続・媚毒の宴
続・媚毒の宴
「媚毒の宴」のその後。
金欠で素材集めに行ったハンター♂が、例のエスピナスに再開してあれこれされる話。
いつも通り下品です。
「はぁ〜〜〜……」
よく晴れた空の下、とある男の深い深い溜め息。
ここはエルガドの加工屋。がっくりと肩を落としてそこを後にするのは、エルガドを拠点に狩猟や探索に勤しむ軽弩のハンターである。その顔は暗く、悲壮感すら漂う有り様で、あまりの落ち込みっぷりにゴメンね、とミネーレも声をかけるわけだが、ミネーレは何も悪くないわけで。
傀異化した素材を使った錬成がいつでも上手くいくとは限らないこと、というより大抵上手くいかないことは、ここエルガドでは周知の事実である。装飾品が幾つつけられるようになるか、どんなスキルが発動するか、全ては運次第。つまるところ、錬成が上手くいかないのはミネーレの腕の問題ではなく、単純に軽弩のハンターの運が悪いからである。が、それでも次は良いものができるかもしれない、という期待感は誰しも持ってしまうもの。ついつい金と琥珀に糸目をつけることを忘れ、後悔する者が後を絶たない。そういう話は常々耳にしていたので、自分は絶対にそうはからないぞ、節度をもって錬成するぞ、と思っていた軽弩のハンターであったが、今や財布はほぼ空である。金も、そして琥珀も限界までスッてしまった。もはや溜め息しか出ない。ただでさえ装備に弾薬に装飾品にと物入りだというのに、これでは先が思いやられる。そんなわけで一度宿舎の部屋に戻り、アイテムボックスの中に何か売れそうなものは残っていないかと探してみるが、僅かばかりの鉱石と大した金にならない小型モンスターの素材くらいで、これはいよいよ不味い。どうしたものかと途方に暮れていると、ちょうど狩猟に出ていた宿舎の同居人、鎚のハンターが帰ってきた。
「よう、ただいま」
「ああ、お帰り。その様子だと首尾が良かったらしいな」
言えば、鎚のハンターはそうなんだよ、と上機嫌だ。傀異化した大型モンスターを狩り、儲けた金と琥珀でついでに錬成もしてきたのだと言う。
「見ろよコレ! スロットがガッツリ増えたんだぜ!」
「へぇ〜」
「なんだよ、その地獄の使者みてえな声はよ……」
さては金も琥珀も完全に無駄にしたな? などと問われれば、実はそうなのだと応じる他なく。装備や弾薬を整えるどころか、当面の食費すら怪しいと明かすと、当然ながら呆れられてしまった。
「飯代ぐらいならオレがなんとかしてやるけどよ……」
「ありがたい申し出だが、流石にそこまで世話になるわけにはいかないよ」
ハンターというものは、必要なら協力し合うが、基本的には身一つで稼いで食っていくのが常識だ。とはいえ、金がなくて困ることに変わりはなく。早いところどうにかしなければ、と思案する軽弩のハンターなのであった。
◆
数日後、軽弩のハンター(以下、ハンター)は、密林の海辺に降り立っていた。手っ取り早くある程度の金を稼ぐ方法について本気で考えた結果、モンスターを狩るよりも鉱石や価値のある魚、そして特産品をしこたま集めて売り払った方がよいという結論に至ったのである。そんなわけでハンターは、鉱石学や薬草学でしっかりとスキルを固め、余計な荷物も持たず、最大限素材を持って帰ることができる状態で乗り込んできた。今金や琥珀が集まるとまた見境なくスッてしまいそうなので、このくらいがちょうど良い。
そんなわけでハンターは、地図を片手に採掘ポイントや特産品ポイントを回り、大量の素材を集めた。それが一段落したら、今度は釣りポイントで魚釣りだ。サシミウオもカクサンデメキンも、今は用はない。狙うは黄金魚と錦魚のみだ。今の密林には大型モンスターが暴れているという情報もなく、静かなせいかほとんど入れ食いの状態であった。これを全て納品し、鉱石なども雑貨屋で買い取ってもらえば、少なくとも相方に食費を無心するなんて情けないことはしなくてもよさそうだ。
「さて、と。そろそろいいか……、ん?」
魚籃いっぱいになるまで魚を釣り、鉱石でズッシリと重くなった袋も持ち、そろそろ一度キャンプに戻ろうかと思った時、バサバサと慌ただしい羽音を立てて鳥たちが頭上を飛んで行った。何やら、森の中が騒がしい。なんだろうと思っていると、洞窟の中からランポスが数頭も、ドタバタと飛び出してきた。その更に後ろからヌッと現れたのは、かなり体格の良さそうな雷狼竜ジンオウガである。
「いやいや……今日はそういう装備じゃあないぞ……」
今日の装備は、完全に採集と採掘と釣りしかする気がないハンターのそれだ。そもそも、今の密林にジンオウガが潜んでいるなんて聞いていない。ということは、騎士団も未把握のモンスターなのだろう。まあ、大型モンスターだからといってそこにいるだけで討伐対象になるということではなく、人や生態系に害がなければ放っておかれのであって……ならば、敵視される前にここから離れてしまえばいい、のだが。そーっと荷物を持ってエリア外に出て行こうとした時、背後から青白く光る何かが飛んできた。はた、と止まって見送るが、どうみてもジンオウガが放った雷光虫弾である。ちら、と視線だけで振り向けば、頭を低く下げ威嚇の姿勢を取るジンオウガ。そりゃそうだよなあ、と思いつつ走り出すハンターだったが、片手に魚でいっぱいの魚籃、片手に鉱石でいっぱいの袋ではどうにも。加えて、目が合った後に背を向けて走り出したのが不味かった。ジンオウガは、ほとんど条件反射でハンターを追いかけてくる。背を向けていても空気がピリつくのを感じ、本能で前に転がると、そこに着弾したのはダイナミックなお手である。武器も満足に出せない状態では避け続けるだけでスタミナ切れになってしまうが、そうかといって魚も鉱石も絶対に捨てたくない。何か隙を作る事ができる道具はなかったかと考えるが、あいにく今日は最低限のものしか持ち込んでいなかった。そもそも、両手が塞がっていてはポーチに手を入れることが叶わないのである。そこに、追加のお手。爪と脚はギリギリで回避できたが、衝撃までは回避できなかった。ハンターは手にした素材ごと吹っ飛ばされてしまう。
