忍耐、もとい失態
忍耐、もとい失態
ハン♂がアイテムを駆使してカゲさんより優位に立とうとして大失敗する話。
濁点喘ぎ、♡喘ぎ注意。下品です。
恋人が遅漏だ。
いや、遅いのか早いのかは正直なところわからない。比較対象が俺しかいないからだ。恋人は、少なくとも俺よりは長いししつこい、と思う。しつこくされる……というか、丁寧にしてくれるのは、愛されている実感に繋がるし嫌いじゃないけど。
「あっぁ、あ、カゲロウさ、またっ、~~~……ッ!」
嫌いじゃないんだ、けど……その、この人が達するまでに俺は何回達してるのかって考えると、なんというか、ええと。言っておくが俺は早漏じゃない、たぶん。……たぶん。
「ふ、はぁっ、はっ、あ、あぅ……」
「たくさん出ましたね、ハンター殿」
ふふ、と繋がったままで笑われると、どうにもこうにも恥ずかしいのだ。恥ずかしいのも、嫌いじゃないんだけど。
けど、たまには夜の主導権を握ってみたいじゃないか。
俺だって男だ。相手も男だが。それに、一回ぐらいあの人が情けなくヒンヒン鳴いてるところを見てみたい。きっと可愛い。
そんなわけで数日後の夜、とっておきの計画を立てた俺は、恋人の腹に跨がっていた。
「カゲロウさん」
「はい」
「今日の俺は、硬化の粉塵をしこたま吸い込んだ後、これでもかと言うほど忍耐の種を噛み砕きました」
「して、その心は」
「今夜の俺の下半身は、古龍も尻尾を巻いて逃げ出す最強硬度を誇っています」
「なかなかに興味深い字面ですな」
ふむ、と涼しい顔。余裕かましてられるのも今のうちだ。俺が準備したのは、これだけじゃない。懐から二本の薬瓶を取り出す。
「カゲロウさん」
「はい」
「ここに強走薬と元気ドリンコがあります」
「そうですね」
「そして俺はこれを、」
きゅぽん、と栓を抜いて、飲み干す。両方とも、だ。恋人の顔を見るが、いつもと変わらない涼しい顔……というか、御札。
「これがどういうことかわかりますか、カゲロウさん」
「どういうことでしょう、セジ殿」
その涼しげな顔が、余裕のある声色が、とろとろに蕩けて崩れることを、俺は望んでいる。
「今夜は俺の下で、思う存分鳴いてください」
四半刻ほど経っただろうか。
俺は、勃起した巨大な魔羅を跨いでいた。膝立ちの体勢で、ちょうど孔の辺りにくるように狙いを定める。ハンターだからな。相手を狩るなら、しっかり狙わなければ。
それにしても、カゲロウさんの逸物はいつ見てもすごい。何がすごいって、まずデカい。あと長い。カリ高で竿の真ん中が太くて逞しくて、浮き出た血管が蛇、いや竜みたいにのたうってる。それから、根元近く。竜人族は皆こうなのか知らないが、鱗みたいな形の凸凹がある。奥まで挿入されて腹の中をみっちりと拡げられ、突かれながらこの凸凹で入り口をぐりぐり擦られると、あっという間に昇天してしまう。色々と思い出して、魔羅の先っぽを孔に当てたまま、少し躊躇してしまった。これを挿れて、俺は正気でいられるのだろうか。
「いかがされましたかな?」
チラ、とカゲロウさんを見ると、相変わらず涼しげな顔、もとい御札。初めての騎乗位だってのに、動揺も何もあったもんじゃない。くそ、絶対鳴かす。鼻息荒く襲いかかったはいいが逆転されて主導権を奪われ泣かされるなんて、ありそうな展開になどさせるものか。
「一応言っときますけど、手出し無用ですから」
「せっかくのセジ殿のさぁびすたいむ、なのですから、それがしから手を出すなど、無粋なことはいたしませぬ」
「ふん、余裕こいてられるのも今のうちだけですから、……ねっ!」
指先で孔を開く。硬化薬を塗り込んだ時にたっぷり香油も入れてきたから、滑りは足りているはず。思った通り、慣らしきった肉の輪はぬぐりと口を開けて、カゲロウさんの逞しく太い先っぽを呑み込む。が、
「ん゛っ……ぐ、ゔうぅっ⁉︎」
びりり、と背筋を電流が駆け上がった。うっかり脳味噌が蕩けそうになって、ぶんぶんと首を横に振る。危なかった、一撃で達くかと思った。あれだけ忍耐の種やら硬化薬やら使ったのに、効いてないなんてことがあったら笑えない。ちょっと不安になるが、ここまでやって止めるわけにもいかず、深呼吸して少しずつ腰を落としていく。
「ん……っく、」
