国立天文台研究集会
(サブ)ミリ波単一鏡の革新で挑む, 天文学の未解決問題

2021/3/29-31




*旧名称「2020年代の(サブ)ミリ波単一鏡サイエンスの展望:地上大型サブミリ波単一鏡がほしい」

研究集会は, Zoomを利用したオンライン開催です.

事前参加登録は必要ありません.

プログラムを更新しました (3月18日).

講演スライドを公開しました (4月8日)

講演なしでご参加のみの場合, 参加登録は必要ありません。Zoom接続先は, tennetなど通じ広くお知らせします.

世話人
古屋 玲 (責任者; 徳島大学), 河野 孝太郎, 土井 靖生 (東京大学), 竹川 俊也 (神奈川大学), 田村 陽一 (名古屋大学), 中井 直正, 瀬田 益道 (関西学院大学), 前澤 裕之 (大阪府立大学), 大薮 進喜 (徳島大学), 松村 雅文 (香川大学), 川端 弘治 (広島大学), 塚本 祐介 (鹿児島大学), 遠藤 光 (デルフト工科大学), 長谷川 哲夫, 富阪 幸治, 川邊 良平, 立松 健一, 本間 希樹, 岩崎 一成, 井上茂樹 (国立天文台)

質問・問い合わせ

ngsts_at_googlegroups.com
こちらのメールアドレスにお願いいたします。[ _at_を@に変更してください]

過去のお知らせ

  1. プログラムが決まりました. 2件の講演は英語ですが, 他は日本語です. 第3報で延長の可能性をお知らせしましたが, 4月1日の開催はございません. ご協力をどうもありがとうございました.

  2. 講演なしでのご参加の場合, 申し込みは不要です.

多彩な背景を持つ, 皆さんによる議論が本質的に重要と私たちは考えます. このため参加者の事前登録は行わず, 今後のご案内もメ ーリングリスト及び本ページにて行います.

  1. zoom接続先は, 第5報にて3月26日(金)にtennetなどへ配信いたします.

開催趣旨と研究会の概要

【狙い】

新たなサイエンスの展望を議論し, 地上大型サブミリ波単一鏡の実現を加速させる.


【背景と具体的な目標】

今, 私たちは歴史の転換点にいる. 国内外で地上大型ミリ波サブミリ波単一電波望遠鏡(以下, サブミリ波単一鏡あるいは単一鏡)の建設や計画の具体化が急速に進む一方, 2022年3月, 野辺山45m電波望遠鏡の共同利用終了が見込まれている. 単一鏡を用いた研究を俯瞰すると,黎明期にはそれ自身による発見がひとつの研究分野を成した. 2010年代に入ると, ALMAの成果が次々と出版され始めたが, 衛星望遠鏡は均質性の高い超広域多波長連続波データを公開し始めた. その結果, 単一鏡は, 科学的存在意義を改めて問われるようになった. そこで見出された活路は, (i) 観測装置と観測手法の革新と(ii)比較的余裕のある望遠鏡時間を活かした研究の展開であった.

野辺山45m鏡やASTEを例にとれば, 受信機群の2SB化, マルチビーム化, On-The-Flyマッピング法の実装やDESHIMAの発明などが(i)の好例である.これら「焦点面装置と手法の革新」は, 他と一線を画す研究を可能ならしめた.「余裕のある望遠鏡時間」は, 大規模サーベイ, 迅速な突発天体観測など, 柔軟なスケジューリングを要する研究, モニターを要するタイムドメイン・サイエンスを開拓した. 単一鏡にとって, 2010年代はALMAや衛星(「あかり」, Herschel, Planck等), 気球や航空機搭載望遠鏡(BLAST, SOFIA等)との競合とシナジーを強く意識した時代でもあった. 衛星+地上単一鏡+ALMAの連携によって, 多様なガス相を研究でき, ALMAではカバーできないパラメーター・スペースに斬り込めるからである.

カントやラプラスの時代に実証科学の対象として昇華せしめられた, 太陽系の起源に関わる問いは, 今, 一定の答えを得た. では, 次に問うべき根源的な問いは何か? 高度に細分化された現代の科学研究においてそれを設定するために, 個々の研究者が挑むべき課題は具体的に何であろうか. 単一鏡による研究は, 21世紀前半に再び黄金時代を迎えると私たちは確信する. その論拠として, 研究コミュニティが本質的に持つ多様性を挙げたい.

 個々の研究者は, それぞれの問題意識のもと研究を進めている. 個々の研究者が使う望遠鏡もさまざまであり, その結果, 望遠鏡ごとにそれぞれにコミュニティが発展してきた. 一方, それぞれの望遠鏡は予算的に競合関係であることも現実である. このような背景があるため, 研究者間で今後の研究の展望を共同で十分に行ってきたとは言いがたい. 自己重力と他の力の拮抗の物理は, 対象天体が異なっても普遍であり, 天体の構造形成や進化, 活動性や安定性の考察において, 着眼点は共通することが多い. つまり, 科学的検討を共同で十分に行えるはずである. そこで, 個々の研究者の視点を広げ, 多彩な議論を繋ぎ, 2020年代の(サブ)ミリ波単一鏡サイエンスを展望する研究会を開催する. 開催目的は次の3点に集約される.


(1) それぞれの研究分野における中長期的な課題に対する理解を共有する.

(2) それを踏まえ, 分野横断的に挑むべきであろう問いを考える.

(3) 技術開発の現状と展望を共有し, 2020年代における研究の方向性を考える.


以上を次世代大型サブミリ波単一鏡実現に向けた白書作成につなげる.


【日程】2021年3月29日(月)09:29から31日(水)18:45まで

【場所】Zoomによる, オンライン形式

【言語】日本語

【講演形式】すべての研究発表は口頭講演です. ポスターによる発表形式は設けません.