高橋 和代

調布市立第七中学校

神奈川県出身。夫、大学生の娘と息子の4人家族。東京都の中学校で理科講師として勤務中。歳を重ねるごとに理科好きに拍車がかかり、ついに興味は南極へ。今まで知らなかった世界の扉を、ぜひご一緒に開きましょう!

新井 啓太

相模女子大学高等部

福岡県生まれ、神奈川県育ち。2006年に東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。翌年から相模女子大学中学部・高等部に勤務。美術教科とメディア情報部主任を担当。2人の息子と一緒に参加した南極中継と千葉セクション見学がきっかけとなり、教員派遣の応募を決意した。

【2018.12.11】

午後のスケジュールの合間を見つけて甲板へ出ました。晴れていれば、凍てつく南極海の空気の中でも、皮膚に力強いぬくもりが届きます。お日さまは偉大です。

そのときの海は、今まで見たことのない穏やかさ。群青の水がとろりとろりと黒曜石のように滑らかに光り、わきたつ雲を映します。しらせの乗員の方も、珍しいと語るほどでした。

海に広く視野をとり、クジラの潮吹きがつくった霧を競って探し、フルマカモメやアホウドリの名前を教え合いながら海と空の境を目で追います。過ぎてきた方角にある雲から灰色の柱が海に向かって伸びているのを指し、あの場所に雪が降っているのだと教えてくれる仲間。こんなしらせの旅も後半戦です。

「JARE60 PHOTO ALBUM」にも日々の写真をアップしています。ご覧ください!

観測隊は夏期間、ヘリコプターを使っての野外行動があります。ヘリコプターに迎えに来てもらう際、居場所の風向きや風の強さを知らせるため、航空火工品を使用します。写真は使用の訓練を行っている様子です。

【2018.12.09】

ソフトクリームの日!

しらせでの一日はバランスのとれた朝食に始まり、品数も多く工夫を凝らしたおいしい昼食、国際色豊かなメニューの夕食と、お食事は毎回とても豪華!そして、6時15分、11時半、17時半とあまり時間を空けずに食事タイムが来ます。座学が多いし体を動かすにも限られたスペースだというのに、・・・なぜかおなかは順調にすきます!おいしいおいしい!

さらに昨日からの3日間、昼と夜に1日2回のソフトクリームタイムが!

昨日はバニラ、今日はストロベリー。自衛官の方が作ってくださるソフトクリームを手に、ニコニコ笑顔で歩いています。おなか一杯でも、船が揺れても・・・別腹なんですね~。

【2018.12.08】

さて、観測隊がオーストラリアを出国してから、はやくも一週間あまりが過ぎてしまいました。

ここまでの髙橋の生活の中心は、12月2日より毎朝6:30から始まる海洋観測でした。5日間、東経110°ラインに沿って南下し、緯度5°ごとに5地点で船を止めて、研究のための海水を採ったり、その場所に生きる小さなプランクトンを採集したり、海水そのものを調べてデータを取ったりするのです。

海洋観測についてシロウトの自分が、なぜお手伝いさせていただけたのか。それは海の小さないきものを観察したい!とお願いしたことがきっかけです。

水の中の小さないきものといえば、アオミドロとかミカヅキモとかゾウリムシ、ミジンコ、ミドリムシ・・・小中学校理科ではおなじみです。でも、これらはみんな池や田んぼの水に生きる小さな生き物。わたしたちは海の魚を食べて暮らしているし、海に囲まれた国に住んでいるのに、理科では海のことには少々縁遠いようです。でも、自分が南極の環境を勉強してみたら、ますます海に住む小さな生き物の存在は欠かせない!だったらこの目でたくさん見て、その様子をみなさんにお伝えしたいと思ったのです。

ところが、実際の海洋観測のお手伝いは、私が今まで知ることのなかった魅惑の世界でした。


海面近くの水を採るのは、バケツを振り投げ、長いロープを手繰り寄せる職人技です。クリオネやナンキョクオキアミゲットの可能性がある唯一の作業でしたが、残念、そうやすやすとは入ってくれません。


CTD・採水システムは、ほしい水深の海水を採るのと同時に海中の水温・塩分を連続して計ることができる機器です。担当の隊員が一斉に群がり作業をする場には、心地よい緊張感が流れます。

こちらは、海水中の植物プランクトンを大きさで分けているようすです。フィルターに集められたものから葉緑素の量を測定して、植物プランクトンの量がわかります。海水が吸い込まれる瞬間、夜光虫のほのかな青い光が見えることもありました!