「うう……」
これはキツいのをもらってしまった。顔を上げると、ジリジリと近づいてくるジンオウガが見える。かなり不味い状況だが、すぐに動けそうにない。これはアイルータクシーの世話にならなければならないな、と半ば諦めて倒れたまま空へ目をやると。
「……ん?」
頭上を横切る、大きな影。大型の飛竜だ。ジンオウガ意外にも大型モンスターがいたとは、騎士団の調査も適当なものだなあ、とぼんやり思っていると、一度飛び去った飛竜は上空で旋回して戻ってきた。なんだなんだと思う間もなく、飛竜は一気に高度を下げてジンオウガに突っ込み、その逞しい足で蹴飛ばす。鮮やかな赤い棘が生えた巨大なサボテンのような身体───棘竜エスピナスだ。縄張りに入り込んだジンオウガを追い払うためか、不意打ちで隙ができたジンオウガに掴みかかる。ジンオウガも負けてはおらず、咆哮と共に電撃を放って応戦するが、エスピナスの厄介ブレスを浴びては麻痺を免れない。身動きが取れなくなったところに強烈な突進を追加でもらい、こりゃ堪らんとばかりに退散していった。
目の前で繰り広げるられた縄張り争いに気を取られていたハンターだが、ハッと我に帰る。このままここにいては、今度はエスピナスの標的になってしまうだろう。慌てて立ちあがり、エリアの外へ抜けようとするが、それに気づいたらしいエスピナスが突進で前に回り込んできた。ジンオウガとぶつかり合った時のまま、興奮して真っ赤な血管が浮かび上がった甲殻。牙の間から漏れる炎と、紫色の煙。万事休すである。こんなことなら、もう少し装備を整えて来ればよかったなあ、と後悔するハンターであったが、予想に反してエスピナスは突進もブレス攻撃もしてこない。のしのしとハンターににじり寄ってくると、
「……うわ⁉︎」
棘だらけの物騒な頭を、ハンターの腹辺りに擦りつけてきたのである。
「わわ、わ……ちょっ、」
ハンターは驚き、尻餅をついてしまう。エスピナスは、ハンターが座り込んだのを見てキョトンとしている。だがまたすぐに顔をハンターに擦りつけ始めた。なんなのだろう、このエスピナスは。とりあえず、棘で装備が毛羽立ちそうなので止めて欲しいのだが、止めてくれと言って通じるとも思えない。そも、この行動が謎過ぎる。しかし、クルルと可愛らしい音を喉から発している辺り、そんなはずはと思いつつも、どうも敵意らしきものは抱かれていない気がしてくる。そして思い至る。
このエスピナス、先日アレやコレやされた「あの」エスピナスなのでは、と。
瞬間、ハンターは立ち上がってエスピナスから距離を取った。前のような目に遭わされては堪らない。
「いや、その……この間は、眠っているところを邪魔して悪かったね。さっきも、ジンオウガを追い払ってくれて助かったよハハハ」
一歩、また一歩と距離を開ける。エスピナスはまたもキョトンとしていたが、少し頭を下げるとキュウ……と悲しげな声を発した。えっ、なんだそれは。どういう気持ちの声だ。困惑するハンターだったが、一歩下がった時に何か硬いものが踵にぶつかった。同時に、ジャリ、という音も。
「…………ああっ⁉︎」
それはジンオウガに吹っ飛ばされた時、手放してしまった魚籃と袋だった。鉱石は割れてバラバラ、魚も砂だらけ草だらけの無惨な姿である。これでは買い取りなど、望むべくもなく。
「はあぁ……集め直しか……」
項垂れるしかない。失意のまま袋に手を伸ばすと、足元にゴツンと何かが落ちた。見ればそれは、飛竜種のものと思われる鱗。色艶、形ともに美しく、価値の高い「厚鱗」に分類されそうである。
「グウ」
「えっ」
ハンターがしげしげと鱗を見詰めていると、エスピナスがヌッと顔を覗き込んできた。そう、この鱗は間違いなくエスピナスのものなのである。偶然だろうか。いや、それにしては。などとハンターが困惑していると、エスピナスは地面に落ちていた鱗を口に咥え、ほれ、とでも言うようにハンターに差し出してきたのである。
「えっ……く、くれるのか?」
問えば、何となく通じるものはあったのか、エスピナスはまた鱗を押しつけてくる。確かに、ちまちまと魚を釣ったり鉱石を掘ったりするより、こういうものを売った方が余程楽に良い金が稼げるだろう。なぜこのエスピナスがこんなことをするのかは知れないが、もらっておいて損はないのかもしれない。そんなわけでハンターは、差し出された鱗を止めるエスピナスから受け取った。それをポーチに仕舞おうとした、その時。
「ギャウッ!」
「ぬあっ……⁉︎ な、なんだ⁉︎ うわわ!」
エスピナスが鼻先をぐいぐいと押しつけてきたのである。毒棘だらけのその身体を手で押し退けるわけにもいかず、ハンターは押されるがまま、地面に倒されてしまう。エスピナスの奇行はそれにとどまらず、慌てるハンターのコートの首の辺りを咥えると、海岸の方へズルズルと引きずっていく。
