(1983年公開)
監督 ジャッキー・チェン
作品紹介
格闘映画の頂点におそらくブルース・リーという偉大な存在がいる。彼が映画業界、格闘業界にディープインパクトを与えたのは改めていう必要がないほどに。
オリジネーターというに相応しい人物であり、格闘映画を固唾を飲み、正座し姿勢を正して観る物にした。
では格闘映画を「娯楽」にしたのは誰だ。
そうだジャッキー・チェンだ!!!
ブルース・リーの超絶カッケー格闘技から、格好良さを残しつつ映画的に娯楽に昇華させ、プラスアルファ「スタントアクション」を取り入れることで映画的な「面白さ」を追加することに成功した。
格闘技とスタントアクションのハーモニーが素晴らしい本作。
作品の素晴らしさと、ジャッキーの素晴らしさを少しでも伝えられたらと思う次。
ジャッキーがハリウッド進出に失敗し、失意の中スピルバーグとルーカスの「レイダース」に多大な影響を受け「自分の好きなもの詰め合わせ」作品となっている。
本作の魅力を語る上で重要なのは大きく3点あると考える。
1.明快なストーリー
2.ほどよいギャグ
3.アクション
まず1点目。小学生が見ても分かる明快なストーリーである。
どんなストーリーか。
海上警察のジャッキーが海賊退治する。以上。
詳しく話そうと思えばいくらでも話せるが、そのような説明的なストーリー解説が必要な作品ではない。
ライバルとのすったもんだ、旧友とのすったもんだなどもあるが、海賊打倒のため奮闘する物語となっている。
そして二つ目。ストーリーの腰を折らない程度のギャグ満載。
非常にコメディセンスも高い作品でありながら、下ネタなどがなく、家族で観ても気まずくならない。
随所にこちらをクスクスさせてくれるキャスト陣のやり取りが上手く取り入れられている。
裏を返せばアクションの為のアクション映画に、ギャグを入れようとするとストーリーが破綻する恐れがある。
つまりシラけてしまう恐れがある。
「さっきまで殴り合っていたのになに言ってんだ?」と。しかし本作ではギャグが入っててもシラけない。
なぜならば、ストーリーがかなりシンプルであり、強固であると言える。
シンプルなストーリーとほど良いギャグの掛け算が成立している。
3つ目のアクションは言わずもがな。
この映画の中で、ジャッキーなんと、頸椎をやっている。そう、あのシーンで。
本作未鑑賞の方でも、あのシーンだけは知っているという方もいると思う。
プラスアルファ、ジャッキー映画最強と名高い、敵役。海賊の親玉との格闘シーンも素晴らしい。
本作のジャッキー以外に、当時人気だった香港スターサモ・ハン・キンポーとユン・ピョウが集まった作品でもあり、そして、そんなスターが三人がかりで倒す敵がこの海賊の親玉。三位一体攻撃が至高で最高。
これらの三要素から「絶対面白い映画」ができている。
ジャッキーの「自分の好きなもの詰め合わせ」が、ファンからもジャッキー映画最高傑作とも名高い作品を是非堪能頂きたい。