なんだかんだで、いつもより余裕がありそうだ。薬はしっかりと効いているらしい。最初のアレは、入り口の弱い部分が擦れて思ったより感じてしまっただけだと思いたい。
カゲロウさんの腿に手を置いて、股を大きく開いた。M字開脚? とかいうやつ。魔羅も尻も丸見えでちょっと恥ずかしいけど、見せつけてこの人の興奮を煽ってやりたい。腰を振って、奥に迎え入れるリズムに合わせてナカを締めつけてやると、カゲロウさんが、んっ、と息を詰めた。可愛い。
「ぅ、ん……っ、いつでも出して、いいんですよ。ほら、ほらッ」
半ばくらいまで呑み込んだものを、腰を上下させてぬこぬこと抜き差しする。時々ぐりぐり腰を回したりもして。正直こっちもナカが擦れて半端なく気持ちいいが、いつもみたいにすぐ達してヘトヘト、なんてことにはなりそうにない。今夜の俺は、一味違う。
「ん、んっ、奥まで、いっちゃいます、ねっ」
ギリギリまで引き抜いて、宣言してから一気に腰を沈めた。カゲロウさんの逸物が狭い腹の中を拡げて、奥まで挿入ってくる。こつん、といつも堪らなく感じる奥に当たって、腰が跳ねた。
「んううぅっ、ゔうぅ~~~……ッッ、ん、ぐぅ、ッ」
いつもの俺なら、これだけでトコロテンしているか、耐えられなくて扱いて出している。だが、やはり今夜の俺は一味違う。まだ大丈夫。かなり圧迫感が強いが。
「カゲロ、さ、なんか今日、ん゛ッ、すげぇデカく、ないす、か」
「これは失敬……お恥ずかしながら貴方の媚態を見て、つい」
「ふはっ、見た目より全然、余裕ないんすね」
勝手に口角が上がる。気分がいい。このまま責めて責めて責めまくってやる。
「んあっ、あっ、あ゛、あッ!」
上げて、落とす。腰を前に突き出して、更に見せつけるみたいに。案の定、カゲロウさんの目は俺の魔羅と尻孔に釘付け……の、はず。うん、御札。もっともっと、もっと感じさせて、余裕も理性も消し飛ばしてやりたい。ハンター稼業で鍛えた足腰をフル活用して、激しく腰を振る。魔羅がびたびた揺れて、先走りが弾け飛ぶが知ったこっちゃねえ。
「あ゛あぁすげぇッ、腹んなか、ごりゅごりゅってぇッえ゛あ゛あぁっ!」
「っ、セジ殿……」
「んっふ、ぅ、んゔぅんッ! ほら、ほらカゲロウさん、どうですかッ俺に尻で、抱かれてる気分ッ! あっあ゛あ゛ァんッ!」
ぐりぐりと腰を回して、カゲロウさんが色っぽく息を詰める度に気分が高揚していく。
今夜の主導権は、完全に俺が握った。
あれから更に、一刻ほど経っただろうか。
「ん゛ッ、ぉ、お゛ぉっ、ぉ、あ、ぁ……」
どくどくと、熱い子種が腹の奥で溢れる。これで三回目……いや、四回目だったか?もうわからなくなってきた。わからなくなってきたが、俺はまだカゲロウさんに跨がっている。あれから一度も腹の中のカゲロウさんを抜くことなく、腰を振りまくって搾り取り続けているわけだが、カゲロウさんがヒンヒン鳴く声はいまだに聞けていない。マジでどうなってる、この人。
「はぁっ、カゲ、ろ、さん、はあっはぁッ……ッほんとに、コーフン、してます……?」
「勿論ですとも」
嘘ではない、のだろう。感じて興奮してなけりゃ、こんなに子種は出ないはずだ。何度も種付けされて、少し膨れたようにすら見える腹を撫でる。懲りずに腰を揺すれば、腹の奥でこぽりと子種が揺れる音。孕みそう。
ちなみに俺は、まだ一度も射精していない。そういう意味合いでは、事前にキメておいた忍耐の種やら硬化薬やらはしっかり効き続けているのだろう。ただ、誤算もあった。薬のおかげで射精を耐えることはできるが、気持ちいいものは気持ちいい。カゲロウさんの丁寧な開発と調教により尻だけで達ける身体になっている俺は、こうして腰を振りたくる中で何度も達っている。その度に腹の中がギチギチに締まるから、カゲロウさんだって俺が達きまくってるのは気づいてるはずだ。それなのに、涼しい顔して何も言わない。
それはともかくとして、そろそろ一度くらい出したい。魔羅はもうパンパンで、いいから一回出しとけ、と訴えかけてきている。まあ、いつもみたいに出しまくってるわけでもない。ここで出しても、やっぱり耐え性がない奴だなんて思われないだろう。魔羅を掴んで、ごしごしと扱く。
「……っ、っ?」
あれ?
