(2021年公開)
監督 土井裕泰
作品紹介
「売れ残った花束は廃棄されるし、相性の悪い花は捨てられたり、綺麗でも間引きながら、良いもの同士だけをまとめてく。花束は実は選民思想、優生学のそれを体現している」と言いながら、カップルを花束に見たってて惨殺していくスラッシャームービーではない(残念ながらおはy)。
終電を逃したことから偶然に出会った山音麦と八谷絹。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。
ストーリー的にはどこにでもある話である一方部分部分で、共感せざる得ない様な場面が挿入される。
「こいつらイタイナ(笑)」と思う会話もあるが、一方で自分もこんなイタイこと言っていたかも。。。
と自分の経験とリンクさせられ、強制的に追体験させられる。
おそらくこれが共感性の高い部分だと考えられます。
一方で、具体的に言えば「文化人」と言うには、ちょっと浅い気がするし、「オタク」というにも軽い気がする。その浅さ、軽さがキャラクターの浅さと軽さが直結しているとも取れる。
しかし、実際のところ今回の文化的なものは、観客各々に置き換え可能な「カフェ巡りが好き」とか、「ラーメンが好き」とか、そういうものを映画用に誇大化しただけであって、文化的なものになにか特別な意味はないと思えます。
ラストのファミレス会話シーンは必見。
付き合いたてのカップルとか、失恋直後の人にはおすすめ出来ないけど、交際して数年が経っている人が一人で見るのがおすすめです。