日時: 2025年11月21日 (水) 17:00-18:30
場所: 京都教育大学 1A402教室 (zoom同時配信)
講演者: 出原 浩史 氏(宮崎大学)
題目: 捕食者-被食者モデルと交差拡散
近年、交差拡散と呼ばれる非線形の拡散効果と反応拡散系との関係が数理モデルの観点から明らかにされている。本講演では、交差拡散を考慮した捕食者-被食者モデルと、捕食者個体群に2つの行動状態を持つ反応拡散系について議論する。捕食者は、移動性と被食者の探索活動を除き、同一の行動特性を持つと仮定する。すなわち、移動性の低い捕食者と移動性の高い捕食者は被食者の個体群密度(環境)に応じて移り変わるという状況を考える。交差拡散を考慮した捕食者-被食者モデルは、捕食者の2つの行動状態を持つ反応拡散系から、急速反応極限を介して導出できる。講演では、このような研究の背景にある基本的な捕食者-被食者モデルから始め、この方法で得られる数理モデルの利点なども説明したい。