作業めいた手つきで、何度も扱く。だが。
「出ねぇ……」
おい、これ、ちょっとヤバくないか。出ないが。腹に逸物を埋め、魔羅を握ったままで固まってしまったのは流石に不審だったのか、カゲロウさんが顔を覗き込んできた。まずい。まずいぞ、これ。こっちから薬までキメて襲いかかったってのに、肝心の薬が効きすぎて出すもの出せないなんて、知られたら大笑いされるに決まってる。俺がカゲロウさんの立場だったら、腹抱えて笑う。恥ずかしいのは嫌いじゃないが、そういう恥ずかしさは求めていない。これは仕方ない。扱いて出すのは諦めよう。慣れきってる身体だ、別の刺激でも出せるはず。
「セジ殿?」
「っ、なんでもないです! ほら、また動きますよッ!」
困惑を断ち切るべく、勢いよく腰を上げた。ばちゅんっ! と一息に振り下ろす。
「お゛ひっィッ……⁉︎」
勢いをつけすぎた、かも。奥の、突き当りのところをカゲロウさんの逸物に抉じ開けられそうになって、視界で火花がバチバチ弾ける。身体が爪先から頭のてっぺんまで突っ張って、息ができなくて苦しい。苦しいが、死ぬほど気持ちいい。こんなのを食らってしまったら、ど助平な身体になっちまってる俺はもう駄目だ。何度も何度も、勢いをつけて腰を振る。
「んあ゛っおッおあ゛ぁ~~~! あっあ゛ッこれ、っこれすげ、きもちい、ぎもちいい゛ッああ゛あ゛ぁっ!」
ばちゅっ! ばちゅっ! ぢゅぽっ! どちゅっ! ぢゅぽっ!
カゲロウさんにいつも責められているのを辿るように、自分で自分を追い上げる。もう頭の中は真っ白で、いつもならここでめちゃくちゃに吠えてブッ壊れた水道みたいに魔羅から子種を撒き散らしてる、んだが。
「ほお゛っ、おぉお゛んッ! きもぢぃ、ひもぢぃのに、っぃっうぐぅッんん゛あ゛ぁ出ねぇッでねぇよぉおおっぅうゔゔぅ~~~……ッ!」
出ないんだなこれが! どうなっちまった俺の身体!