「な、何を……ちょっ待ってくれ、まさか、」
その「まさか」である。エスピナスはハンターのコートを咥えたまま海沿い辺りまで出たかと思うと、その強靭な翼を力強く振り、空へと飛び立った。咥えられて宙ぶらりんのまま空へ連れて行かれたハンターは、それはもう焦った。
「うわあああちょっと待ってくれ! 何処に行く気なんだ⁉︎」
待て、降ろしてくれ、とジタバタしてみるが、揺れる足は当然ながら全く地面に着かず、それどころかかなりの高度の場所を飛んでいることに気づき、ハンターは抵抗をやめた。エスピナスの気が変わって放り出されてしまったら、墜落死確定だ。エスピナスは静かになったハンターを咥えたまま飛び、岩山の上の台地になっている場所へ着陸した。そこはちょっとした花畑になっていて、ヒトダマドリや蝶々たちが長閑に遊んでいる。が、エスピナスが来たと分かると一斉に逃げていく。ハンターは、静になった花畑の真ん中にペッと放り投げられた。
「ぐえッ」
そこにエスピナスが覆いかぶさるようにやってきて、目の前で牙だらけの口をガパリと開く。瞬間、食われる、と思ったハンターは後ずさったが、エスピナスは噛みつくでもブレスを吐くでもなく、ベロリとハンターの頬を舐めた。
「えっ……、うわっ」
更に続けて、頬をペロペロ。味見でもされているのだろうか。それにしては、なんだか。
「ま、待て、君は一体何がしたいんだ?」
訊いてみるが、通じるはずもなく。顔を唾液でベタベタにされながら混乱していると、エスピナスはどこからともなくもう一枚鱗を差し出してきた。やはり質がいい。思わず受け取ってしまうと、またベロリと舐められる。
「うわわ……」
手で制止しようにも、相手の身体がこうも棘だらけでは。しかし、もしや、と思うところもあり……素材をやるから味見をさせろ、とか、そんなところではないだろうか、と。そういえばこのエスピナス、前にアレやソレをされた時に天鱗を落としていったのだ。偶然かと思っていたが、今こうなっていることを思うと「そう」としか考えられなくなってきた。となると、このまま大人しくしていればもっと良い素材をくれるのでは───そこで、いやいやとハンターは首を振る。モンスター相手に身体を差し出して素材を得るなど。しかし、ハンターが鱗を受け取ったことでエスピナスはその気になっているのか、次第にハンターの頬をだけでなく鼻や瞼の、口の辺りまで舐め回し始めた。
「ぶっ、ちょっと待っ……むぐ⁉︎」
ちょっと待った、と言いかけて開いた口に、エスピナスの舌がにゅるりと侵入してきた。その巨大に付属する舌は当然大きく、人間の狭い口内など一瞬で埋め尽くしてしまう。上顎やら舌の裏やら、めちゃくちゃに舐め回されるが、みっちりと埋められていては押し返すこともできず、ハンターは呻くしかない。
「ゔぐ、ぐ……っ! ん゛ゔぅ、ゔ〜〜〜……ッ、ッ!」
次第に酸欠になって、思考が霞んでくる。人間が相手なら殴ったり突き飛ばしたりできるが、これは毒棘だらけのエスピナスである。下手に小突いては毒にやられてしまうだろう。それでもなんとか棘のなさそうな辺りを探って押し返すと、エスピナスはハンターの口から舌を抜いて離れた。
「げほぇほッ……はぁ、っはぁ、ッ、うぅ」
咳き込みながら必死に酸素を取り込もうとするハンターを、エスピナスは不思議そうに首を傾げて見ている。が、少し落ち着いたところを見計らって、また顔をベロリ。やめてくれ、と言ってみるがやはり伝わらず、そのうち顔だけでなく首筋、装備の上から胸元まで舐め始める。あまり汚されても破かれても困るので、ハンターはとりあえずコートだけでも脱ぐことにした。脱ぐのに邪魔になるのでついでに籠手も外し、上半身はインナーのみの姿になる。エスピナスはインナーの上からペロンとハンターの胸を舐めるが、これの何が楽しいのだろうか。まあ、舐められているだけなら食われるよりずっとマシなのだが。しかしここで、ハンターはようやく自身の迂闊さに気づく。
「っ、ふ……」
舐められたところが、妙にムズムズする。それに、じわりと身体の内から熱が染み出してくるような感じも。エスピナスの精液を浴びたり何やかんやで大変なことになってしまったのは、記憶に新しい。そして、唾液もまた精液と同じく体液。多かれ少なかれ催淫効果があってもおかしくない。しかし、気づくのが遅すぎた。口内を舌で荒らされた時に唾液など大量に含まされているだろうし、こうして舐められている間にも皮膚から吸収されてしまっているに違いない。自ら薄着になるなど、迂闊にも程があった。ハンターは慌ててエスピナスから離れようとするが。
「グルル……」
「ひぇっ、」
不機嫌そうに唸られてしまい、両手を上げて降参のポーズ。防具を外した無防備な状態では空いてを怒らせるのは、流石に不味い。それに、今逃げ出しては「お小遣い」の持ち逃げになってしまう。そうなったが最後、あの突進で追いかけ回されるに違いない。それでもなお隠しきれない抵抗感をハンターが示すと、エスピナスはまた一つ唸り、剥がれかけていたらしい鱗をハンターへの「お小遣い」として追加してきた。そんなに鱗を剥がして大丈夫なのだろうか。いや、それよりも。
「な、なんでそこまでして僕に相手をさせたいんだ……?」
