A:    はい、相当お利口さんです、ビデオを御覧下さい、自分で勝手にドアを開けて出入りします(1:20あたりから)

以上、不十分ですが、ヌートリアに関する質問に答えてみました、適時更新追加したいと思っています