「セジ殿? いかがなされましたか?」
ここで、今夜初めてカゲロウさんのちょっと動揺した声が聞けた。いや、でも、俺が聞きたかったのはこういうのじゃなくて。ていうか、そんなことはもうどうでもいい。とにかく出したい。射精したい。下腹から魔羅の辺りが、今にもリオレウスみたいに火を吹くんじゃないかってぐらい熱くて、苦しい。
「うああぁ、ぁ、あぁ、でねぇよぉ、キツいよぉぉ……」
下から発射できない代わりに、上から情けない声が洩れ出る。
「よもや、薬が効きすぎましたか」
バレてるし。色々つらくて泣きたい。なのに出したくて出したくて、気持ちいいのが欲しくて腰は止まらない。
「あひっ、あっお゛っ、あ、あっあっ、ぁ、ぉ」
「これ、無理に動いては……」
「お゛っ、ぁっああぉッ、ぎも゛ちぃ、い゛いっ、カゲロウさんのデカちんぽぉッ、きもぢいいのにッ、でねぇよぉっ、ちんぽ、ちんぽ爆発するうぅぅ、ぐすっ、ゔぅ……ッ」
立派な成人男子になって、自力で射精できなくて泣く日がくるなんて誰が思うか。しかも原因が自分で使った薬って。効くには効いたが効きすぎだし、気持ちいいのと感じるのはいつもと大して変わらないから、熱を放出できないだけただただ地獄だ。
「ゔゔぅッ、うう、うあ゛ぁっあっ! あっ、お゛っぁ、たすけ、たすけてカゲロ、さ、んお゛ぉッ! お゛ひっ、おッ、たひゅけ、れぇっあ"ああぁッ!」
「手出し無用、と言いましたのに」
「ごめ、ごぇんなさ、あ゛ぁっう、ごめんなひゃ、いッ、ゆるしてぇっぇ、ぁあ、あ゛あ゛ぁッ、っんぃい゛い゛ィ~~~ッ……‼」
ぐりゅっと奥を捏ねられて、中イキがキまる。腹の中がぎゅんぎゅんして、カゲロウさんの逸物の血管の形まで感じてしまうようで、理性なんて吹っ飛びそうなほど気持ちいい。でも出ない。苦しい。確かに手出し無用なんて言ったけど、俺が縋ることができるのはこの人しかいない。カゲロウさん、カゲロウさん、たすけて。馬鹿みたいに名前を呼んで、力の入らない腕でしがみつく。
「かげ、カゲロウ、さ、ぁっん、カゲロウさ、ゆるして、ごぇんなさ、あうっ、あっ、こし、とまんねぇよぉ……っ」
「セジ殿、それがしは怒ってなどおりませぬよ」
「ううっ、ぐずっ、ゔゔぅぅ~~…」
「ほら、こちらを向いて……ああ、ひどいお顔だ」
カゲロウさんがちょっとだけ御札を捲って、顎を掴んで口づけてくれる。そういえば、俺が手出し無用と言ったせいで、今夜は口づけもしていなかった。なんだか急に恋しくなって、涙やら鼻水やらでベトベトなのも忘れて薄い唇に吸い付く。カゲロウさんは俺の汚い顔を見て、可愛い、なんて言いながら、器用に片手で俺の髪紐を解いた。パサリと落ちた汗まみれの髪を丁寧に、愛おしげに梳かれると、それだけで俺の脳味噌はトロトロに蕩けてしまう。
「セジ殿、動きますよ」
蕩かされて、力が抜けたところで両手首を掴まれた。抵抗できなくなったところで、ごちゅん!とひと突き。
「お゛あ゛あぁッああぁぁあ゛あ゛ぁ⁉︎」
俺の咆哮と同時、びくん、とぱんぱんに膨れたちんぽが震えるが何も出ない。何度も突き上げを食らわされて、腹の中に出された子種がぶぽっ、ごぷっ、と下品な音を立てて逆流してくるが、それさえ押し戻されるくらい、カゲロウさんの責めは激しい。
「おあ゛ぁっ! お゛っ! ん゛おぉっ! おひっ、おッおおああ゛あ゛ぁァッ! いぐううゔぅッ‼」
とても人には聞かせられない声を上げながら、俺はまた中で達った。ちんぽが震えて鈴口をはくはくさせているが、やっぱり一滴も出ない。
「ふむ、これでも出ませんな」
では、とカゲロウさんの手が俺の腰に移動する。奥までみっちり埋まった逸物を、ずるる、と半ばまで引き抜く。尻孔が捲れて、ぞくぞくする変な感覚と共に、あぁああぁ、と変な声が出た。次に来るであろう快感を想像して、震える。半分くらい挿入されたこの状態で狙う場所なんて、一つしかない。カゲロウさんが、腰を揺らす。