先程の不機嫌そうな唸り声とは打って変わって、エスピナスはキュルル、と可愛らしい声を発しながら目を細め、頬を擦り寄せてくる。棘が怖いが、刺さったり引っかかったりしないように一応気を遣っているらしい。そんなにも前の交尾が善かったのだろうか。自ら鱗を剥がして差し出すくらいに───そう思うと、なんだか無碍にしにくい。それに。
「くっ……ぅ、ふぅ……ッ!」
その間もペロリペロリと舐め回されているわけだが、インナーの上からとはいえ、敏感になった肌を大きな舌でなぞられるのはなかなかにキツい。そのうち、ぷくりと乳首が浮いてきてしまう。更に悪いことに、エスピナスはその膨らみが気になるのか、乳首の周囲ばかり舌でなぞり始めた。
「あっ、ぁ……! 待って、待ってくれ、あぁッ」
逞しい胸筋がむにゅりと寄るくらい強く舐め上げられ、ハンターは身を捩る。そんなことをされていては当然下も反応してしまい 、今やすっかり下半身の布を押し上げてしまっていた。エスピナスはそちらの膨らみも気になるのか、胸や脇腹を舐め回すのを止め、ハンターの下腹部に鼻先を近づけた。ふんふんとにおいを嗅がれると、相手はモンスターだというのに猛烈に恥ずかしい。ハンターは思わず手で膨らみを隠そうとしたが、それよりも先にエスピナスが股間に鼻先を押しつけた。
「ああぁっ⁉︎ だ、駄目だって……!」
エスピナスはすりすりと鼻先を擦り寄せているつもりなのかもしれないが、実際のところ、細かい棘が布に引っかかってぞりぞりと音がしている。破かれるのは時間の問題だろうが、大切な装備を、しかもその部分を破かれてしまっては困る、かなり。そうでなくとも、焦れたエスピナスにそこに噛みつかれたりしたら───背筋が凍るような思いである。
「わ、わかった。わかったから……」
ハンター自身、モンスター相手に何を言っているのか最早わからないが、色々と考えた結果、自ら装備を脱いで下半身もインナー姿になった。色々と考えた結果がこれということは、もう唾液の催淫効果で頭が回らなくなっているということなのだが、ハンター自身がそれに気づくはずもなく。
インナーだけになると、内から押し上げているものの形がよりくっきりとわかる。目を逸らせばそこは長閑なお花畑で、こんな所で一体何を……と思う気持はあれど、エスピナスはそんなことはお構い無しである。邪魔な装備がなくなった場所を、ベロリと大きな舌でなぞり始めた。
「ぅひっ……!」
意図せず身体が強張る。唾液の催淫効果に侵され、胸やら脇腹やらを舐め回され、既に限界に近いのである。エスピナスに舐められるたび、インナーの中でじわりと先走りが漏れるのを感じる。おかげで性のにおいが濃くなったのか、またふんふんと嗅ぐエスピナス。かと思えば、大きな舌でハンターの股間の辺りを重点的に舐め回し始めた。
「うぁっ、あっ……ッ、〜〜…ッ♡」
エスピナスは刺激から逃れようとピタリと閉じた腿の間に強引に舌を挿し込み、張り詰めた玉袋から竿まで余すことなく舐め上げる。ハンター自身はそれはそれは立派であるが、エスピナスの舌はそんな立派なものをすっぽりと包みこんでしまうくらいには広く、大きい。加えて、やや体温が低いのか、熱が籠もったそこにひたりと舌が当たると布越しでも少し冷たい。
「あっ、ん、んんぅ」
強張っていたハンターの身体から徐々に力が抜け、閉じていた股は快楽に負けてだらしなく開いていく。おかげで舐めやすくなったのか、エスピナスは満足げだ。ハンターのインナーはもともと肌に吸いつくような生地だが、エスピナスの唾液と、ハンター自身が滲ませた体液とでピタリと貼りつき、ふっくらと押し上げるように盛り上がった股間も、乳首も、やや透けてしまっている。インナーに染みて肌に付着したエスピナスの唾液はハンターの身体を更に敏感にし、快楽の沼へと沈めていく。時々思い出したように脇腹や内股を舐め上げられるのも耐え難い刺激で、ハンターは何処に触れられてもひくひくと身体を反応させ、抑えきれない声を洩らす。
「んっく、ぅ、ふぅっ、ん、んッ……」
その中でも一番反応が良いのが股間だと解っているのか、それとも単に膨らみが気になるのか、エスピナスの舌は次第に股間ばかりを舐め回し始める。やや冷たい舌をひたりと当てられ尻の窄まりや蟻の塔渡り、玉袋、竿、亀頭、と丹念に舐り上げられると、ハンターは身を捩った。
「んああぁ……ッ! あっ、ぁアッ……♡」
腰をへこへこと前後に揺らし、背を仰け反らせる。腹の奥から熱いものが迫り上がってきて、堪らず叫んだ。
「ひっ、出る、もう出るッ、あ゛あぁぅ……ッ!」
あっという間の絶頂。既にビショビショになっていたインナーの股間の辺りを、熱く滾る欲が更に濡らす。湿った布から染み出した白濁を舐め、エスピナスは満足げだ。一方ハンターはといえば、エスピナスの唾液に中てられて一度放出したくらいでは収まりがつかない。胸も、股間も、尻も、エスピナスにナメられたところ全てが疼いて仕方ない。中でも、いまだに勃起が鎮まらない自身をどうにかしたい。扱きたい。もっと出したい。気が狂いそうだ。どうやっても耐え切れないハンターは、唾液と汗と白濁でぐちょぐちょになったインナーの下に手をかけ、膝まで摺り下げた。ぶるん! と勢い良く飛び出す自身。ハンターはそれに手をかけ、一心に扱き始めた。エスピナスに見られているが、逆に言えばエスピナス以外は誰もいない。人に見られているわけではないし、とどこか開き直っていた。
「くっ、ん、んんぅ、ッ……」
放った白濁に先走りが足され、にちゅにちゅと粘液が擦れる音。そこにハンターの荒い呼吸と、どこかで鳴く小鳥の声が交じる。
