第13回非線形発展方程式セミナー@KUE

日時: 2020年10月20日(火)16:30-18:00

場所: zoomミーティング

講演者: 内田 俊 氏(大分大学理工学部)

題目: p-ラプラシアンを主要項に持つ二重非線型放物型方程式の適切性について

 主要項がp-ラプラシアンであり,時間微分項に多価極大単調グラフを持つ二重非線型放物型方程式について考察する。 極大単調グラフがべき乗である場合(Porous medium/fast diffusion型)については非常に多くの先行研究があり,適切性だけでなく解の絶滅現象(extinction)の有無についても精査されている。 一方でMiyoshi–Tsutsumi(2016)は一般化Carlemanモデル(速度を2成分に限定した希薄流体モデル)の特異極限として,対数型の非線型性を持つ放物型方程式(極大単調グラフが指数関数である場合に相当)を導出した。 本講演ではこれらを含む多様な拡散現象のモデルへの応用を目指し,極大単調グラフに増大度,強圧性,一価性などの条件を可能な限り課さずに解の存在と一意性を示すことを目的とする。 また本講演の前半では本問題の導入として,対象とする方程式を発展方程式論的な立場から概説する。