「~~……ッあっあ゛ッおッあっそこっそこだめ、らめ、こりこりだめぇッだめっあ゛っあ゛ッあぁっ!」
一定のリズムでこりゅっこりゅっと前立腺を擦られ、それに合わせて玩具みたいに声が出る。
「やッんひっひぃっひいィッだめ、やめれ、やぁあッあ゛っんぉお゛ッおおぉ゛っいぐ! イく! イ゛ぐッ! いくい゛くい゛ぐゔぅ~~~っ‼」
だめ、やめて、なんていうのは口だけで、俺はカゲロウさんの動きに合わせて腰を振りたくっていた。大股開いて、ガニ股のすげぇはしたない格好で前立腺にごりごりカゲロウさんの先っぽを擦り付けて、派手に達った。まあ、やっぱり一滴も出ないんだけど。
「ふーむ……」
カゲロウさんは、どうやら俺のちんぽから子種を出させようとしてくれているらしいが、出せないまま容赦なく快楽責めをされて連続達きする方の身にもなってほしい。気が狂いそうだ。あと、マジでちんぽ爆発する。
ちなみに、俺の中達きはまだ終わってない。背が勝手に海竜種みたいに反れて、天を仰いで、お、お……ってぶるぶる震えながら固まってる。
「どうしたのもか……このままではセジ殿の魔羅が爆発してしまう」
そうです、爆発しそうなんです。ていうかもう、体感で三回くらい爆発してます。もう駄目だ、俺はこのままちんぽが爆発して死ぬ。カゲロウさんを巻き込みたくなかったが、この距離では巻き添え不可避だろう。ごめんなさい、カゲロウさん。故郷が滅んでも生き延びられたのに、まさか俺のちんぽの爆発に巻き込まれて死ぬなんて───
「ひぎゃあッ‼⁉︎」
「え、」
え、じゃない! え、じゃない‼
今にも爆発しそうな爆弾に触る人がいますか⁉︎ いいえ、いません! いや、いたわ此処に!
カゲロウさんは俺の反応に驚いたみたいだが、正直俺も驚いてる。触られた瞬間、電撃みたいに快感、を通り越して熱い何かが駆け巡って、悲鳴を上げるしかなかった。長く射精できず、熱が溜まって過敏になっているのは想像できたが、触れられるだけでとにかくキツい、無理だ。
「やめっやめれ、やだやだぁっさわ、っ、さわらないれえぇっ……!」
「しかし、触れぬわけには……ううむ」
カゲロウさんが唸るのも最もだ。直接触って出すのが一番手っ取り早いに決まってる。だけど、ちょっと、今は無理。
「仕方ない」
「お゛っ、あ、ぁ……?」
ひ、ひ、と喉を鳴らしてカゲロウさんにしがみついていると、そのまま敷布に押し倒された。
「少し無理をさせてしまいますが……ご辛抱を」
突然体勢が変わって状況が呑み込めないまま、限界まで開脚させられ、脚を前に倒される。自然と尻が高く持ち上がり、カゲロウさんを呑み込みっぱなしでぱっくり開いているであろう尻孔も、ちんぽも丸見えだ。それを恥ずかしいと思う間もなく、カゲロウさんが腰を引く。ずろろろ、とギリギリまで抜いて、また奥まで挿入れて、とちゅ、と突き当りを突いて、ぐりぐりと一番奥を押し潰すみたいな動きを繰り返す。
「んあ゛ぁ、ああ゛ぁあ、あー……あ゛、あッ、あはあぁそこぉ、ぐりぐり……っ、はああ゛ぁぁんっ……!」
ナカの性感帯をゆっくり苛めるような動きに、腹筋がびくびく震える。カゲロウさんの指先が、ツツ、と震える腹を辿って、臍の下辺りで止まった。
「わかりますか、セジ殿。奥の、ここが、開いてきました」
「あ、ぁ? おく、ひら、く……? あぁ、あう、あ、ぁ、だめ、そこだめ、ぁ」
カゲロウさんが突くたび、腹の奥にあるらしい弁みたいな部分がくぱ、くぱ、と開きそうになって、徐々に緩んでいく。そこまで挿入っちゃいけない気がするんだけど、カゲロウさんに耳元で、お腹に少し力を入れて、なんて熱っぽい声で言われたら、従わざるを得ない。んっ、と気張るように腹に力を籠めると、それに合わせるみたいにカゲロウさんのがまた奥まできた。開きそうになっていた弁のような部分を突破したのか、ぐぽぉッ! と腹の中からしてはいけない音、が───