「あっ、あっ……! 出る……ッ♡」
二度目の絶頂は、あっという間。放たれた白濁は一度目と変わらぬ濃さ、量だ。それを呆然と見ていると、ふと、エスピナスが動いた。ハンターの腹や内腿を汚した白濁を、ベロリと舌で舐め取り始めたのである。
「うあ、ぁはあ……ッ♡ や、やめ……」
全身が発情しきって性感帯になっている今、素肌を滑る舌で舐られるなどとても耐えられない。が、エスピナスにハンターの言葉が通じるはずがなく、舐られ続けるうちにまたハンター自身は勃起してしまう。耐え切れずに手をかけて扱き始めると、エスピナスは「手伝ってやろう」とばかりにハンターの玉袋や奥の窄まりを舐め始めた。
「ああぁあぁそれやめ、そぇ、ああぁ、ぁ♡」
やめて、いやだと言いながらも、ハンターは自身を扱く手を止められない。ハンターが快楽に耐え、下腹に力を入れるたびにひくひくと収縮する穴が気になるのか、それとも以前の交尾でそこが侵入口と解っているのか、エスピナスの舌先はハンターの尻の窄まりを弄り始めた。大きな舌だが、器用な動きをする。縁の皺の一つ一つをなぞるようにしながら、丁寧に、丁寧に解していく。
「んあっ、ァッ」
固く閉じていた穴が潤んで綻べば、舌先が少しずつ体内に入り込んでくる。中の粘膜にま唾液を塗り込まれては、大変なことになってしまうことは想像に難くないが、快楽に屈している今のハンターに抵抗の術はない。侵入範囲を拡げてくる舌を尻に受け入れる他なく、じわじわと深く侵されていく。
「ぉ、あ、そこ、あぅ♡ なめ、ないれぇ♡」
口ではそう言いながら、腹の奥はきゅうきゅうと疼いて仕方ない。ハンターの手はいつの間にか自身を扱くのを止め、自ら尻穴見せつけるようにだらしなく開いた膝裏に添えられている。そうすることでより舐めやすくなったのか、エスピナスの舌が先だけといわず、半ばまでぬぷりとハンターの体内に侵入した。
「ほお、ぉ……♡」
半ば、などとは言うが、舌自体が巨大なので圧はかなり強い。狭い内壁を抉じ開けられ、深くまで犯されたハンターは、喉を晒して身を捩り、自ら股を広げたまま腰を揺らめかせた。エスピナスはそれに気をよくしてか、それとも単にハンターの腹の中の味が気に入ったのか、舌を深く浅く抜き差ししながら内壁を舐る。肉襞も、敏感なしこりも関係なく擦られ、ハンターは身も世もなく嬌声を上げた。
「あっ、あぁっ♡ そんなっ、アッ、なめたら、あぅ♡ ダメだっ、んん゙ぅ♡」
にゅぽ、ぢゅぽ、と音を立てながら隘路を犯されるのは、性交となんら変わらない。ハンターが舌の動きに合わせて腰を振るたび、勃起した立派な陰茎がぶるんと揺れては白く濁った先走りを飛び散らせた。
「あー♡ あー♡ だめ、だめ、あぁ、ァ〜〜〜……ッ♡♡」
ハンター自身から、びゅ、と噴水のように勢い良く白濁が飛び出す。二、三度大きく腰を突き上げてから、ぐったりと花畑に身を横たえると、エスピナスはハンターから一度離れた。突然体勢が変わったので、牙や棘が刺さらないように気を遣った、のだろうか。が、ふんふんと荒い鼻息と浮き上がり始めた血管を見るに、かなり興奮している様子。となれば、この後することなど一つしかない。それだけは勘弁、と思うハンターだが、ハンターもまた興奮しきっているのは同じ。かつ、唾液の催淫効果と射精後の脱離でヘロヘロになっていては逃げることもできない。それでもなんとか距離を取ろうとすると、エスピナスが低く唸った。視線を下にやれば、後脚の間のスリットから飛び出した凶悪な逸物が目に入る。ひ、と息を飲むハンター。以前は、アレを突っ込まれてとんでもないことになったのである。エスピナスはお構い無しでそれを尻に擦り寄せてくるが、ハンターは思わず離れてしまう。
「……ギュ?」
首を傾げるエスピナス。なんでだ? おまえ、こんなになってるだろ? とでも言いたげだ。それはそうなのだが、そうかといってそれは人間の身体に挿入するものではないのである。ハンターが首を横に振って拒絶の意思を示すと、エスピナスははた、と動きを止めた。怒り出すのかと思ってハンターは身構えたが、意外にもキュウゥ……と切なげな声を出して項垂れてしまう。そんな仕草をしないでくれ、無理なものは無理なのだ。諦めてくれはしないかと思いながら様子を見ていると、エスピナスはふいに首をもたげた。ハンターは、もしや食う気かと肩を強張らせたが、そうではない。エスピナスは首を長くして器用に曲げ、自らの翼の付け根辺りに噛みついた。
「えっ、なん……何を……?」
がじ、がじ、と何度か噛みつくと、ポロリと鱗が剥がれて落ちる。中でもこれは質が良いと一目でわかるものを口に咥えると、なんとハンターに差し出してきた。何が起きたのか解らず受け取らずにいると、エスピナスはその鱗を放り、また自身の身体に噛みつく。もしかすると、「お小遣い」代わりの鱗を追加しようというのだろうか。思い至った瞬間、ハンターはエスピナスのおおきな角にしがみついた。
「……待てッ! 待つんだ!」
「ギュ……」
「き、君だって強い大型モンスターだとはいえ、こんなことをしては痛いだろう。いや、言ってる意味は解らないかもしれないが……」
ハンターに制止されたことは解ったのか、エスピナスは自傷しなくなった。が、口の中に残っていた鱗を一枚、舌の上に乗せてハンターに差し出してくる。鮮やかな深緑色をベースに、玉虫色に輝く分厚い鱗───紛うことなき天鱗。
