移動ロボットは多様なアプリケーションにおいて使用され、特に過酷な環境での運用が期待されています。しかし、こうした環境では、ロボットは落下や障害物との衝突などによる機械的衝撃にさらされるリスクが高く、これが原因でロボットの機能喪失や、周囲の環境に損傷を与える可能性があります。従来の方法では、物理モデルを用いてこれらのリスクを予測することが試みられてきましたが、計算コストが高く、リアルタイム性に欠けるという課題がありました。近年、DNNが建設現場での人間と機械の衝突予測に利用されているように、リアルタイムのリスク評価を実現する技術として注目されています。本研究では、このDNNの能力を活用して、移動ロボットの加速度予測システムを構築し、リアルタイムでの衝撃予測と回避行動を可能にすることを目指します。
本研究では、DNNを用いて移動ロボットに加わる可能性のある加速度を事前に予測するシステムを提案しました。深度カメラから得られた3次元点群を2次元に変換した鳥瞰図、加速度、車両速度をDNNの入力として使用し、次の数秒間に発生する最大加速度を予測します。評価のために、深度カメラとIMU(慣性計測ユニット)を搭載したロボットを使用して、さまざまな道路条件下でデータを収集しました。結果として、システムは1秒先の加速度の大きさを高精度かつ高速に予測できることが示されました。
この事業は、競輪の補助を受けて実施しました。
実験用のロボット
ネットワーク構成