海水にどれだけ酸素が溶けているのかを調べるお手伝いもさせていただきました。水深によって、溶けている酸素の量が違うのです!それが色の違いで目に見えてわかるのはとても楽しいのですが、正確に調べるには細心の注意と熟練の技術が必要です。目を凝らしてやっと見つかるほどの小さな泡ひとつでも、入ってしまったらやり直しになります。

連日、見学の隊員で人垣ができていたのは、ノルパックネットという、人が採れそうなほど口の大きな網です。この地点の鉛直方向に何が生きているのかを知ることができるので、小さな生き物がつまったボトルに興味津々!エメラルドグリーンの海の日は、とろろ昆布のように緑色のものがどっさり採れ、コバルトブルーの海の日は、桃色の甲殻類がさわさわと揺らめきます。海の見た目と、その中に生きるものがつながっているのを直に感じるときです。これらは、帰国後に極地研の専門家が種類や量について詳しく調べていきます。

観測のかたわらで少し採集したサンプルから、顕微鏡で撮影した写真や動画を残します。万華鏡をのぞくようなドキドキ感に、しばらく釘付けです。

第60次南極地域観測隊 教員派遣

髙橋 和代

【2018.12.07 ごあいさつ】

みなさま、はじめまして。60次隊教員派遣として観測隊に同行させていただいている、髙橋和代です。このブログでは新井啓太さんと共に、時にはそれぞれの見たものを書き留めたり、時には二人で語り合ったりしながらお伝えしていきたいと考えています。

ここ観測隊には様々なサイエンスの専門家が目白押し、設営部門には日本の技術の粋が一堂に集まっています。南極の自然とともに、観測隊員とのぜいたくな時間をみなさまに共有していただけるようなページにしたいと思っています。よろしくお付き合いください。

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HPを担当している新井啓太です。ご挨拶が遅くなりました。

2人の息子と極地研の方の講演を聞いたことがきっかけで南極へ強い興味を持つようになりました。子ども以上に大人がハマってしまったという典型的な流れで、気がつけば今、同行者として南極観測船の中にいます。教員派遣の一番のミッションは南極授業ですが、4ヶ月の派遣期間で届けられる情報を増やすために、出国前に慌ただしくも教員南極派遣プログラムHPを構築させてもらいました。

現在、南極大陸に近づき、南緯60度のラインを西へ進んでいます。文明圏から離れたことでネット環境はありませんが、極地研の頼もしいサポートを受けながら写真や記事を更新しています。不定期ながら、「ここ」にいないと伝えられない情報を集めていく予定です。お時間がある時に、何か増えたかな?とブログやアルバムのページへアクセスしてもらえると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

「JARE60 PHOTO ALBUM」に「しらせ」からの景色を更新しています!360°ビューでご覧いただけますので、ぜひ覗いてみてください。

12月1日「しらせ」からの景色

【2018.11.30 いざ、暴風圏へ】

11月26日、フリーマントル 港で第60次南極地域観測隊は南極観測船しらせに乗り込みました。陸地での最終準備は4日間。ここから先は、一切の補給ができません。夏のパースで爽やかに働く隊員の様子を、後日「JARE60 PHOTO ALBUM」へアップ予定です。

万全の準備が整い、南大洋の船旅がスタートです。

11/30(金)現地時間AM10時に、南極観測船しらせはフリーマントル 港を出航しました。
観測機器の設置や部門ごとのミーティングが進んでいます。写真は大気を調べるためのパイプを外から機器へつなぐ様子。
日本人会忘年会、日本人学校の子どもたちとの交流、艦上レセプション。豪州からも応援と期待の声が集まっています。
観測隊員は各分野のプロ集団。隊員、同行者、しらせ乗組員で交流を深めながら仕事を開始。集団生活の始まりです。
ブリスベンを経由し、パースに到着。しらせ乗組員からの歓迎を受け、南極観測船しらせに乗艦しました。

【2018.11.25 成田空港からオーストラリアへ!】

いよいよ、出発の日を迎えることになりました!

南極派遣が決まってからの約半年は、多くの出会いがあり、訓練や打ち合わせなどを通して南極について学ぶ機会に溢れていました。こちらのページでは、第60次南極地域観測隊の活動に密着して、現地報告をお届けします。教員派遣2名の目線で、南極や観測隊の魅力を発信します!