「うわぁっ……⁉︎ こ、こんな遣る瀬無くなるようなことをしないでくれ……」
交尾がしたいからって、同族でも何でもない、しかも雄にここまですることないじゃないか。言ってはみるが、やはり意味は通じていないようで、エスピナスはハンターに甘えるように顔を舐めてくる。
「むぶっ……!」
それから、やはり逸物を尻に擦りつけてくるわけで。天鱗を受け取ってしまったので、これで交尾ができると思い込んでいるのかもしれない。となると、これ以上拒絶してはやはり怒り出すかもしれない。それに、また自分で自分を噛んで鱗を剥がし始めるかも……前者なら無事では済まないだろうし、後者はなんだか可哀想だ。可哀想だし、何度も続けばやはり怒りを買う可能性がある。
「わ、わかった。わかったよ、もう……」
仕方ない。これは無事にエルガドに帰るためだ。
ハンターは、お手柔らかに頼むよ、とほぼ諦めの境地で四つん這いの姿勢を取った。恐る恐る振り向けば、スリットから飛び出したエスピナスの逸物が目に入る。巨大なのはもちろん、砲身には螺旋状に並んだ突起が。こんなもので過敏になった腹の中を擦られたらどうなるのか……いや、どうもこうもない。経験済みだった。あの時のことを思い出すと恐怖しかないのだが、こうなった以上は覚悟を決めねば。
「くっ……! ぅ、んう……ッ」
ぐにゅ、と尻穴に逸物が押し当てられた。侵入できる角度を探しているのか、ぐに、ぐに、と襞を押し広げそうになっては離れ、また押し当てて。そうされていると、一度は落ち着いていた身体の熱が、内側から燻り始める。腹の奥が勝手にきゅうきゅうと疼いて、尻穴もひくりと震えてしまう。
「あっ、ん、ンン……♡」
はやく、と思わず口走りそうになり、ハンターは慌てて唇を噛む。そうして僅かに力が入った瞬間、ずぼおっ! と逸物が尻穴に突き刺さった。
「……んお゙ぉ゙ッッ⁉︎」
「いくぞ」も何もない。当然だ、相手はモンスターなのだから。
「お゙ッぁ、あ、あー、あー……ッ、ッ!」
人間の身体に収めるには無理があるのは明らかで、みちみちと肉壺が拡がる音がする。それでもエスピナスは何度か押しては引いてを繰り返し、少しずつ、奥へ奥へと侵入してきた。やがて、逸物の先端が奥の突き当りをコツンと小突く。
「かはっ……! ぁ、あぅ……」
コツン、コツンと何度か突き当りを小突いた後、それ以上先には進めないとわかったのか、エスピナスはハンターの尻から逸物を抜いた。
「んおおおお゙ぉ゙⁉︎」
エスピナスにとってはなんでもない動作でも、ハンターにとっては過敏な内壁を突起でごりゅごりゅと擦られ引き出され、耐え難い刺激である。縁の粘膜を巻き込みながらぬぽんと逸物が抜け出ると同時、ぴゅ、と白濁混じりの先走りが花畑に飛び散る。ハンターは断続的に喘ぎ、ふるふると尻を震わせているが、エスピナスは構わず再度奥まで、一息に逸物を押し込んだ。
「がっ……⁉︎ っ、ごぷッ、ぐ、ゔぅぅ〜〜……ッ」
内臓が押し上げられ、胃液が喉奥から溢れてくる。やはり、こんなものを挿入するなんて無理があるのだ。だが、ハンターには今更どうすることもできなかった。再び逸物を引き抜かれ、尻穴の縁で充血した襞が捲れる。
「おおッ、お゙ほおぉ……♡」
ぷちゅぷちゅと敏感な場所を擦られ、ハンターは尻を振る。そうかと思えばまた奥まで貫かれ、目を剥く羽目になる。
「ゔ、ぁぐ、がはっ!」
そうして繰り返される抜き挿しは、最初こそ無理くりだったが、舌で一度犯されていた肉壺が柔く解れるのにそう時はかからず、徐々にスムーズになっていく。
「ぅ゙あ゙、アッ、あっぁッ、あ゙ッ♡」
ぬっこぬっことテンポよく抜き挿しされるうち、ハンターは上半身を花畑にペタリとつけ、尻を高く上げた体勢になっていく。それはまさに獣の交尾のような姿で、もはやエスピナスに犯されることを完全に受け入れていた。エスピナスは、突き当りを抉った時にハンターの反応がいいと気づいたのか、それとも単に内壁が先端に吸いつくのが気に入ったのか、奥の突き当りをぐにゅぐにゅと捏ね回す。
「あーっ♡ あ゙ーッ♡ そこぐりぐりッ♡ ぐりぐりやだああ゙あ゙ぁ♡」
ハンター自身から、奥を突かれるたびにびゅ、びゅ、と白濁が飛び散る。みっちりと腹の中を埋め尽くす異形の逸物を締め上げ、悶えるように腰をくねらせると、それが誘っているように見えたのかエスピナスは低く唸りを上げた。ほぼ同時、ハンターの腹の中に射精を果たす。
「お゙あぁぁ、ァ……ッ♡」
灼熱の粘液で腹の内を満たされ、ハンターは舌を突き出して身を捩った。人間の、しかも雄の腹にはとても収まり切らず、ほとんど隙間などなさそうな結合部から、粘度の高い白濁がぶしゃぶしゃと噴き出す。
「あぁぁ……♡」
ズルリ、と逸物が尻から抜け出ていく。激しく蹂躙された尻穴は口を開いたままで、収まり切らなかった白濁が更に溢れ出てくる。それを止めることもできず、ハンターは花畑に突っ伏した。
「ふぅ、ふ、ぅ……ん゙ん、く、うぅ……」
小さな痙攣が収まらない。まだ、絶頂の最中にいた。だが、やっと終わったと、とも。身も世もなく善がってしまったが、危険な行為であることに変わりはない。幸い、エスピナスの精液はあまり腹の中に残らなかったので、前のように強い催淫効果に悩まされることもないだろう、と───
「ギャウ」
「えっ」
振り向くと、ひたりと尻穴に当てられる異形の逸物。見上げれば、器用に首を曲げて見下ろしてくるエスピナス。
ま、まさか、もう一回ですか?