「ん゛おごぉッ……‼⁉︎」
突き当りだと思っていた場所を突き破られ、更にその奥までどちゅんっ! とハメられた瞬間、身体が壊れた玩具みたいに勝手にのたうった。フルフルのブレスにやられたみたいに、ビリビリ、バチバチと電撃、もとい快感が全身を駆け巡っていく。その、あまりの強烈さを身体が受け止め切れなかったのか、ちんぽの先からトロリ溢れて漏れてしまった、らしい。
「ああ、ようやく出ましたな」
「お、ぉ、ほぉぉ……ッ、ッ♡ ちんぽぉ、ちんぽとけりゅうぅぅ……♡」
もっとも、舌を突き出してビクンビクン痙攣してる俺は、あんなに望んでいた射精を成し遂げたことになんて気づいていない。一方カゲロウさんは、よかったですね、出ましたよ、と俺に射精を報せてくれているが、同時にぐっぽぐっぽと奥の奥を責めることも忘れない。抉じ開けられた腹の中の弁は一撃で陥落していて、もともと中にあった子種で滑っていることもあり、もうゆるゆるだ。溢れた子種が擦れて泡立つ入り口も、充血した腸壁も、緩んで役目を放棄した弁も、更にその奥の突き当たりも、ぢゅぱぢゅぱちゅうちゅうとカゲロウさんの逸物に吸い付いて、変な声しか出せない俺の代わりに気持ちいい♡ 気持ちいい♡ と訴えている。
「あっお゛ッ♡ おッ♡ ほぉっんおっんお゛ぉッ♡ ほおおぉんッ♡♡ いいっイ゛イッおく♡ ん゛お゛ぉッおくぅ♡♡♡」
カゲロウさんの腹と俺の腹の間で、先っぽからチョロチョロと子種を垂れ流しながらちんぽが揺れる。少しずつ出ているから、ずっと達き続けているみたいだ。尻を高く上げているせいで、零れた子種は腹から胸元、果ては顔にまで飛び散る。
「おあっお゛っん゛ぉッ♡ あっあ゛っあ゛っお゛っあっお゛ッおッいく♡ いくいくいく♡ お゛ぅっお゛ッいぐっいぐううぅんッ♡」
「ふふ、もう幾度も達しているではないですか」
どちゅっ、どちゅっ、ぐぽっ、ぢゅぽっ、ぐぽっ───もうカゲロウさんの逸物で奥を突かれて達くこと以外何も考えられない。脳味噌までちんぽに……いや、まんこになっちまった、かも。
「あ゛ッあ゛っおくっ♡ おぐッずぼずぼきもちぃ♡ きもちい゛ィッ♡ おほっお゛ぉッきた♡ きたきたきたぁっすごいのっ♡ しゅごいのきたあ゛ぁっ♡ ああぁはあ゛ぁあ゛あ゛んッ♡♡」
ぶびゅ! どぴゅ! とついにちんぽから大量の熱い子種が噴き出した。体勢のおかげで、全部自分の顔に飛んでくる。びちゃびちゃと白濁にまみれて、ようやく出せた安堵感と多幸感から、俺は続けて中達きした。
「あ゛~~~ッ♡ あ゛ぁぁ~~~~ッ♡ でたっ♡ でたぁッ♡ カゲロウしゃ♡♡ カゲロウしゃぁん♡♡♡ おれぇっちんぽじるいっぱいでたあああぁぁ♡♡♡」
「うむ、頑張りましたね。偉いですよセジ殿」
よしよし、とカゲロウさんの手が俺の頭をなでなでする。
直後、俺は白目を剥いて失神した。
◆
「カゲロウさん……」
「はい」
「俺は…………………………死にました…………」
「ご心配には及びませぬ。セジ殿は、元気に生きておられます」
よしよし、とカゲロウさんが頭を撫でる。嬉し恥ずかしスキンシップのはずなのに、さっきまでのことを思い出してしまって絶望感しかない。
残念ながら、最中のことは全てつぶさに覚えている。誠に、残念ながら。
恥ずかしすぎて今すぐ死にたいが、指一本動かせないのでは死ぬこともできない。
「……今夜のことは、忘れてください…………」
「そうですな。それがしに『カゲロウしゃん♡ ちんぽじるいっぱいでたぁ♡♡♡』と絶頂を報せてくださったことなんて忘れましょう」
「うあああああああああああ゛あ゛あ゛‼‼‼」
その後暫くの間、俺は探索でも狩猟でも、色々と思い出してしまうせいで防御力を上げるアイテムを使うことができなかった。