第11回非線形発展方程式セミナー@KUE

日時: 2020年7月21日(火)16:30-18:00

場所: zoomミーティング

講演者: 小杉 千春 氏(日本女子大学大学院 理学研究科)

題目: 弾性体の伸縮運動を表現する初期値境界値問題について

 本研究では、輪ゴムのような弾性体を平面上の閉曲線とみなして、その伸縮運動を表現する数理モデルについて考察している。 これまでの研究により、弾性体の伸縮運動を記述する常微分方程式モデルを構築し、その解の存在と一意性について示すことができた。 また、構造保存数値解法により、数値解の存在とその収束に関する結果も得られている。 本セミナーでは、常微分方程式モデルに関する諸結果を紹介した後、常微分方程式モデルから導出される偏微分方程式モデルの初期値境界値問題Pについて考える。 本研究では、歪みを位置を表す関数の導関数の絶対値、応力を非線形リプシッツ関数で定義していることから、強解の存在は期待できない。 そこで、ここでは、問題Pの弱解を定義し、Galerkin法を用いた弱解の存在の証明の概略について述べる。 なお、本研究は、愛木豊彦教授(日本女子大学・理学部)との共同研究に基づく。