そりゃあ、交尾なら相手の腹に精液をたっぷり注入しなければならない。さっき出された精液はほとんど外に出てしまったから……そうだ、相手はモンスターだ。求めているのは快楽を得るためのセックスではなく、繁殖のための交尾なのである。
「まっ、待って……お゙あ゙あ゙ァッ⁉︎」
ずっぷりと、再び尻穴を塞がれる。加減も何もなく、一息で突き当りまで侵入したそれに、ごぢゅッ♡ 内壁を抉られ、ハンターは目を剥いた。
「ほお゙んッッ♡♡」
身構える間もなく、一撃で絶頂してしまった。そこはまだ駄目なのだ、敏感になり過ぎている。しかし、止めろと言おうにも口から出てくるのは下品な喘ぎ声ばかり。
「お゙ンッ♡ お゙ンッ♡♡ やめ゙ッ♡ ッあ゙あ゙ぁ゙♡♡」
苛烈に抉られつづけるうち、だんだんと腹の奥が抵抗の意思を失い始めた。押し上げられた内壁が、少しずつ開き始める。それ以上は不味い、入っては駄目だ。が、もちろん止める術はなく───ぐぽんっ♡ という音とともに、ハンターの結腸は陥落した。
「ッッッ♡ ッ、お゙ぉ゙、……〜〜ッッ♡♡♡」
ぽこりと臍の上が盛り上がり、そこまで貫かれたと傍目にもわかる。同時、ぷしゃ、とハンター自身から透明な液体が噴き出すが、もう潮なのか尿なのか、ハンター自身判別ができない。頭の中はただただ快楽で埋め尽くされていた。一度陥落した肉壁はとうに役目を放棄しており、エスピナスの突起だらけの凶悪な逸物でぞりぞりと擂り潰されるだけになっている。
「ぎぃッ、っ、ひ♡」
股の間に水溜りを作りながらはくはくと呼吸をするが、脳味噌に叩きつけられる快感の深さが尋常ではなく、息ができているのかどうかさえ解らない。一撃で陥落した結腸はエスピナスを拒むどころかちゅうちゅうと吸い付き、精を搾り取ろうと蠢いている。結腸を犯されたことで、ハンターの脳内で何処か捨てきれなかった矜持が焼け落ち、エスピナスの雌としての役割を完全に受け入れてしまったのである。
エスピナスは纏いつく襞がいたく気に入ったのか、低く唸るとハンターの尻穴から逸物を引き抜き、再度結腸まで一息に貫いた。
「ん゙お゙ぉッ♡ お゙ぉぁ♡ やぶれ、るぅぅ゙ゔゔ……ッ♡♡」
ぽこりと形を変えた下腹が目に入り、こわい♡ しぬ♡ とハンターが譫言のように漏らすと、まあこれっぽっちも解っちゃいないのだろうが、エスピナスはずろろ、と逸物を結腸から引き抜いた。砲身に生えた突起が肉襞に引っかかっり、エスピナスが逸物を抜き挿しするたびにくぽくぽ、こりゅこりゅと擦れる。
「おぉあ゙あ゙あああァこすれるゔぅ゙ぅ゙〜〜〜ッ♡♡」
ハンターは自身からトロトロと白濁を垂れ流し、半分白目を剥いて悶えることしかできない。それも仕方ないのだろう、エスピナスの雌になりきってしまつたのだから。
「ほおッ♡ おっ♡ お゙ッッ⁉︎ ッ、おお゙お゙ぉでてるッ♡♡ ナカにでてるゔゔぅ゙ッ♡♡」
結腸の中に、煮え滾るような奔流が放たれる。再びエスピナスが射精を果たしたのだ。ハンターは自らエスピナスの逸物に尻を押し付け、熱を受け入れた。腹の奥も精を呑みこむように蠢き、次第にその量に圧されてぽこりと膨らんでいく。
「お゙っ♡ ぐ、おえッ、ゔぅ、ぅぅん゙……♡」
膨らんだ腹を撫でさするハンターの顔は、快楽でだらしなく緩み、恍惚としている。やがて逸物が抜けていくが、ハンターは尻を高く上げて這いつくばった体勢のままだ。エスピナスは、それをペシッと足で転がす。
「ぐえっ♡」
ハンターは膨らんだ腹を上にして、花畑に仰向けになる。エスピナスは丸みを帯びたハンターの腹に顔を近づけてふんふんとにおいを嗅ぐと、大きな舌でベロリと舐め上げた。どこか慈しむような、労るような仕草ではあるが、そこはモンスターの力加減、舌で圧されたせいで、ハンターの尻から白濁が漏れてしまう。
「うあぁ……お、おしたらダメだってぇ……♡」
力が抜け切った身体では一度溢れ始めたものを止めることなどできず、ハンターの尻からはぶぼ、ぶりゅ、と品のない音と共に粘度の高い白濁が漏れて続ける。大半を放り出してしまい、だらりと開いた股の間には見事な水溜まりならぬ精液溜まりができてしまった。それを見たエスピナスは、キュゥ……と切なげな声を出す。
「はぁ、あ……す、まない……僕の体では、どうにも……」
そもそも種も違うしなあ。なんで僕は謝ってるんだろうなあ。
と、思いながら、未だに力が入り切らない腕で上体を支え、ハンターはなんとか起き上がった。そこで、ひたりと股の……尻の間にあてがわれた凶器と目が合う。いや、目はないが、明らかに「もう一回シよ♡」と言っている、それ───
「……えっ、ちょっ待っ───ほお゙ぁッッ⁉︎♡♡♡」
ずっぷん! と再三尻に突き刺さる凶器。緩み切った穴では拒むこともできず、精液の滑りと催淫作用もあって、ハンターの身体はそれをあっさり受け入れてしまう。
甘えるような声を出して覆いかぶさってくるエスピナス、ゆらゆら揺れる自分の脚、そして結合部の隙間から飲み切れずにぷしゃぷしゃ噴き出す精液を見ながら、ハンターの意識は落ちた。
最初に戻ってきたのは、ひたり、ひたりと何か湿ったもので頬をなぞられている感覚だった。なんだか、全身が重怠い。身体中がベタベタする。怠い気持ちを抑えつけて、目を開ける。目の前にあったのは、鋭い牙だらけの竜の口と、大きな紫色の舌───
「…………うわああ⁉︎」
瞬間、叫ぶ。叫ぶだけでなく咄嗟に逃げようとしたが、腕にも脚にもろくに力が入らず叶わない。対して、突然ハンターが叫んだせいで驚いたらしいエスピナスは、ぴゃっと首を引いた。ハンターを見て、ぱちぱちと瞬きをしている。
