「荼毘、やめろ!」
路地裏で強い〝個性〟を見せびらかしていた薪を燃やそうとしていたところでした。突如、ヒーローたちが駆け込んできたのです。
「助けて! 殺される!」
先ほどまで威張っていた薪は、必死な顔でヒーローたちのもとへ走ってゆきました。ヒーローたちは〝水〟の個性の持ち主ばかりで、辺りに広がっていた蒼炎へ水を噴射し、あっという間に鎮火してしまいました。
囲まれた荼毘はとっさに自分を燃やそうとしましたが、〝蒼炎〟がうまく燃え上がりません。身体の熱が上がりすぎたのです。
「クソ、結局俺はどこまでいっても失敗作か……」
荼毘は目を閉じました。ヒーローたちがすぐさま駆け寄り、彼の身柄を確保しました。焼け爛れた腕からは、いまだ白煙がしゅうしゅうと音を立てて全身から立ち上っていました。
あなたは仲間をスカウトできず、荼毘を助けられませんでした。