「あ、ああ、君か……」
言いつつ、ハンターはどうにかこうにか、上半身を起こす。そうだ、ここは密林のお花畑。空も海も綺麗で、小鳥の囀りが聞こえる素敵な場所。そんな場所でハンターは、半端にたくし上げられたインナー上しか身に着けておらず、丸出しの下半身の下には白い精液溜まり。ぽっこりと膨らんだ腹を見るに、最中に意識を失い、その間に再三種付けされたのだろう。
「ん゙……ッ」
身体を起こして圧されたせいか、ぶりゅ、と下品な音と共に尻から精液が溢れてくる。指先で穴を開けば、とろとろと続けて零れ出てきた。ん、ん、と何度か腹圧をかけて出し切る。散々痛めつけるられた尻穴は、ぽっかり開いたままだ。元に戻るだろうかとハンターが心配していると、エスピナスが顔を近づけてきた。まさか、まだ交尾を求めているのだろうか。ハンターは思わず身構えてしまうが、予想に反してエスピナスはハンターの腹をペロペロと舐め始めた。労るようにも見えるその仕草にハンターが困惑していると、エスピナスは花畑に伏せるように体勢を変え、キュゥ……と切なげに鳴いた。種付けに失敗したことが悲しいのだろうか。いや、もしかして……反省しているのか? そう思うと、恐ろしいとばかり思っていたエスピナスが少しだけ可愛く見えたりもして。撫でてみるかと手を伸ばすが。
「グァウ」
「あっ……そうだな、君に素手で触れるのは危険だな」
エスピナスは頭をずらし、ハンターの手を避ける。頭も身体も、毒の棘だらけだ。あんなことをしておいて、よく毒で死なずに済んだものである。ハンター自身感心していると、エスピナスが口に何かを咥えて差し出してきた。最中に剥がしていた天鱗だ。ちゃんと持って帰れよ、とでも言いたそうに見える。
「君は……」
「ギュ?」
「はあ……まあ、いいか。もらっておくよ」
放りっぱなしになっていたポーチに天鱗を仕舞い、ついでに脱ぎ散らかしたコートやなんやらも集める。これを身に着ける前に、どこかで身体を清めなければ。近くに手頃な水場はあっただろうか、と狩り場の地図を思い浮かべていると、エスピナスが大きな舌で顔を舐めてきた。
「むぶっ……! お、おい君……」
下手に舐められては、また発情してしまう。ハンターが唾液がついた場所を慌てて手で拭うと、不思議そうにするエスピナス。なんだか、間の抜けた奴だ。エスピナスといえばその凶暴性は有名だが、今のところエルガドでエスピナスの討伐依頼が出ているとは聞いてない。今回の件を報告したら討伐依頼が出るのだろうが、このエスピナスはそんなに気性も荒くなさそうではあるし。
「……君、他のハンターや旅人に同じことをしてはいけないぞ。下手に人間に近づくと、それだけで討伐依頼が出てしまうかもしれないんだからな」
「ギャウ」
今のは、返事だろうか。解ってくれているといいのだが。解っているにせよいないにせよ、ハンターがモンスターを狩るのは必要に迫られた時だけだ。大人しくしていれば狩られることもないだろう。
「……じゃあ、僕はもう行くよ」
「ギュ」
一応エスピナスに挨拶し、ハンターはやっとの思いで立ち上がった。足腰がヘロヘロだが、いつまでもこうしているわけにもいかない。エスピナスはといえば呑気なもので、ハンターが立ち去るとすぐに花畑で丸くなり、眠り始めた。まったく、結局また天鱗をもらってしまったし、これでは援助交際だ。なんというか、身体を差し出したとはいえ貰いっぱなし感もあり、このまま帰るのは少しモヤモヤするというか。
「……、」
ハンターは踵を返し、エスピナスがすよすよ眠っている花畑の方へ向かった。
◆
結局、鉱石や素材は集め直しになってしまったため、軽弩のハンターは予定よりも遅れてエルガドに帰還することになった。宿舎の部屋に戻ると、相棒兼同居人である鎚のハンターが武器の手入れをしながら迎えてくれた。
「よお、随分遅かったな」
「ちょっと色々あってね」
言いつつ、素材をたっぷり入れた袋をベッドの脇にドシリと置く。大収獲じゃねえか、と鎚のハンター。まあ、時間はかけたので大収獲には違いない。他にも高価なものをもらってしまったし。
「そういやあんた、密林に行ってたんだよな?」
「そうだが」
「密林と言えばよ、妙なウワサを聞いたぜ」
「ウワサ?」
「おう。なんでも、ヘンなエスピナスがいるって」
ぎく、と肩を強張らせる軽弩のハンター。幸い、手入れ中の武器に目を落としていた鎚のハンターはその挙動には気がついていない。ヘンなエスピナス───ヘンなことをしてくるエスピナスなら、軽弩のハンターも知っている。それはもう、よく知っている。いや、絶対にあのエスピナスのことだ。が、平静を装ってどんな奴なのかと問えば、鎚のハンターは続ける。
「なんでもよ、角に花輪引っかけて浮かれてやがるんだと。ハンターが縄張りに入っても襲いかかってくるどころか、花輪揺らして上機嫌だっていうんだぜ? あの凶暴なエスピナスがだぜ? 信じられねえよな」
「……、」
「おい、聞いてるか?」
「……アッ、ああ、聞いているとも。確かに変なエスピナスだな、ははは」
「だろ? まあ暴れてるわけでもねえし、エルガド側は様子見決め込んでるみてえだけどよ」
それを聞いて、軽弩のハンターはホッと胸を撫で下ろした。てっきり、他のハンターや旅人にも同じようなことをして討伐依頼が出ているのかの思ったのだ。あんなことをするのは、自分だけにしてもらいた……いや、これは変な意味ではなく、その…………まあ、とにかく、帰る前に贈ったものは気に入ってくれたらしいし。頭に乗せてやったはずが、角に引っ掛けて喜んでいるようだが。
(また今度、何かのついでに会いに行ってみるか……)